家賃収入の勘定科目は個人か法人で変わる!仕訳はどうする?

不動産事業を始めたら、「勘定科目」について知る必要があります。

勘定科目は、不動産に限らず、会社を運営していくうえで発生する、収益(家賃収入)および費用を記録しておくための必要な科目の名称です。

そして、この勘定科目は個人事業主か法人かで仕訳の方法が異なります。

ここでは、勘定科目と仕訳について詳しく見ていきましょう。

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勘定科目とは?

家賃収入を仕訳する際に、必要となるのが勘定科目です。

では、この勘定科目とは一体どんな意味があるのでしょうか。

勘定科目を簡単にご説明すると、どれほど資産が増減したのかを表す目安となるものです。

確定申告や財務諸表等にも用いる科目ですから、しっかりと覚えておきましょう。

また、誰が見ても分かりやすい勘定科目にするのであれば、できるだけ一般的とされる勘定科目を使用するのが望ましいです。

さらに、勘定科目は同じものを連続で使用することが必須とされています。

同じものを使用することで、経費等の動きを正確に把握し、的確な判断を行うことができます。

ただし、例外として業務形態などが変わった際などは、勘定科目を変更することもあるようです。

そして、この勘定科目は個人事業主か法人かで仕訳が異なると言います。

仕訳が異なることについては、のちに詳しくご説明していきますが、まずは個人事業主と法人の違いについて簡単に述べていきます。

個人事業主と法人の違いとは?

勘定科目を行ううえで、個人事業主か法人かによって仕訳の方法が異なります。

では、個人事業主と法人の違いは何なのでしょうか。

簡単にご説明していきましょう。

不動産業に限らず、新たに会社を開業、独立する際には、個人事業主か法人2つの形態から選択することが可能です。

個人事業主のメリットは、手続きが簡単であること、そして申請費用がかからないことにあります。

開業届けを税務署へ提出するだけで、個人事業主になることができます。

一方法人は、税金面や信頼面でメリットがあります。

個人事業主の場合、家賃収入から経費を差し引いた所得全てに所得税がかかりますが、法人の場合、収入の一部のみを報酬とし、それに所得税がかかります。

節税ができることに加え、個人事業主に比べると信頼度も高いです。

ただし、法人には設立費や維持コストがかかります。

決算の依頼や、法人住民税として利益があるないに関わらず、年間約7万円もの費用がかかります。

そのため、節税効果が高いとは言え、維持費などが上回らなければ赤字となってしまうのです。

勘定科目と仕訳はなぜ必要なのか

なぜ、勘定科目と仕訳が重要なのでしょう。

それは、青色申告をするために必要になるからです。

青色申告には、以下のようなメリットがあります。

・青色申告特別控除

不動産業を営む者で、青色申告をしている場合は、青色申告特別控除を受けることができます。

これにより、最高65万もの金額を差し引くことができます。

・純損失の繰越しと繰戻しが可能

青色申告をしている場合、不動産業によって生じてしまった損失金額を翌年以降3年間にわたり、順次各分の所得金額から差し引くことができます。

・青色事業専従者給与

事業主と生計を共にしている配偶者などの親族が居る場合、その者たちに給与を支払っても結局は家の中で金銭が回るだけであるため、経費としては認められません。

しかし、同一生計および、業務に従事している15歳以上の者である場合は、一定の範囲内で経費として算入することができます。

ただし、この特典を受けるためには、青色事業専従者給与に関する届出書が必要です。

・貸倒引当金を計上が可能

貸倒引当金は、売掛金などの回収が困難と見込まれる場合、あらかじめ損失の見込み額として計上し、損失とするものです。

青色申告をしている者であれば、帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金として計上した場合、その金額が必要経費として認められます。

・純損失の繰越しと繰戻しが可能

不動産業において、家賃収入が得られず赤字となった場合でも、翌年以後最長3年間にわたり所得から差し引く順損失の繰越控除が認められています。

このように、たくさんのメリットがある青色申告ですが、この青色申告を行うためには仕訳や勘定科目を理解することが絶対条件になります。

勘定科目が分からないと仕訳を行うことができず、青色申告に必要な帳簿や決算書を作ることもできなくなります。

そして、この勘定科目は個人事業主か法人かによって異なります。

しかし、不動産において使用する勘定科目はそこまで多くありません。

どの科目にあたるのか判断さえできれば、誰でも勘定科目と仕訳ができ、青色申告もできるようになります。

「個人事業主」家賃収入における勘定科目と仕訳について

不動産を経営している個人事業主の中では、サラリーマンを本職として、副業で不動産業を行っている方もいらっしゃるでしょう。

このような方も、20万円を超える所得を得ている場合は、確定申告を行わなければなりません。

特に、青色申告をしたい方は、書類作成での勘定科目と仕訳が重要となります。

ここからは、個人事業主の勘定科目と仕訳についてお伝えしていきます。

家賃収入で使用される勘定科目は、「不動産所得」「雑収入」「売上」「受け取り家賃」などがあります。

基本的に、本職がサラリーマンなど、副業で家賃収入を得ている場合は、原則として「不動産所得」という勘定科目を使用し計上します。

この「不動産所得」は、青色申告制度を利用することができます。

また、一時的に「雑収入」として仕訳を行い、事業所得とすることも可能です。

一方、個人事業主として不動産経営を本職としている場合は、「売上」として仕訳します。

さてここまで、個人事業主の勘定科目と仕訳について見てきましたが、法人の場合はどのように勘定科目と仕訳が変わってくるのでしょうか。

次項で詳しくご説明していきましょう。

「法人」の場合の家賃収入の勘定科目と仕訳

続いて、法人の場合の勘定科目と仕訳について見ていきましょう。

法人と言っても、不動産業を本業としているかどうかによって勘定科目は変化します。

そこで見ていただきたいのが「会社の定款」です。

会社の定款を基準とし、「不動産の所得、管理および賃貸」などの文言が記載されているかどうかを確認してみてください。

もし、本業が不動産業の場合は、家賃収入は「売上」として勘定科目に仕訳します。

ただ、法人でも不動産業の収入が本業ではない場合「受取家賃」として仕訳します。

また、法人によっては「社宅制度」を導入しているところもあります。

この場合、社宅を利用している社員の「福利厚生」を目的とした設備です。

つまり、営利目的としているものではありません。

そのため、この場合の家賃収入は「雑収入」の勘定科目を使用します。

このように、家賃収入として受け取った金銭は、企業のありかたや解釈によって勘定科目と仕訳は変化します。

おさらいになりますが、法人の場合の勘定科目と仕訳は、不動産業を本業としているのなら「売上」、本業以外なら「受取家賃」「雑収入」などとなります

では、続いて勘定科目をどうやって仕分けるのか実例を見ていきましょう。

「個人・法人」家賃収入仕訳の実例

実際に家賃収入が入ったら、勘定科目と収入額を仕訳する必要があります。

ここでは、実例を挙げてご説明していきますので、参考にしてみてください。

まずは、個人事業主の場合です。

例1.サラリーマンを本職として不動産業を副業としている場合

・借方/普通預金100,000 貸方/動産所得100,000

例2.不動産業を本職としてる場合

・借方/普通預金100,000 貸方/売上100,000

続いて、法人の場合を見ていきましょう。

*家賃10万円と普通預金口座に入金されることが共通事項となっています。

例1.不動産業を本職としてる場合

・借方/普通預金100,000 貸方/売上100,000

例2.不動産業を本職としていない法人である場合

・借方/普通預金100,000 貸方/受取家賃100,000

例3.社宅から家賃収入がある場合

・借方/普通預金30,000 貸方/雑収入30,000

勘定科目と仕訳の仕組みが分かれば確定申告もスムーズに

個人事業主でも法人でも、20万円以上の収入がある場合は確定申告を行う必要があります。

その際、青色申告をスムーズに進めるためには、勘定科目と仕訳の仕組みを理解しておくことが重要です。

不動産業において、勘定科目と仕訳はそこまで難しいものではありません。

この機会に覚えておきましょう。