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建築士の資格受験に実務経験はどの位必要?証明の仕方は?

2019.11.27

住宅やマンション、ビルや公共施設など、さまざまな建築物に欠かせない職業であるのが建築士です。

建築士と言っても、一級建築士と二級建築士があり、設計できる建物の種類も違います。

こちらの記事では、建築士の仕事やその特徴と、建築士試験の際に必要な提出書類などについてお伝えします。

併せて、建築士の実務経験についてや、実務経験を証明する方法などもお話ししていきます。

建築士とはどのような仕事?一級と二級の違いは?

建築士が、具体的にどのような仕事をしている人のことを指すかご存知でしょうか。

建築士の主だった仕事内容は、法律に基づきさまざまな建築物の設計や工事を監理することにあります。

また、似たような職業に、建築家や設計士という職業も聞いたことがあるかもしれませんね。

建築士が国家資格を取得した資格の名称であるのに対して、建築家は資格の有無は特に関係なく、建築関係の仕事をしている人であれば建築家と名乗っても問題ないとされています。

また、設計士という資格は実際に存在せず、一般的に図面を書く人といった意味合いで安易に使われている言葉です。

つまり、建築家と設計士にかんしては、建築士のようにれっきとした資格であると証明できるものは持っていない人のことと言えるでしょう。

ところで、建築士には一級建築士と二級建築士・木造建築士の3つがあるのをご存知ですか。

特に、一級と二級の2つの違いを大まかにご説明すると、設計できる建物が違うということがあげられます。

また、その資格試験の難しさは、学科試験の合格率を見ると全く異なってくると言えるでしょう。

一級建築士は設計できる建物の制限がなく、普通の住宅から大規模な建築物の設計までできる資格です。

一方、二級建築士は、一級建築士に比べると、設計できる建物の大きさに制限があります。

細かく言えば、建物の高さ13mで軒高9mを超えない戸建て住宅程度の建物が対象です。

そのため、住宅を専門に設計するのであれば、二級建築士でも事務所を構えることは可能ということになります。

次項からは、建築士の試験や受験資格と実務経験にまつわることをお話ししていきます。

一級建築士の受験資格が知りたい!実務経験は必要?

一級建築士の試験は年に一度実施され、受験申し込みの受付開始は4月で、学科試験が7月で製図試験は10月に行われます。

また、いずれの建築士であっても受験資格というものが存在します。

まず、一級建築士の受験資格は学歴と実務経験がある場合と、資格と実務経験がある場合の2種類が考えられ、詳細は以下のとおりです。

【学歴と実務経験ありの場合】

・4年制大学(旧制大学を含む)で指定科目を修めて卒業し、かつ卒業後2年以上の建築実務経験あり
・3年制短期大学(夜間部を除く)で指定科目を修めて卒業し、かつ卒業後3年以上の建築実務経験あり

・2年制短期大学、または高等専門学校で指定科目を修めて卒業し、かつ卒業後4年以上の建築実務経験あり

こちらの場合は、受験の際の提出書類に「指定科目修得単位証明書」や「卒業証明書」が必要となります。

取得した単位数によっては、受験資格を得るための必要経験年数が違ってくるので、卒業した大学などに確認してみても良いでしょう。

【資格と実務経験ありの場合】

・二級建築士の資格と4年以上の建築実務経験
・建築整備士の資格と4年以上の建築実務経験

以上のことをふまえると、一級建築士の受験資格には、少なくても2年程度の実務経験が必要であることが分かります。

なお、平成20年に建築士法の改定が行われ、それに伴い受験資格における学歴要件と実務経験要件が変更されています。

そのため、平成20年前後に大学などに入学している場合は、どの受験資格に適用されるのか不明なときはあらかじめ確認してみることをおすすめします。

二級建築士の受験資格は?こちらも実務経験がないとだめ?

一級建築士の次は、二級建築士の受験資格について見ていきましょう。

まず、二級建築士の試験は年に一度行われ、受験申し込みの開始は4月、学科試験が7月で製図試験は9月に実施しています。

また、二級建築士の受験資格には、以下のようなものがあげられます。

【学歴もしくは実務経験ありの場合】

・大学(短期大学を含む)又は高等専門学校で指定科目を修めて卒業

・高等学校もしくは中等教育学校で指定科目を修めて卒業し、かつ卒業後3年以上の建築実務経験あり

・建築にかんする学歴はないが、7年以上の建築実務経験あり

一級建築士のときと同様に、提出書類には「指定科目修得単位証明書」や「卒業証明書」が必要となります。

【資格あり】

・その他、都道府県知事が特に認める建築設備士

建築整備士の資格のみでの受験者は少なめと言われているので、上記の3つのケースで受験資格を得る人が大半でしょう。

以上をふまえると、二級建築士の受験資格には、大学もしくは高等専門学校で必要科目を履修している場合には、実務経験がなくても問題ないことが分かります。

実務経歴書や証明書に適応される!受験資格を満たす実務経験とは

一級建築士と二級建築士の受験資格についてお話ししてきましたが、こちらではその受験資格を満たす実務経験にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

建築技術教育普及センターのホームページによると、実務経験要件には主に以下のようなものがあります。

なお、平成20年11月28日以降の建築実務に適用される内容となります。

①建築物の設計(建築士法第21条に規定する設計をいう)にかんする実務経験

②建築物の工事監理にかんする実務経験

③建築工事の指導監督にかんする実務経験

④次に揚げる工事施工の技術上の管理にかんする実務経験

・建築一式工事
・大工工事
・建築設備の設置工事

⑤建築物の耐震診断にかんする実務経験

実務経験として認められる業務は、設計や工事監理に必要な知識や能力を得られる内容が望ましいとされます。

これらの実務経験は、建設会社や設計事務所、ハウスメーカーや工務店に就職して建築士としての仕事をこなし、決められた実務経験年数を積むのが妥当と言えるでしょう。

なお、単なる建築労務者としての実務や、住宅の営業経験などでは実務経験としては認められないので注意してください。

また、実務経験を証明するには、第三者による実務経験の証明が必要です。

その第三者とは、次のような人です。

・実務経験を積んだ当時の建築士事務所の管理建築士

・現在所属する建築士事務所の管理建築士

・上記が困難な場合は、所属している設計事務所の上司や同僚、事務所外の建築士

後々しっかり証明してもらえるように、就職先では良好な関係を築いておくことも大切です。

建築士の試験に必要な書類は?実務経歴書・実務経歴証明書とは?

建築士の試験に必ず必要となる書類は、以下の3つがあげられます。

・受験申込書
・振替払受付証明書
・写真2枚

上記3つに加えて、一級建築士の試験を初めて受ける場合は、主に以下のような書類が必要となります。

【学歴と実務で受験】

●平成20年度以前の入学の場合

・卒業証明書
・実務経歴書、実務経歴証明書

●平成21年度以降の入学の場合

・指定科目修得単位証明書、卒業証明書
・実務経歴書、実務経歴証明書

大学院の過程を実務経験とする場合には、必要書類が複雑になるので建築技術教育センターのホームページで確認してください。

【資格と実務で受験】

●二級建築士と実務

・二級建築士免許証の写し
・実務経歴書、実務経歴証明書

●建築設備士と実務

・建築設備士試験合格(又は建築設備士講習受講)証書の写し
・実務経歴書、実務経歴証明書

二級建築士の場合も、入学年が平成20年度以前と21年以降では多少異なりますが、卒業証明書・実務経歴書・実務経歴証明書などはほぼ必要となる書類なので、早めに揃えることをおすすめします。

実務経験の記載に偽りが!当事者と証明した建築士はどうなる?

建築士の試験を受ける際に「学歴や実務経験を偽って受験資格を得て合格していた」と言った内容のニュースを見かけることがあります。

そのような場合、合格した当事者と実務証明をした管理建築士はどうなるのでしょうか。

建築技術教育普及センターのホームページに、実務経歴書・実務経歴証明書の提出について注意書きが書かれているので読んでおきましょう。

ホームページの内容を元に考えると、受験申し込みの際に、受験資格に必要な実務経験がないのにもかかわらず、虚偽の記載をして不正な申し込みをしたとします。

そうすると、当事者の合格は取り消し、かつ一定期間の受験禁止などの処分を受けることもあります。

それに加えて「虚偽の実務経歴を証明した建築士も処分を受けることがある」ともあります。

合格後何年たっても虚偽が発覚した場合でも、免許は剥奪され建築士法に基づいて処分されるはずです。

建築士だけに限りませんが、学歴や実務経験の詐称は何らかの責任をとわれるものです。

偽りのない学歴や実務経験を積んで試験にのぞみたいものですね。

実務経験は一級建築士だと必須!二級建築士はなくてもOKな場合も

建築士の試験や受験資格、実務経験の定義などについてお伝えしてきました。

幅広い知識を必要とする一級建築士の受験資格には、実務経験はなくてはならないものです。

建築士の資格を得ようと考えたときに、ご自分がどの受験資格をもつのかしっかりと確認することが肝心です。

また、試験を受ける際の受験資格に虚偽が見つかると、経過年数にかかわらず罰せられる可能性もあるので覚えておきましょう。

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