マンションの中でも、分譲マンションは長期間住むことを想定して建設されているため、造りがしっかりしているのが一般的です。
しかし、壁や床が繋がっているのですから、お互いの騒音を完全に防ぐことはできません。
騒音のトラブルは大変多いため、お互いが快適に生活するために、何が騒音になっているのか知ることが大切です。
また、その対策も一緒に学んでおきましょう。
生活音が騒音になってしまう
分譲マンションは、生涯住むことを目的として建てられているため、造りがしっかりしているものが多いといわれています。
そのため、騒音問題は起きないと勘違いしている人もいます。
しかし実は、マンションのトラブルでいちばん多いといわれているのが騒音問題なのです。
最近では、防音にこだわったマンションもありますが、音の感じ方は人それぞれです。
自分でも気付かないうちに、騒音を立てる方になっていることもあるんですよ。
一般的に、騒音とされる音の大きさは基準が定められています。
住宅地ですと、昼間は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下です。
デシベルは、音の大きさを表す単位です。
大きい数字になるほど、大きな音ということになります。
それでは、生活の中で発生する音には、どのようなものがあるでしょう。
▽家電(冷蔵庫・洗濯機・掃除機など)
▽設備(トイレやお風呂の給排水・エアコン・ドアの音など)
▽音が出る機器(テレビ・ラジオ・ステレオなど)
▽生活行動(話し声・泣き声・飛び降りる音など)
▽その他(ペットの鳴き声・車の音など)
次の項では、具体的にどの音が何デシベルなのかを見てみましょう。
どのくらいの音が騒音になるの?
前の項でご紹介した生活音は、実際どのくらいの騒音になるのでしょう。
▽エアコン 約41~59デシベル
41デシベルでしたら、夜間でも使うことができますね。
比較的、気にならない生活音です。
▽洗濯機 約64~72デシベル
▽掃除機 約60~76デシベル
昼間であったとしても、騒音と感じる音の大きさです。
使う時間に気を使う必要があります。
音を出す機器であれば、さらに大きくなります。
▽ピアノ 約80~90デシベル
▽テレビ 約57~72デシベル
それ以外にも、
▽犬の鳴き声 約90~100デシベル
▽子どもの走る音 約50~66デシベル
▽話し声 約50~60デシベル
となります。
意外にも大きな音を出していることがわかります。
日常的に使っている家電などでも、昼間の基準を超えた音を出しているのです。
しかし、やはり昼間に聞こえるのと夜間に聞こえるのでは感じ方が変わります。
同じ音量だったとしても、騒音に聞こえてしまうこともあるのです。
特に、分譲マンションですと壁や床が繋がっています。
いくら壁や床が厚くても、伝わってきてしまう音があるのです。
分譲マンションの騒音には2種類ある
音には、大きく分けて2種類あります。
ひとつめは「空気を介して聞こえる音」です。
「空気伝播音」といいます。
遠くのチャイム音が聞こえてくることがありますよね。
これは、空気や風にのって遠くまで音が運ばれているからなのです。
空気や風の状態によって、テレビの音が大きく聞こえてくることもあります。
これらは、空気を介して聞こえる音です。
主に外から聞こえてくる音です。
ふたつめは「振動して聞こえる音」です。
「個体伝播音」といいます。
これは、上の階から響いてくる足音などです。
直接、床を通して響いてきます。
個体音はコンクリートを伝わってくるので、いくらコンクリートが厚かったとしても防ぐことはできません。
水洗トイレを流す音や、どこかの部屋から聞こえてくるピアノ音なども、個体音です。
分譲マンションでは、壁や床が繋がっているため、普通に生活しているだけでも、騒音と思われてしまうことは少なくありません。
これが、多くのトラブルを生むことになるのです。
分譲マンションでできる騒音対策①
分譲マンションで快適に生活するためにも、騒音対策は重要な課題です。
集合住宅といっても、日常生活を送るうえで、隣の音が気になってしまったり、または自分にクレームが来たりすると、心安らかに生活できません。
ご近所とのトラブルに発展し、最悪のケースでは裁判に発展してしまうことも考えられます
分譲マンションですと、簡単に引っ越すことも難しいでしょう。
騒音の原因や種類は、上の項でご紹介した通り、いろいろあります。
それぞれ対処法が違いますので、ご紹介します。
▽足音
分譲マンションなどの集合住宅では、この騒音で悩まされる人が少なくありません。
特に、小さな子どもがいるご家庭ですと、走り回ったりする足音が発生してしまいます。
また、大人であっても時間帯や歩き方によっては騒音になってしまうこともあるのです。
気になるようでしたら、防音マットや防音カーペットを敷くと良いでしょう。
子ども部屋の床でしたら、防音マットを敷いた上に防音カーペットを敷くと、二重の対策になり、高い防音効果が期待できます。
相手への対策としてできることは、グラスウールや発泡ウレタンなどの吸音材を天井に貼り付けることです。
ホームセンターなどで購入できます。
分譲マンションでできる騒音対策②
次に、意外と気になる日常での音についてです。
▽生活音
分譲マンションでは、部屋によっては上下左右、ほかの部屋の接していることになります。
上下左右から生活音が響いてくるわけですが、お互いに音を出している場合は、あまり気になりません。
しかし、テレビを消して静かに過ごしたいというときには隣のテレビの音が騒音に感じられることでしょう。
テレビの音は、壁を伝って響いてしまうので、壁から離して設置すると良いですよ。
吸音材を貼るのもおすすめです。
周りの部屋の生活音が気になる場合、対策として簡単にできる家具の配置を考えましょう。
隣に接している壁側に、家具を設置するだけです。
タンスや本棚など、大型のものは厚みがあるので、防音対策として有効です。
さらに、防音シートや遮音シートを貼るとい手もあります。
▽家電
洗濯機などの音は、振動が床や壁を伝わって周りの部屋にも響いてしまいます。
携帯電話の振動音さえ、聞こえてしまうこともあるのです。
洗濯機などは、内臓のモーターが振動することで音が発生します。
ですので、振動を抑えるようにすれば、伝わる音を小さく抑えることができます。
家電と床の間に「防振シート」や「防振ゴム」を敷くだけです。
▽ペットの鳴き声
ペットの鳴き声は、窓を開けたときなどに直接聞こえてくる騒音です。
窓への対策が有効です。
防音カーテンや二重窓にすると、外に漏れる音を防ぐことができます。
いちばん効果のある騒音対策とは
分譲マンションでは、これから長い期間住むのですから、誰でも近隣とトラブルを起こしたくないものです。
分譲マンションによっては、住民同士で直接クレームを申し入れるのは禁止としていたり、逆に個人のトラブルは仲裁しない、という管理組合もあります。
ファミリー層が多いマンションでは、子どもを通して交流があれば、大きなトラブルに発展することはあまりありません。
お互いに、「お互いさま」と思えれば気にならないものです。
また、知らない子どもだとうるさく感じても、知っている子どもであれば、あまり騒音に感じないということもあります。
マンションなどの集合住宅ではひとりひとりが周囲に配慮をすることがとても大切になります。
建物の構造上、仕方ない騒音もありますが、配慮することで軽減することが可能です。
住民同士のコミュニケーションを取ることが、いちばんの騒音対策なのかもしれません。
まずは自分でできる対策を
音は、気になりだすとずっと気になってしまいます。
マンションでの騒音は、毎日のことです。
ずっと我慢していては体に良くありません。
自分でできる騒音対策をしておきましょう。
また同時に、自分も騒音を発生させていないか、思い返してみることも大切です。