ご自宅の窓が「開かない」、または「開けにくい」と感じたことはありませんか。
また、クレセント錠がかみ合ってしまって、鍵が掛からないという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
このようなことは、なにが原因として考えられるのでしょうか。
開け方とあわせてご紹介します。
また、クレセント錠で問題視されている防犯性についても最後にお話しします。
クレセント錠ってどんな開け方をする鍵?
ご自宅の掃出し窓や腰窓には、どのような鍵が付いていますか。
おそらく、ほとんどの家で「クレセント錠」が付いているのではないでしょうか。
クレセント錠とは、窓の室内側に取り付けられている鍵で、回転する部分が三日月(クレセント)の形をしているものを指します。
外側の窓の引き違い部分に受け金具があり、内側の窓の引き違い部分に三日月型の金具、クレセントが付いています。
このクレセントのレバーを上下に動かして開閉できる仕組みになっていますが、何らかの不具合でときどき開かなくなってしまうことがあるようです。
そこで、クレセント錠が開かなくなってしまう不具合の原因と、対処法としての開け方をご紹介していきます。
まずはメリットとデメリットを知り、クレセント錠の特徴から把握しましょう。
クレセント錠のメリットとデメリット
クレセント錠はときどき不具合が発生し開かなくなることがあるとお伝えしましたが、それはなぜなのでしょうか。
ここではクレセント錠の特徴を把握するために、メリットとデメリットをご紹介します。
●メリット
・作りがシンプルであるため、頑丈で壊れにくいと言われています。
・レバーを回すだけの単純な動作で開閉ができるため、細かい操作が難しい方でもスムーズに開閉することができます。
・もともと密閉度を高める目的の器具だったこともあり、防振性や遮音性にも優れています。
▲デメリット
・レバーとロックが一体化しているため、クレセント錠まわりのガラスを割られてしまった場合、簡単に開けられてしまうなど、防犯面に不安があります。
・窓をガタガタ揺するとレバーがズレていき、ロックが外れてしまうことがあります。
この場合も防犯面の不安に繋がります。
・壊れてしまった場合には部分的な修理ができず、一式を取り換えなければならないことが多いです。
普段何気なく使っているクレセント錠がどのようなものか、お分かりいただけましたか。
次項からは、クレセント錠が付いた窓が開かなくなってしまう原因と、開け方についてお話ししていきます。
クレセント錠自体は問題なし!原因がサッシにある場合の窓の開け方
窓が開かなくなる原因のひとつとして、窓のサッシがズレているということが考えられます。
比較的築年数が経っている建物ではよくあることですが、サッシを少し持ち上げて開閉しないと、窓が開けにくいことがあります。
これは、経年劣化によって窓枠やサッシにひずみが起こり、サッシの位置がズレてしまっていることが原因です。
また、クレセント錠そのものの不具合はないにしても、窓枠やサッシのひずみによりクレセントと受け金具のかみ合いがズレてしまい、開閉がスムーズにいかないこともあります。
このような場合の窓の開け方は、サッシを上下左右に動かし、クレセントのかみ合いを緩めることです。
そうすることで、一時的には開閉できるでしょう。
しかし、そのまま放っておくとまた開かなくなってしまうので、サッシ位置の調整をすることをおすすめします。
窓を開けるとサッシの側面の下部分に穴があいているはずです。
この穴にプラスドライバーを差し込み、調整します。
右回転をするとサッシが上がり、左回転をするとサッシが下がります。
このようにして丁度良い位置に調整できると、クレセントも正常な位置に戻り、窓の開閉がスムーズに行えるようになります。
クレセント錠がズレた場合の窓の開け方
次に、窓が開かなくなる原因がクレセント錠にある場合についてのお話をします。
窓のサッシ位置が正常であったとしても、クレセント錠自体がズレていれば窓は開けにくくなります。
これは、毎日のようにクレセントのレバーを動かして開閉しているうちに自然と負荷が掛かり、ビスが緩んでくることが原因として考えられます。
この場合の開け方は、クレセント錠のビスの緩みを直して、正常な位置に戻すことです。
最近のクレセント錠は見た目も重視されていて、ビス穴が見えないようカバーで覆われているものもあるので、その場合はカバーを取り外してから作業を行ってください。
まずは、クレセント錠本体のビスをドライバーを使って緩めます。
次に、受け金具の方のビスも緩めましょう。
このとき、ビスは緩めるだけで完全に外さないように注意してください。
クレセント錠本体と受け金具が正常にかみ合う位置に調整したら、ビスを締めます。
クレセント錠本体は上下に、受け金具は左右に調整できます。
クレセント錠が壊れて窓が開かない場合は交換が必要!
窓がスムーズに開けにくくなった場合の開け方は、お分かりいただけたでしょうか。
次に、クレセント錠が壊れてしまった場合の対処法についてお話しします。
クレセント錠は丈夫で壊れにくいものの、毎日のように窓を開閉するうちに劣化し、いつかは交換時期もやってきます。
そんなとき、ポイントを押さえればご自身で交換が可能ですので、その手順をご紹介しましょう。
《交換手順》
①代替品を用意する
ご使用中のクレセント錠のメーカーとタイプを調べ、同じ製品を用意しましょう。
廃盤となっている場合などは、代替品として「ビスピッチ」「高さ」「引き寄せ寸法」が一致している製品を選んでみてください。
②既存のクレセント錠を取り外す
クレセント錠の上下にあるビスの上側を外し、下側を緩めて本体をズラします。
取り外した上側のビスを、もう一度サッシに取り付けておきます。
※サッシの内側にビスを固定させる板があるため、そのパーツが落下しないよう、ビスを完全に外さないようにしましょう。
下側のビスを外し、本体を取り外します。
③新品のクレセント錠を取り付ける
下側のビスで本体を仮止めします。
上側のビスを取り外し、本体を正常な位置においてビスを取り付けます。
※のちほど位置を調整するので、まだしっかり締めないでおいた方が良いです。
④高さ・引き寄せ寸法を調整する
高さ・引き寄せ寸法を調整できる製品の場合は、取扱説明書を見ながら調整しましょう。
⑤調整
開閉がスムーズにできる位置になるよう、本体と受け金具の両方の位置調整をし、ビスを完全に締めます。
以上がクレセント錠の交換方法となります。
クレセント錠の防犯性を高めるには
メリットとデメリットでもご紹介しましたが、レバーを上下させるだけの動作で開け方が簡単であるために、クレセント錠は防犯面の不安が問題視されています。
最後に、クレセント錠の防犯性を高める方法をご紹介します。
●補助錠を取り付ける
補助錠にはたくさんの種類のものが販売されていますが、強力な両面テープで付けるだけの手軽なものもあります。
窓に補助錠が設置されていることが見て分かることで、泥棒が諦めることもあるようです。
●防犯フィルムを貼る
フィルムを貼るだけで窓ガラスを強力に保護してくれるため、ハンマーを使っても簡単には割れません。
●鍵付きのダイヤル錠を取り付ける
クレセント錠まわりの窓を割られても、設定した暗証番号を揃えないとクレセント錠のレバーを回すことができません。
これらの防犯グッズは簡単に取り入れられるものが多いので、この機会にクレセント錠の防犯性を高めてみてはいかがでしょうか。
クレセント錠の開閉がしにくくなったら調整を!
クレセント錠は多くの住宅で取り付けられています。
シンプルで使い勝手が良いものですが、ときどき窓が開かないなどの不具合も生じるかもしれません。
そんなときには、今回ご紹介した開け方の対処法を試してみてください。
また、クレセント錠の防犯面が不安視されているものの、昨今は防犯性の高い製品も多く開発されています。
ご自宅で今お使いのクレセント錠に不安がある方は、ホームセンターなどで販売されている防犯グッズを取り入れてみるのもおすすめです。