賃貸物件では何かと隣の部屋の音が気になってしまう場合があります。
ただ、普通の生活音のレベルであれば、音の感じ方は人によって違うかもしれません。
音の大きさによっては苦情を言いたくなることもありますが、すぐ隣に住んでいては距離をおくことも難しいですよね。
記事では、隣で発生しやすい生活音についてや音の大きさや距離の関係性を確認していきましょう。
音の大きさや距離は関係する?賃貸物件での音の感じ方
賃貸物件では、隣の部屋の音が気になることがあります。
音の感じ方には個人差があるため、どれくらいの音が問題なのか一概には言い難い部分もありますよね。
例えば、自分が部屋で何も音を出していない状況だと、隣の部屋の音がとりわけ気になることでしょう。
今まさに寝ようとしている場合などは特に敏感に感じ取ってしまうこともあります。
しかし、自分が部屋でテレビを見ていたり誰かと話している状況では、隣の部屋の音は全くと言っていいほど気にならないことが多いですよね。
このように、賃貸物件では音の大きさや距離というよりも、その時の自分の住環境によって音の感じ方はいくらでも変わってきてしまうということが分かります。
ただし、ここでお伝えしてきた音はあくまでも普通に生活していて出してしまう生活音の場合です。
過剰な音量で音楽を聴いていたり、友達を呼んでのパーティーなどで大騒ぎしている場合には、こちら側がどのような住環境であっても、許容できないことが多いですので注意が必要です。
また、隣の音が気になるということは、自分の音を隣の人も気にしている場合もあることを念頭に生活することも大切ですね。
音の大きさの単位で生活音はどれくらい?距離との関係は?
賃貸物件での気になる音ですが、ここでは音の大きさについての知識を深めていきましょう。
音の大きさは、dB(デシベル)で表されます。
この単位は誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
一般的に許容される範囲は、50~60dB位の間です。
具体的に述べると、50dBは換気扇や空調の音程度となり、非常に静かな状況であると言えます。
60dBは、朝の生活音やテレビや会話があります。
ただし、どの音も小さめに感じる程度の音の大きさになっています。
70dBはというと、会話・テレビ・掃除機など日中よく出しがちな音の大きさです。
ただし、70dBまでいくと人によってはうるさく感じてしまう方もいらっしゃいますので、掃除機など使う状況には注意しなければならないかもしれません。
使う時間帯への配慮も必要でしょう。
50~60dBの場合、音からの距離があればほとんど気になることはないのではないでしょうか。
ただし、70dBの場合は隣の部屋との距離があったとしても気になってしまう方もいるでしょう。
音の大きさで小さすぎる音・大きすぎる音のdBはどれくらい?
それでは、小さい音の限界はどれくらいでしょうか?
それは10dBで、感じられる音としての限界とも言われています。
かなり無音に近い状態と言えそうですよね。
20dBもまだ小さい音の範囲となり、呼吸の音などかなり静かな状況でなければ聞こえない状態です。
45dBまでは多少の程度の差はあるものの、かなり静かな状況であると言って良いでしょう。
ちなみに子供が弾くようなピアノ演奏は90dB、ドラムなどのバンド演奏は130dBとなります。
ピアノの練習は賃貸物件でもやることですから、音の単位としての目安になりますね。
45dBまでの環境下では、音の大きさはかなり注意していないと聞こえない程度のものですので、隣の部屋との距離に関係なく気にするような音ではありません。
また、ピアノなどの楽器演奏は普通に考えてもかなりの音の大きさになることが想像できますので、90dBはなかなか大きな音だと言うことができます。
ドラム演奏などの130dBという音は、賃貸物件では音から距離をいくら取ったとしてもかなりの範囲まで聞こえることが考えられます。
そのまま部屋で演奏するような方はいないと思いますが、130dBというのはかなりの大音量だと言うことですね。
音の大きさや距離は賃貸物件の壁の構造によっても変化
音の大きさはdBという単位で表されましたね。
前項までお伝えしたことによって、身の回りの音の大きさが大体何dBであるかお分かりになったことでしょう。
しかし、この単位はあくまでもそばで聞いていた場合の数値になります。
賃貸物件に住んでいる場合は、隣の音がダイレクトに伝わってくるわけではありません。
音は隣の壁伝いに聞こえてきますよね。
同じ音の大きさや距離であっても、賃貸物件の壁の構造によっては音の感じ方に違いが出てくると言えます。
例えば、古い木造アパートのような場合、壁に防音材などが含まれていないことも多いですので、壁を挟んでるとはいえかなりダイレクトに音が伝わってくるように感じるはずです。
また、鉄骨造の場合は木造よりは音が伝わりにくいかもしれませんが、構造は木造と同じなので音が伝わりやすいと言えます。
ただし、木造アパートでも鉄骨造でも壁に防音材が入っていれば防音効果が期待できますので、壁がどのような構造になっているか確認できると良いですね。
また、鉄筋コンクリート造では鉄骨とコンクリートで造られていることから、かなりの防音効果が期待できます。
鉄骨の賃貸物件は家賃が高いことが多いですが、防音のことを重要視するのであれば住む選択肢として選んでも良いでしょう。
音の大きさと距離との関係!なぜ音は距離をおくと小さくなる?
音の大きさと距離との関係性ですが、一般的に音は距離をおくことによって小さくなることを誰もが経験的に知っていますよね。
それでは、なぜ音は距離をおくと小さくなるのでしょうか?
音は振動で伝わっていき、多くの音の発生源は点音源になります。
点音源とは、一つの点から発せられるような音です。
ほとんどの音は、音が出たばかりの時に小さな球状になっています。
しかし、音の発生地から離れるにしたがって、音は球状にどんどん膨らんで大きくなっていきます。
音の表面積が大きくなることによって、音はその大きさだけ分散されることになります。
音が分散されたということは、感じられるひとつひとつの音も小さくなるということになるのです。
発生源にはいくつか種類がありますが、点音源の他によくある音源として、線音源があります。
線音源とは、電車の走行音などの直線的に発生する音になります。
線音源は点音源と違い、直線的に発生する音のため、点音源のようには音が分散されません。
同じ音でも距離によって感じる音の大きさは、点音源よりも線音源のほうが大きくなります。
電車や幹線道路が近くにある賃貸物件に住んでいる場合は、音が大きく感じられるため注意が必要ですね。
自分でできる隣の音を遮る方法は?
賃貸物件に住んでいる場合、隣の音が気になるときに実践してもらいたい方法があります。
ここでは、そのいくつかをご紹介していきます。
〇壁に背の高い家具を配置する
隣の音が気になる場合、音が伝わってこないよう家具を配置する方法があります。
背の高い家具を選べばさらに効果が期待できます。
〇壁に吸音材や遮音材をつける
壁に設置する大型家具がない場合、壁に吸音材や遮音材をつける方法があります。
どちらの機能も合わせて設置できれば、より高い防音効果が期待できます。
物理的に距離を取ることは難しいですので、基本的に音を少しでもシャットアウトする方法が有効です。
しかし、できることを施してみたとしても隣の部屋の音の大きさによっては許容範囲を超えてしまう場合もあるでしょう。
そういった場合は、管理会社に相談してみることをおすすめします。
音の大きさや距離は住環境によって変わる
音の大きさはdBで表し、ほとんどの音は距離をおくと音が分散され小さくなります。
生活音での許容範囲は50~60dB、掃除機などの音は70dBとなり、使う時間帯などに配慮が必要になるでしょう。
ピアノ演奏は90dB、ドラム演奏は130dBですので、100dBを超えた音量はかなりの騒音であると言えますね。
ただ、dBの数値はあくまでも数値であり、実際に感じる音の大きさは住環境に左右されます。
防音効果が高い賃貸物件に住めるのが一番ですが、自分でできる対策も試してみてくださいね。