家屋を囲む境界フェンスには、一般的なフェンスを始め、ブロック塀や柵など様々な種類が豊富にあるため、選ぶ際には悩んでしまいますよね。
また、境界フェンスを設置するにあたっては、隣家との相談なしで行ってしまうと、後々隣家との厄介な境界トラブルに発展する可能性もあります。
そこで、この記事では、境界フェンスを設置する上で知っておきたい知識から、隣家との境界トラブルを防ぐためのポイントまで、詳しくご説明していきます。
一般的なフェンスの相場は?
新築する際、隣家との境界を目に見える形で明確にするためにも、境界フェンスは必要になってきます。
しかし、一口にフェンスと言っても種類は様々で、一般的なフェンスからブロック塀、柵や生け垣などがあり、それにかかる費用も上下します。
そのため、境界フェンスを決める上では、各種類の特徴や施工費用などをよく比較して検討することが大切です。
ではまず、一般的なフェンスの費用について見ていきましょう。
境界フェンスとしてメジャーなのは、一般的にコンクリートブロックや化粧ブロックの上に設置されるものです。
新築で境界フェンスを設置する場合、ほとんどの場合はフェンスを設置するための基礎がない状態なので、支柱を立てるための基礎工事から行う必要があります。
一般的なアルミ系フェンスの場合、1枚あたりの本体価格は10,000~30,000円で、支柱は1本あたり約2,000円前後になります。
施工にかかる費用の相場は、組立と支柱工事で1カ所あたり6,000~7,000円前後かかると見て良いでしょう。
ただし、ブロックなどの既存の基礎がある場合、そこに穴を空けてコア抜きを行うことで、支柱を立てていきます。
このコア抜き工事には、1カ所4,000円前後のコストがかかりますが、基礎工事が不要なので割安でフェンスの設置をすることができます。
これらは依頼業者やフェンスの種類によって値段が変わってくるので、見積もりをとって比較してみるのが良いでしょう。
境界フェンスはどうする?ブロック塀の相場は?
では次に、ブロック塀の費用について見ていきましょう。
ブロック塀とは、石やコンクリートなどを主材として造る境界塀を指します。
一般的に、仕上げ材としてジョリパットが使われており、これには耐久性や防火性、防カビ性などの優れた特徴が備わっています。
このようなブロック塀を設置する場合、基礎工事に1mあたり4,000円、ブロックの施工に1㎡あたり8,000~10,000円前後かかります。
また、ブロックを積んだ上にフェンスを設置する、ブロックとフェンスを組み合わせた塀も人気があります。
例えば、3㎡に対し、3段ブロック塀の上にアルミ系フェンスを設置する場合、ブロック塀の施工で約10万円、フェンス施工で約60,000円がかかります。
一般的なフェンスの施工と比べると、工期が長くなる分、人件費も費用も割高になってしまいますが、ただフェンスを設置するよりも外観の見栄えが良くなるため、選ぶ方も多いです。
フェンスとブロック塀どちらにする?フェンスのメリット・デメリット
境界フェンスについて、一般的なフェンスとブロック塀の相場の費用を見てきました。
比較する対象として相場ももちろん気になりますが、それぞれのメリット・デメリットも気になるところです。
ではまず、一般的なフェンスのメリット・デメリットについてご説明していきましょう。
【メリット】
・種類によっては安価で設置できる
・種類やデザインが豊富
・ブロック塀に比べ、工期を短縮できる
・地震で倒壊するリスクが少ない
・解放感がある
【デメリット】
・プライバシー保護に欠ける
・防犯性が低い
以上のように、一般的なフェンスに関しては、比較的安価で施工することができると同時に、デザイン性に優れた解放感のある境界フェンスを設置できることが魅力です。
また、日本は地震の多い列島なので、地震による倒壊リスクが少ないことも安心できるポイントです。
ただし、人の視線からプライバシーを守りたい方にとっては不向きであると言えます。
ブロック塀を境界フェンスに!そのメリット・デメリット
では続いて、ブロック塀のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
【メリット】
・防犯性が高い
・プライバシー保護に長ける
・組み合わせ次第でおしゃれになる
【デメリット】
・風通しや日当たりに影響する
・圧迫感がある
・空き巣行為を助ける
・地震による倒壊リスクが高い
ブロック塀の場合、外からの視線を完全にシャットアウトすることで、プライバシーをしっかり守ることができる他、塀の乗り越えが容易ではないため、不審者の侵入を防ぐことができます。
ただし、万が一空き巣などの侵入があった場合、そういったメリットが裏目に出て、空き巣被害が大きくなりやすい傾向にあります。
また、特に気になるデメリットが、地震による倒壊リスクです。
2018年6月に発生した、大阪府北部地震によるブロック塀倒壊被害は記憶に新しく、地震に対するブロック塀の弱さが露呈されました。
建築基準法を満たした耐久性のあるブロック塀ならまだ安心できるとは言え、地震の多い日本においては、やはり倒壊リスクは高いと言えるでしょう。
境界フェンスとしてブロック塀を採用する場合は、このようなデメリットへの対策を講じる必要があります。
コストをうまく抑えるポイントは?
境界フェンスを選ぶにあたり、一般的なフェンスとブロック塀のメリット・デメリットをそれぞれ見てきました。
境界フェンスは外構の見栄えを良くする一部でもあるので、ついついこだわり過ぎて予算がオーバーしてしまいがちです。
そこで本項では、境界フェンス設置にかかるコストをうまく抑えるポイントについてご説明していきます。
まず、予算を抑えた安価なフェンスについて見ていきましょう。
安価なフェンスは、シンプルであるため質素に見えてしまいますが、工夫次第で見栄えをカバーすることができます。
例えば、色鮮やかな植栽で彩ることで、質素なフェンスを華やかな印象に変えることができ、実際そういった工夫を凝らす家庭も多く見られます。
また、ウッドフェンスでガーデンスペースを作ったりと、DIYのやり方次第でおしゃれな外観に見せることができます。
つまり、自分で安価なDIYによる工夫を凝らすことで、フェンス設置のコスト削減を図ることができるのです。
また、コストを抑えるには、依頼する業者の選び方も大切です。
いくつかの業者から見積もりをとり、材料費から施工費などをよく照らし合わせて検討してください。
隣家との境界トラブルには注意!
新築で境界フェンスやブロック塀を設置する際、費用や外観も大切ですが、共有する場合に必ず覚えておきたいのは「隣家との事前の打ち合わせ」です。
特に新築分譲地の場合、左・右・奥の隣地に対しては、後々トラブルが起きないようにあらかじめ打ち合わせをしておくことが重要です。
まず、隣地境界にフェンスやブロック塀を共有して設ける場合、基本的にその費用は隣家との折半になります。
フェンスにするかブロックにするかなど、そのデザインや内容も隣家との相談で決めていきます。
また、今後に発生するフェンスの修繕費用も基本的に折半になります。
ただし、隣家が共有フェンスの設置を希望しない場合は、工事希望者側が自分の敷地内にフェンスを設ける形になります。
敷地内に設ける分には、コストやデザイン、素材は自由に決めることができますが、念のために隣家にもその旨を伝えておくのが良いでしょう。
以上のように、境界フェンスの設置は共有の場合はもちろん、敷地内に設ける場合も隣家に対してコンタクトをとることがベストと言えます。
これを怠ってしまうと、後々厄介なトラブルに見舞われる可能性があります。
隣家との余計なトラブルにならないように、上記のことはしっかりと覚えておきましょう。
安心できる境界フェンスを
境界フェンスを選ぶ上では、フェンスにしてもブロックにしても、メリット・デメリットをよく知っておく必要があります。
両者どちらにしても一長一短ありますが、それぞれの特徴を知り、自分の家に合った安心できる境界フェンスを作りましょう。
また、特に共有フェンスを作る場合は、隣家とのコンタクトを怠らないように注意してください。