住宅の購入を検討している方のなかには、「戸建て住宅とマンションのどっちにしようか」と迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、「長い目で見てどっちがよいのか」と迷う方のために、戸建て住宅とマンションの比較や、生活スタイル別に考える方法などをご紹介します。
ぜひ、住宅の購入を決める際の検討材料になさってください。
戸建てとマンションで比較!費用はどっちがかかる?
戸建て住宅とマンションのどっちを選ぶかの検討材料をご紹介していきますが、最初に、費用の面ではどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
まず、戸建て住宅とマンションの購入時に、共通して必要となる費用には、次のようなものがあります。
・契約書の印紙
・登記費用
・信用会社への保証料
・融資手数料、担保設定費用(融資の場合)
・火災保険料
〇住宅購入後に発生してくる税金
・固定資産税
・都市計画税
・不動産所得税
●戸建て住宅購入の場合の費用
売主との直接売買契約ではない限り、仲介手数料が発生します。
仲介手数料の目安は、物件価格×3%+6万円(税別)となります。
また、新築で住宅を建てる場合には、土地を購入後、住宅が完成するまでの期間も土地のローンは発生します。
●分譲マンション購入の場合の費用
分譲マンションの購入後は、修繕積立金の支払いが発生します。
修繕積立金は、マンションの建物自体の修繕や、共用部分の様々な工事をする際にあてられる準備金となります。
一般的には、毎月支払うケースが多くなっていますが、物件の引き渡しの際に一定額を支払うケースもあります。
また、マンションで車を所有する場合は、駐車場料金も支払う必要があります。
このように、戸建てとマンションでは、それぞれにかかる費用内容が違ってきますので、どっちの費用が高いかどうか、一概には言えないかもしれません。
戸建てとマンションの資産価値!どっちが高い?
次に、戸建て住宅とマンションでの資産価値での比較をしていきましょう。
土地と建物の価値別で見ると、次のようになります。
●土地の価値
・マンション:按分となるため少ない
・戸建て:土地の価値は残る
●建物の価値
・マンション:約50年でなくなる
・戸建て:約30年でなくなる
土地の価値だけで考えると、戸建ての場合は、長期間経っても土地の価値は残るので価値があると言えるでしょう。
しかし、建物の価値を見ると、コンクリート造と木造の違いもあり、コンクリート造のマンションのほうが価値の下がり方が少なくなります。
そのため、20年以内に売却をする場合には、マンションのほうが建物の資産価値は高くなることが考えられます。
ただ、50年を経過すると、マンションの建物の価値も低くなりますので、土地の価値が残る戸建てのほうが資産価値としては期待が持てるかもしれません。
どっちが資産価値があるかについては、経過する年数によっても違ってくるでしょう。
どっちを選ぶかの検討材料に!戸建て住宅のメリットデメリット
これまで、戸建てとマンションの費用や資産価値の面での比較をしてきましたが、これだけは、どっちを選んだらよいか、決めかねることでしょう。
それでは、戸建てとマンションのそれぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
●戸建て住宅のメリット
・マンションのような上下階などとの騒音トラブルにあうことがない(音に関する規制もない)
・近隣住民との関係を築きやすい
・管理費や修繕積立金を毎月支払う必要がない
・敷地内に車を置ければ、駐車場料金はかからない
・リフォームも自由に行なえる
●戸建て住宅のデメリット
・建物の修繕などに大きな費用が必要となる場合がある
・セキュリティの面でも自分で考え施す必要がある
・階段がある場合は、家事動線に制約がでる可能性がある(洗濯物を干すのに階段の上り下りをするなど)
このように、戸建て住宅にはメリットがたくさんありますが、デメリットとなり得ることもあります。
次に、マンションのメリットデメリットもご紹介します。
マンションのメリットとデメリットとは?
それでは、分譲マンションのメリットとデメリットを見ていきましょう。
●マンションのメリット
・玄関や廊下などの共有部分の清掃や管理を管理会社が行なってくれる
・オートロックがついているなどのセキュリティの面でも設備が整っている
・一般的には部屋のなかに階段がないため、段差がなくて安全
・居住者間のコミュニティがつくられやすい(共用スペースでの集まりなど)
●マンションのデメリット
・上下階や隣り同士の騒音トラブルが起こりやすい
・隣人同士の関係はうすくなりがち
・管理費、修繕積立金を毎月支払う必要がある
・駐車場料金も別途発生することがある
分譲マンションでは、戸建て住宅と違うこととして、購入費用の他に、毎月管理費や修繕積立金も支払う必要があるため、費用面ではデメリットと感じるかもしれません。
ただ、管理費を支払っている分、廊下や玄関の清掃や管理を一切しなくて済むというのは、毎日忙しい人にとってはうれしいメリットではないでしょうか。
どっちを選ぶかの大きなポイントにしてみてください。
生活スタイルに合わせて選ぶ!戸建て住宅向きの人
戸建て住宅とマンションのメリットとデメリットがおわかりいただけたでしょうか。
それぞれに魅力的なメリットがあるため、まだどっちがよいか選べないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、それぞれの生活スタイルに合わせて選ぶという方法もありますので、ご紹介していきます。
まず、戸建て住宅に向いている人の特徴として、次のようなことが挙げられます。
●小さなお子様がいるファミリー
赤ちゃんや幼児がいる子育て中の世帯の場合、マンションに住んでいると上下階や隣りの部屋から騒音の苦情がくることが考えられます。
そのため、戸建て住宅であれば、音について気にすることがないため、親子ともに気を使うことなく、のびのびと生活することができるでしょう。
さらに、庭があれば、安心して遊ばせることも可能です。
また、車も夫婦で所有している場合は、敷地内に停められれば、駐車場料金を支払う必要もありません。
このような生活スタイルにはマンションがおすすめ!
戸建て住宅を購入するのにおすすめなのは、子育て中のファミリーだというお話をしました。
それでは、マンションでの生活に向いているのはどのような方でしょうか。
●単身世帯・共働きで子どもがいないご夫婦
単身者や、ご夫婦で忙しく働いている方は、住宅や住宅まわりの管理をする必要がないマンションがおすすめです。
マンションは、駅の近くなど、交通の便もよい立地にある場合も多く、職場までのアクセスがよいというメリットもあるでしょう。
●定年後のセカンドライフを迎えた方
戸建て住宅に住んでいた方で、子どもたちが自立して出て行ったために、二人だけで住むには広すぎることや、階段の上り下りがつらくなることを考えると、マンションに住み替えるのもおすすめです。
病院やスーパーなど、生活するうえで必要な施設がそろっている街中であれば、さらに安心して暮らすことができるでしょう。
このように、生活スタイルに合わせて戸建てとマンションのどっちを選ぶかという選択方法もあります。
自分の生活スタイルに合った住宅を慎重に選ぼう!
戸建て住宅とマンションの費用面での比較や、それぞれのメリット・デメリットをご紹介してきました。
それぞれに魅力的なメリットがあり、まだ決められない方もいらっしゃるかもしれません。
生活スタイル別に考える方法もご紹介しましたので、ご自分がどのような状態なのかを考えて決めることもご検討してみてはいかがでしょうか。