住宅の床にフローリングが使われている場合、日常生活で傷がついてしまうこともあるでしょう。
この記事では、そんなフローリングについた傷の補修方法をご紹介していきます。
また、賃貸住宅でのフローリングの傷についての考え方や具体例もご紹介しているので、賃貸住宅のフローリングの扱いにお悩みの方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
フローリングに傷をつけない簡単な方法もあるので、ぜひお試しください。
傷の補修の前に!フローリングの種類や特徴を理解しよう!
住宅において床の素材としてフローリングが選ばれることが多くあります。
フローリングの主な原料は木なのですが、その中でも大きく2種類に分けられます。
まず一つ目が無垢フローリングです。
無垢フローリングは天然木を利用して作られた床材で、一枚の天然木から成型されて作られます。
天然木の持つ味わいのある木目が特徴で、内装にこだわりたい場合にピッタリのフローリングの種類と言えるでしょう。
弱点としては、天然木を使用しているがゆえに、傷がつきやすいところです。
しかし、その傷も木が持つ特性を利用することで補修できる方法がありますので、その方法については後述します。
そしてもう一つが複合フローリングです。
複合フローリングは一般的に多く普及している床材と言えます。
何枚もの板を合わせて作られており、表面の塗装しだいでは傷などがつきにくくなります。
また、無垢フローリングに比べて価格が安いのも特徴です。
無垢フローリングの傷の補修方法
無垢フローリングの特徴は、天然木のみを原料にして作られているというところです。
天然木は湿度により膨張と収縮を繰り返すため、その特性をいかすことで軽い傷であれば補修することができます。
これからその補修方法についてご紹介します。
【必要な道具】
・サンドペーパー
・霧吹き
・タオルや布
・アイロン
・ワックス
【補修方法】
①まずは傷がついた部分をサンドペーパーで少し削って整えます。
②少し削った部分にタオルや布をかぶせ、霧吹きで水を吹きかけ、30分ほど放置してください。
③時間が経過したら、かぶせたタオルや布の上からアイロンをあてます。
④傷の様子を見ながら、湿らせてアイロンをあてるという作業を繰り返してください。
⑤最後にワックスで表面を保護して終了です。
木が本来持つ特性を利用して、傷がついていないフローリングを目指しましょう。
複合フローリングの傷の補修方法は?
複合フローリングは表面だけに天然木を利用しているため、木の持つ力で傷を補修することは難しくなります。
そのため、複合フローリングを補修するためには補修用に作られた「クレヨン」を使います。
補修用のクレヨンを使った複合フローリングの補修方法は以下の通りです。
【必要な道具】
・クレヨン
・カッター
・スプーン
・ライター
・ハケ
・布
【補修方法】
①カッターを使い傷に埋める程度の量をクレヨンから削り取ります。
②削ったクレヨンをスプーンに乗せ、スプーンの下からライターの火であぶります。
③クレヨンが溶けたら傷に流し込んでください。
④クレヨンが乾いたら、ハケで表面が平らになるように削りましょう。
⑤布に水を含ませ、傷が周りの素材となじむように拭き取って完成です。
補修用のクレヨンはいろいろな色が展開されています。
ご自宅の複合フローリングと合う色を選んだほうが、傷が目立ちにくいです。
もし、希望の色がない場合は複数本のクレヨンを用意して、同じ色味になるように混ぜ合わせて使ってください。
賃貸住宅で考えるフローリングの傷について
ここまでフローリングについてしまった傷の補修方法などについてご紹介してきました。
フローリングについた傷も軽いものであれば補修は可能です。
しかし、賃貸住宅のフローリングに傷がついてしまった場合はどうなるのでしょう。
賃貸住宅で考えなければならないのは原状回復についてです。
原状回復とは、賃貸住宅を退居するときに入居したときと同じ状態に戻すことです。
基本的には、経年や普通に生活を送っているうえでできた傷などは、貸主が補修費用をまかないます。
しかし、借主の故意や過失によって傷などがついた場合は、その補修費用を借主が負担しなければなりません。
ただ、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」ではフローリングに関して以下のような文言が含まれています。
『フローリング等の部分補修については、経過年数を考慮することにはなじまないと考えられる。』
このことから、賃貸住宅によっては自然についたフローリングの傷でも、補修費用を負担する可能性があるということは頭に入れておきましょう。
とはいえ、よく見なければわからないような微小の傷であれば、補修費用を請求されることはそれほど多くはないでしょう。
賃貸住宅におけるフローリング傷の具体例
賃貸住宅の場合、フローリングについてしまった傷の補修費用は、貸主か借主かどちらの負担かあいまいな部分があります。
お住まいの賃貸住宅によっては、基準が変わることもありますが、ある程度の基準は知っておいたほうが安心でしょう。
それでは、賃貸住宅で考えられるフローリングの補修費用を、貸主と借主のどちらが負担することになるのか、具体例を示してご紹介していきます。
【貸主が負担するケース】
・家具を置いたことでできたへこみや跡
・日の光による表面の変色
・部屋の構造上の欠陥により起きた結露が原因による汚れ
【借主が負担するケース】
・家具の移動に伴う傷
・椅子のキャスターが原因によるへこみ
・日頃からの掃除や手入れ不足が原因による汚れ
これらの具体例を踏まえたうえで、どれが当てはまるのかを考えておくと、退去するときに敷金で損することが少なくなるでしょう。
フローリングに傷をつけない方法
所有している家にしても、賃貸住宅にしても、フローリングに傷がつかないほうがいいことには変わりはありません。
それでは、これからフローリングに傷をつかない方法をいくつかご紹介していきます。
〇カーペットを敷く
フローリングにカーペットを敷けば、家具の移動などでフローリングに傷がつくのを防ぐことができます。
また、椅子についたキャスターでフローリングがへこまないように、椅子の移動範囲には厚めのカーペットを敷くと良いでしょう。
〇家具の脚にクッションを貼る
家具の脚が接地している部分はへこみや傷がつきやすいです。
そのため、脚の裏側にクッションを貼って、フローリングが傷つかないように保護しましょう。
〇定期的な掃除や手入れ
フローリングの掃除を怠っていれば、染みついた汚れが落ちなくなってしまうこともあるので注意してください。
また、定期的にワックスをかけてフローリングの表面を保護すれば、傷もつきにくくなるはずです。
しかし、フローリングの種類によってはワックスとの相性が悪いこともあるので、その点は事前に確認しておきましょう。
これらの方法を試して、補修の必要がないきれいなフローリングを維持しましょう。
傷のないフローリングを目指そう!
フローリングをきれいに保つために、傷がついた部分の補修は早めに行いましょう。
放っておくと傷の範囲が広がってしまうこともあるので、注意してください。
ただし、賃貸住宅のフローリングに傷がついた場合は、自分で補修を行っても退去時に補修費用を請求されてしまうかもしれません。
できるだけ、フローリングに傷がつかないように、日頃からできる対策は行っておきましょう。