隣地との境界に塀をつくるとき気になる高さや注意点について

敷地には必ず、隣地や道路と領域を分ける「境界」があります。

日本の住宅では、敷地の境界に塀などで仕切りをつくるのが一般的です。

敷地の境界に塀をつくる場合、高さや位置などいくつか注意すべき点があります。

こちらでは、家を持つときに知っておきたい敷地の境界についてお話しし、塀をつくる際の注意点なども加えてご紹介していきます。

隣人との境界に関するトラブル回避のためにも、境界や塀に関する注意事項を押さえておきましょう。

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敷地の「境界」について

不動産としての「土地」は、人為的に区切られています。

どのような土地であっても、隣地との境目には「境界」があり、その境界によって領域が分けられているのです。

土地を隔てる境界は、基本的に杭や金属プレートで設置される「境界標」で示されます。

境界標には矢印や十字が表示されており、その中心が境界点(敷地の隅の頂点)を表しているので、境界点どうしを結ぶことで土地の「境界線」が判明します。

所有する敷地(建築物を建てる土地)がどこからどこまでなのか、塀などの仕切りがない限り見た目では判断できません。

しかし、敷地には必ず領域を隔てる「敷地境界線」があるのです。

敷地境界線には、「隣地境界線」と「道路境界線」の2種類があります。

隣地境界線は「隣の土地との境を示す線」で、道路境界線は「敷地に接する道路との境を示す線」です。

敷地境界線は、実際の仕切り位置が分かりづらく、中には境界標が設置されていない場合もあります。

また、塀などで仕切られていても、その仕切りが境界線上に正確に設置されていない場合もあります。

敷地の境界を正確に知りたい場合には、土地家屋調査士による土地境界確定測量が必要です。

隣家との間に塀をつくりたい場合には、住宅メーカーや外構業者に相談して、正確な境界線を調査してもらいましょう。

近年では、塀などの仕切りをつくらない「オープン外構」が増えてきていますが、境界トラブルやプライバシー問題から塀の建築を考える人は多いでしょう。

実際に塀をつくりたいと思ったとき、「塀の高さはどのくらいまで大丈夫なのか」「隣家とはどう交渉すればよいのか」など、いくつか気になる点があるかと思います。

次からは、前もって知っておきたい「塀をつくるときの注意点」についてお話ししてきます。

隣地との境界に塀をつくるときの注意点!高さや位置を考えよう

隣地との境界に塀をつくる場合は、以下のような点を押さえておく必要があります。

●塀の高さ

塀の高さには建築基準法による規定が設けられているだけでなく、塀の高さは隣人とのトラブルの原因になりやすい事項でもあるので、慎重に検討する必要があります。

●塀の設置位置

境界線上に建てるか、自分の敷地内に建てるかなど、それぞれの要望や交渉結果によって塀の設置位置は決まります。

●塀の建築費の負担

隣地の所有者との折半や自己負担など、設置位置や交渉結果によって金額が変わってきます。

このように、塀を設置する際は、考慮すべき点がいくつかあることが分かります。

さらに、家を建てる際の塀の設置では、状況によって次のような2つのパターンが考えられます。

1つ目は、新築で、隣家との境界にまだ塀が設置されていないパターンの場合です。

新築の場合は、上記のような点について隣人と事前に打ち合わせをし、両者の合意が得られれば、スムーズに塀の設置工事を行うことができます。

これに対して、既に隣家によって塀が設置されている場合が2つ目のパターンです。

このような場合には、

・既に設置されている塀をそのまま利用するか
・取り壊して新しい塀を再築することを申し出るか
・既に設置されている塀を残したまま新しい塀を隣り合わせで設置するか

など、さまざまな方法が考えられるため、隣人とより綿密な交渉が必要になります。

境界に塀をつくる場合には、隣人とのトラブルを防ぐために、事前にしっかりとした交渉が必要なのです。

ブロック造の塀は高さに注意!高い塀にみられるデメリットとは

隣地との境界に「塀」をつくるとしたら、塀の高さはどの程度がよいとお考えですか。

「塀」をつくる目的として、「境界をはっきりさせること」の他に「隣家や道路からの目隠し」も考えている人が多いのではないでしょうか。

そのため、塀はできるだけ高く、重厚なものにしたいと思うことでしょう。

しかし、下から上までブロックのみで仕上げるようなブロック造の高い塀には、いくつかデメリットがあります。

1つ目は、安全面の問題です。

塀に多く見られる「ブロック塀」や「レンガ塀」、「石造りの塀」などの組積造の塀は、安全面から高さに規制が設けられています。

組積造の塀は、倒壊しやすく、また倒壊した場合は大きな被害が予想されます。

そのため、組積造の塀の高さには「1.2m以下」という規定があるのです。

ただし、ブロック塀でも補強コンクリートブロック造(ブロック内の空洞を鉄筋とモルタル又はコンクリートで埋めたもの)の場合は、高さ「2.2m以下」まで許容されています。

塀を高くすることのデメリット2つ目は、防犯面です。

人の目を遮る高い塀は、目隠しには適していますが、その分侵入者に目が行き届かないため、防犯面であまりよくありません。

さらに3つ目のデメリットとして、風通しの悪さが挙げられます。

このように、高い塀にはデメリットがあるため、昔ながらのブロックだけでつくる高めの塀は少なくなってきています。

近年では塀の高さは低めが多い?どのくらいの高さがベスト?

これまで、塀の高さは、隣地の所有者との交渉内容により変わってくることや、高い塀にはデメリットがあることなどをお伝えしてきました。

それでは、実際に塀をつくろうと考えている場合には、高さはどの程度のものを選ぶとよいのでしょうか。

隣家との境界に建てる塀から見ていきましょう。

近年、隣地境界線につくる塀の多くは、ブロックとフェンスを組み合わせたものが一般的です。

高さは、地面からフェンスの上部までが「1.2m」のものがほとんどで、下から上まですべてブロック造の塀ではなく、土台のみブロック造で上部はアルミ製の格子やメッシュのフェンスを組み合わせたものが主流です。

フェンスを用いることで、倒壊の心配もなく、防犯や風通しを妨げることもありません。

それでは、道路との境界につくる塀ではどうでしょうか。

道路境界線につくる塀は、多くの場合、門柱とつなげて設置します。

道路の面した塀も、最近では木材や樹脂、アルミ製などのおしゃれなフェンスを組み合わせたものが多く、高さは好みによって1.5mから1.8m程度まで選べます。

一般的な利用としては「1.5m」程度のものが多いようです。

境界に塀をつくるなら共有?単独所有?どちらの設置がよい?

塀をつくる際の注意点に、隣人とのトラブル回避があります。

隣地境界線に塀をつくる場合は、隣地の所有者と話し合いをし、合意の元、設置しなければなりません。

既存の塀がない新築の場合は、まず塀を設置したいことを伝え、共有での塀の設置を持ちかけるのが一般的です。

塀を設置する方法には、

・平等に境界線が塀の中心を通るよう設置する方法
・土地の境界線に塀の外面を沿わせ、一方の土地に設置する方法

の2パターンがあります。

高さや構造上の要望など、両者共に塀に関する同意が得られる状態であれば、共有での設置がスムーズに行えるでしょう。

共有の場合は、費用負担も折半により少なく済み、塀に利用する土地の面積も少なく済みます。

しかし、同意が得られないなど、何らかの理由により個人的に塀を設置する場合は、単独所有となります。

単独所有では、自由に構造を決められるメリットもありますが、すべて自己負担となる他、自分の土地側に塀を設置するため土地面積がその分減るなどのデメリットもみられます。

また、単独所有での強引な塀の設置は、隣人とのトラブルにもなりかねないので注意が必要です。

このように、塀の設置を共有にするか単独所有にするかどちらがよいかは、状況や場合によるので、隣地の所有者としっかりとした話し合いを設けて決める必要があります。

新築時の場合は、一般的に住宅メーカーや外構業者の担当者が間に入り、話し合いを取り持ってくれることが多いので、まず相談することをおすすめします。

トラブルを起こさない!上手な塀のつくり方

前項でもお話ししたように、塀をつくる際には自分の希望を通すだけでなく、周りとのトラブルの回避も考えて設置する必要があります。

敷地の境界に塀を設置する場合には、次のような事項を踏まえて設置の計画を進めていきましょう。

【隣地境界線にまだ塀がなく新しく塀を設置する場合】

●塀の高さ、素材や構造、デザイン、塀の設置位置など隣地の所有者と双方の希望を考慮して決める

協議が整わない場合は、民法により高さ2m以内の木塀か竹垣などの設置が認められています。

また、一方が塀の設置に反対でも、木塀や竹垣が設置された場合、費用は相隣者が半分ずつ負担するよう決められています。

●ブロックやコンクリートとフェンスなどの塀を共有で設置する場合は、費用は折半とする

共有の場合は、民法により折半を請求できます。

【隣地境界線に既に存在する塀を新しく変えたい場合】

●塀の撤去と撤去費用の折半について申し出る

老朽化や地震での倒壊の恐れがあるなど、正当な理由がある場合は交渉しやすいでしょう。

●新しく境界線上に建築する塀について話し合う

共有か単独所有にするかは、相隣者で話し合って決めます。

●既存の塀は残し、新しい塀を自分の敷地内に設置する

既存の塀に沿わせて、単独所有で新しい塀を設置する場合でも、今後のトラブル回避のために隣地の所有者に塀の様式等話しておく必要があります。

【道路境界線に塀をつくる場合】

●目隠しだけでなく、風通しや防犯も考慮し、スリットなど適度な隙間のある塀が望ましい

ブロック塀だけでなく、最近では木材や樹脂のフェンスを利用した塀が多く選ばれています。

また、昔から用いられている垣根や大きな樹木での目隠しなど、工夫によっておしゃれで機能的な塀をつくることができます。

このように、境界での注意点を考慮した上で、上手に塀の設置を行いましょう。

塀の設置には高さなどさまざまな配慮が必要!

敷地の境界に塀などの仕切りを設置する際には、注意点がいろいろとあります。

塀の設置は、隣地との境界で行うため、場合によってトラブルを起こす原因になりやすい事項です。

塀は、種類によって高さ制限もあるため、どのような条件下でどのような塀をつくりたいか熟考しておくことが大事です。

トラブルを起こさないためにも、前もって押さえておきたい事項を知り、スムーズに塀の設置が行えるようにしてくださいね。