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境界立会いを拒否!立会いの場で対立!対処法とは

2019.10.21

土地の売却をする時、境界の確定のために、隣地の地主に協力をお願いすることになるでしょう。

見解の相違でトラブルが発生するのを防ぐのが一つの目的ですが、立会いを拒否されることがあります。

また、立ち会ってもらえたものの対立してしまい、話が進まなくなってしまうこともあります。

そんな時にはどのように対処すればいいのでしょうか。

立会い拒否に悩む!境界の確認が必要なのはなぜ?

土地を売却する前に境界の確認が必要な理由は下記の通りです。

・隣接する土地の所有者とのトラブルを防ぐため

境界が曖昧な状態では、後々、隣家とのトラブルが発生する恐れがあります。

「勝手に境界を決められてしまった」と訴えてくる可能性があると、買主にとって不安要素が多い土地ということになります。

・売却価格を正確に決めるため

土地の価値を正確に決めるためにも、境界の確定は重要です。

手順を踏んで境界確認を行うことで、取引をスムーズに進め、安心して売却することができます。

土地の売買契約書には「売主の境界明示義務」について書かれています。

つまり、土地の買主から要望がなくても、境界の範囲をはっきりと明示するのは「義務」だということです。

境界部分に「境界標」がないのなら、土地家屋調査士の調査とともに、売主と隣家立会いのもとで境界の相互確認をすることになります。

必要な手順を守ることを拒否して土地の売却をすると、損害賠償責任が発生することもあります。

境界立会いを拒否する事情

土地の売主にとっては、境界の確定と明示が義務とされていますが、隣家に立会いの義務があるわけではありません。

法的な強制力がないため、立会いを拒否する人もいます。

こうなると、土地を売りたいと思っても手続きが進まず、売却できないことがあります。

では、なぜ立会うのを拒否する人がいるのでしょうか。

まず、人間関係がうまくいっていないということが考えられます。

売主と隣家の仲が悪く、「関わりたくない」と立会いを拒否されることもあります。

また、「測量士や不動産業者の態度が気に入らない」というケースもあります。

敷地内にいきなり無断で入ってきたり、威圧的な態度だったり、専門用語を次々に並べ立てて意味の分からない話をしたという理由で、心を閉ざしてしまう人がいるようです。

こうした人間関係のトラブルを解決するのは難しく、境界の確定までに時間がかかることになるでしょう。

辛抱強く話し合い、相手が何に怒りを感じているのか理解するようにつとめる必要があるかもしれません。

また、不動産業者や測量士とも話し合い、適切な対応について熟慮していくことが求められます。

境界立会いを拒否する理由と対処法

不安感が理由で立会いを拒否する人もいます。

不動産についての知識がなく、「境界の立会いで不利な状況に立たされるのではないか」と不安に思い拒否するというケースです。

他人とのコミュニケーションに大きなストレスを感じる人が増えてきています。

また、家のことを切り盛りしていたご家族が亡くなられて、土地のことは何も分からない状態だというケースもあるでしょう。

「自分が間違ったことをしたせいで、子孫代々受け継がれてきた土地が奪われるかもしれない」と不安に思っている方には、正しい知識で説明することが大切です。

境界確定についての正しい知識を理解してもらえれば、立ち会ってくれる可能性があります。

また、今は近くに住んでおらず、立会うためには多額の交通費がかかる場合もあります。

転勤が多く、忙しくお仕事されている人もいますし、入院中などでどうしても立ち会えない事情があるのかもしれません。

そうした場合には、立会い代行会社に依頼し、代行者に立ち会ってもらう方法があります。

その他の理由としては、土地を売ることで生じる利益にあやかりたい、という考えを持つ人もいるようです。

立ち会う代わりに金銭を要求されたという例もあるようですが、そうした考えは法的にも正当ではありません。

そういった困ったケースでは、「立ち会わないとお互いデメリットがある」ということを伝えることができます。

協力してもらえないことによって、逆に立会いを求められた際に、快く応じられないことは明らかなのではないでしょうか。

境界についてくわしく知ろう!筆界・所有権界とは

境界の確定のための立会いを拒否された後に、説得して立ち会ってもらえたとしても、見解が対立してしまう場合もあります。

どう対処するのかということの前に、筆界、そして所有権界についてご説明します。

「境界」という一つのくくりで呼ばれることもある「筆界」「所有権界」の意味を知っておきましょう。

●筆界

法務局ではじめに登記された公的な範囲のことで、「土地の区画線」として決められています。

土地の所有者は変更できません。

●所有権界

土地の所有者が個人的に考えている範囲のことで、筆界とのズレがあることもめずらしくありません。

土地を人に貸して占有させ、さらに範囲が複雑になることもあるでしょう。

これに基づいて土地を売ったり賃貸借に使うことが、トラブルを引き起こすことになるかもしれません。

取引を円滑に進めるためには、この筆界と所有権界が合致していることが求められます。

こうしてご紹介すると、「筆界」のほうが効力があり、それをもとに境界の確定ができるようにも思えますが、不動産取引では「所有権界」も重要です。

民事的にトラブルがなく双方の合意が成立した「所有権界」であれば、きちんと確認したうえで担保してもらうことができます。

話がまとまらず対立することも!筆界特定制度とは

境界の立会い拒否を乗り越え、話し合いの場に来てもらえたとしても、「所有権界」について話がこじれてしまうケースがあります。

直接話し合うことが難しい場合には、弁護士に依頼することができます。

売主と隣地の人がそれぞれ弁護士を立てて交渉を進めていくことで、感情的にならずに冷静に話を進めることができるでしょう。

こういった見解の対立がある場合は、不動産関係者や弁護士以外には話をもらさないようにしたほうがいいようです。

噂が広がり、余計にこじれてしまうかもしれません。

また、「筆界特定制度」を活用し、資料収集の手間を省くことができるでしょう。

筆界特定制度とは、土地所有者が申請することで、筆界特定登記官が筆界の範囲を調べてくれる制度です。

境界標がない場合に参考資料として役立ちますし、申請にかかる費用は1万円以下なので利用する価値はあります。

測量にはその分の費用が発生しますが、前に作成された測量図などがあれば、測量しなくてもいい場合があります。

この制度を利用することで、万が一裁判に発展したとしても期間を短縮できる可能性が高いので、知っておいて損はありません。

境界の立会いまでの流れ

立会いを拒否された場合と、見解の相違があり対立した場合の対処法をご説明しました。

最後に、境界立会いに至るまでの一般的な流れを見てみましょう。

■土地家屋調査士に相談して契約

不動産会社から紹介があることも多いでしょう。

契約すれば、ここからの専門的な手続きをおまかせすることができます。

■資料の収集

法務局で公図や登記簿などを確認し、測量図を収集します。

過去に境界トラブルが起きていないかどうかということも調べます。

■現況調査・測量

まず隣地の人へ挨拶し、市町村などで調査をし、測量結果に基づいて協議を行います。

■境界線の計算

公的資料や調査結果を参考にしながら境界線を計算し、場合によっては区役所で担当者との打ち合わせを行います。

■境界の設定・確認

境界の範囲を「境界点」で設定し、土地所有者に説明します。

その後、境界立会いという流れになります。

そして、関係者の合意のもとで境界標識を設置し、合意文書を作成して、利害関係者全員に共有します。

立会い拒否の理由を知って対処しよう

境界立会いの連絡をしても無視されてしまったり、決めた日にちに来なかったり、はっきりと拒否されてしまうことがあります。

立会いを拒否する理由を知ることで解決策が見えてくることがありますので、辛抱強く対処していきましょう。

弁護士に相談して話し合いの場を設けたり、筆界特定制度を利用することができます。

土地の売買の前には、こうした長期戦の可能性がある手続きがスムーズに運ぶように、ある程度専門知識を学んでおくことが必要でしょう。

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