ロフトがある家に憧れている方も多く、設計段階からこだわって建てられたマイホームを見かけると羨ましく感じる事もあります。
そんなロフトですが、高さ制限があることをご存知ですか?
場合によっては違法建築をすすめられてしまうこともあるので、しっかりと調べてから住宅会社を選ぶことも大切ですよ。
ロフトの高さ制限・広さ制限
ロフトは、寝るスペースとしても遊ぶスペースとしても活用できて、収納場所にもなります。
隠し部屋みたいなイメージもあり、落ち着けるスペースとしても人気です。
このロフトですが、実はどんな高さで作ってもいいわけではありません。
「建築基準法」の「小屋裏物置等」によって制限が定められていて、天井高は1.4m以下ということになっています。
また、床面積にも制限があり、ロフトの面積はロフトがある階の床面積の1/2未満でなければいけないと定められています。
さらに、ロフトの床面積がロフトのある階の床面積の1/8を超えるような場合、建物内全ての階の壁の量を増やすことも定められています。
これについては、調べればもう少し細かな内容で定められています。
また、自治体によってはロフトの階段が固定式になっていてはいけないという事を定めている場合もあります。
気になるなら、お住いの自治体に確認してみると正確な情報が分かりますが、基本的には先ほどの3点を把握しておきたいものです。
ロフトの高さ制限を無視するとどうなるの?
高さ制限を超えたロフトを造ると、ロフト自体を階としてカウントしなければならなくなるため、税金が高くなってしまう事になります。
ロフトなら法定床面積に含まれないため課税対象とはなりませんが、階として扱われると固定資産税も上がってしまうのです。
資材や内装にも左右されますが、ロフトの「3階建てよりも税金を抑えられる」というメリットは見逃せません。
また、3階建てになるといろいろな規制がありますので、それをクリアしているか確認する手間がかかります。
消防の規制から、非常用進入口の設置を考えなければならない事もあります。
2階建てにお得に気軽にスペースを増やせる、それがロフトをおすすめする理由です。
では、ロフト部分を3階と見なさないのはなぜなのでしょうか。
大きな家の場合、ロフトが広々としていて、壁が無いだけで3階のように感じることもありますよね。
固定階段などがついていればなおさらです。
この理由としては、「ロフトは収納スペース」として定義されていることにあります。
先ほども、「建築基準法」の「小屋裏物置等」のことに触れましたが、物置扱いになるので広さも制限がある、というわけです。
高さ制限を超えたロフトが3階扱いになると?
実は、3階建ての家を建てられない地域もあります。
日本には「用途地域」という考え方があり、用途地域ごとに建ぺい率、容積率、高さ制限などが決められています。
「第一種低層住居専用地域」、「第二種低層住居専用地域」などになると、規制はぐっと厳しくなり、3階建てというだけで許可申請が通らないケースもあるのです。
そうでなくても、3階建ては災害時の強度を特に考えなければいけなくなりますので、規制は厳しくなります。
家を建てる時に提出する「建築確認申請書」に「構造計算書」をつけて出すことも義務付けられており、いろいろな手間がかかってきます。
中には、確認申請の際はロフトを小さくしたもので申請し、許可されたら高さを上げて居住空間を広くしよう、とすすめてくる業者もいます。
しかし、制限を無視した建物は「違法建築」ということになります。
強度面で問題性がありますし、法律を無視することになりますので、こうした話には注意が必要です。
ロフトを安くつくるには?
高さ制限・広さ制限があり、自由に設計することはできないロフトですが、安くつくる方法があります。
それは、「住宅会社を選ぶ」という事です。
ロフトをつくりやすい家というのは、柱が太くて広い間隔で使われている造りになっています。
柱が多すぎると、ロフトも柱だらけになってしまうかもしれません。
限られた数のしっかりした柱で家を支えている構造なら、ロフトをつくるのも比較的簡単になります。
会社によって、「太い柱で建てていく」「細い柱をたくさん使って建てていく」など方針は違うこともあります。
どちらでも強度の面では優劣はないのですが、ロフトをつくるという事を考えたときには、前者の方がスムーズになります。
後者でもつくれますが、もしかしたら割高になってしまうかもしれません。
また、勾配天井もロフトがつくりやすい設計です。
天井が広々としており、簡単にロフトを追加できます。
ロフトの便利な使い方
高さの制限があり、立ち上がって楽しむことはできないロフトですが、さまざまな使い道があります。
ロフトのある家にしたい場合に、夢が広がると思いますのでご紹介しましょう。
〇ベッドとして使う
狭い部屋にロフトを作るともちろん狭くなりますが、ちょうどベッドサイズにすると、雰囲気が可愛らしくなります。
クッションや枕とかけ布団、シーツの色味を合わせればおしゃれにまとまります。
また、寝るスペースだけくぼんだロフトにして、敷き布団を敷いた時に床と高低差があまりできないような波打ったロフトにする方もいます。
どこか洗練された雰囲気になるため、「我が家だけの特別な空間」を楽しめますね。
〇階段をすべて引出しにする
収納スペースを格段に増やす方法がこちらです。
ロフトに上がる階段は邪魔に感じてしまうことも多いですが、収納可能にすれば、かなり使い勝手が良くなります。
〇集中できるスペースに
ロフトにデスクを置いて勉強スペースや読書部屋にすると、リビングよりも集中して取り組めます。
ロフトスペースの柵に机を取り付けると、読書などを楽しみながら下の様子もチェックできますよ。
ロフトを頑丈なつくりにして本棚を置いたりしてもいいですね。
ロフトをオリジナルな空間にする技
引き続き、高さ制限のあるロフトの使い道をご紹介します。
〇リビングとして使う
狭いロフトをあえてリビングにすることで、来客時にもお招きする事ができます。
座った状態ならくつろげますし、特別な感じがして喜ばれるかもしれません。
〇子供が遊ぶスペース
子供部屋やリビングにロフトを設け、おもちゃやゲーム、本や漫画などを置いて遊び場として使う事もできます。
小学生くらいになると、お友達を呼ぶことも多いですよね。
リビングが散らからないので助かりますし、子供もロフトでわくわく気分を味わえるかもしれません。
ロフトからハンモックを吊り下げてもいいですね。
<ロフトの柵、階段にも工夫>
ロフトの柵は木製にするのか、色はどうするのか、スチール製にするのかなどによっても印象は大分違ってきます。
それ次第で、モダンな雰囲気にも、ナチュラルな雰囲気にもなります。
また、クリアパネルを施す方もいるようです。
階段の工夫もそれぞれで、壁面に凹凸をつけて上れるようにしたり、手摺バーで上れるようにしたりする家もあります。
左右違った踏板の高さにして、ポコポコとアクセントをつける階段もあります。
子供やペットもラクラク上れますね。
また、ディスプレイ棚のように大きめの段差の階段をくりぬいて、中を飾る事もできます。
さまざまな工夫を凝らしておしゃれさを追求できるのも、ロフトのメリットですよね。
ロフトのある家を建てよう
ロフトの高さ制限、広さ制限についてご説明しました。
税金を安くしてスペースを広げる事ができますし、おしゃれに活用する事もできます。
お住いの地域によって基準は異なりますので、自治体や住宅会社に聞いてみるのもいいですね。
おしゃれだけではなく、耐震性にこだわって、転落しないように柵をしっかりつけて設計しましょう。