賃貸を借りる際に受け取る賃貸契約書。
借りるにあたってのルールなどが記載された、大切な書類です。
大家さんとそれぞれ署名捺印をして交わし、それぞれで保管することになっています。
うっかり捨ててしまったり、紛失をしてしまった場合、どのようにすれば良いのでしょうか。
賃貸を借りる際に発行されるのが契約書
賃貸を借りる際は、借りる人と貸す人がわかりやすいように、書面で約束事を交わします。
双方が同意したら、署名捺印をし、一緒に発行される重要事項説明書を読み上げ、説明をした不動産会社も署名捺印します。
それを一部ずつ、それぞれが保管することになります。
賃貸物件の契約のため、法律行為になります。
最近では難しい内容のため、契約日前に契約書の控えなどを渡し、事前に読んでもらうことを行う不動産会社も少なくありません。
慣れない言葉や言い回しが多いため、わからないことなどがあれば、契約する際に必ず確認を行ってから、署名捺印をするようにしてください。
契約は、契約書がなくても口約束でも成立してしまうものです。
しかし、そのままだとトラブルが多いため、書面に残し双方が合意する必要があります。
これを紛失してしまうと、契約をした内容がわからなくなってしまったり、見直したいときに手元にないと非常に不便になります。
賃貸の契約書にはこんなことが書いてある
賃貸契約書の中には、主に以下のことが記載されています。
・契約期間
契約した日から定められた期間が明記されています。
・賃料・敷金・礼金・共益費
賃貸物件に関わるお金の詳細が記載されています。
・家賃の支払い方法
支払い期日と、支払い先が記載されています。
入金方法が指定されている場合もあります。
・更新に関して
一般的な賃貸の場合、2年契約がほとんどです。
契約満了が近付くと、更新か解約になります。
近年では定期借家契約もあるので、定期借家の場合は更新の条項はありません。
・禁止事項
転貸や譲渡の禁止や、造作の規制、ペットの飼育に関してなどが記載されます。
また、物件によっては洗濯物を干すにあたっての制限があり、日常行為に及ぶこともありますのでよく確認が必要です。
・契約の解除
滞納が続いたり禁止事項が守られなかったりした場合、大家さんから解除予告を行う旨が記載されています。
・解約
いつまでに解約を申し出なければならないのか、また、敷金の取り扱いに関しても記載されます。
解約は書面によって通知します。
解約の際は解約届をもらうようにしてください。
・特約事項
物件ごとに違います。
住むにあたって、特に守って欲しい内容が記載されます。
最近では細かく決められていることも多く、学生限定、女性限定などのルールもあります。
契約書を紛失してしまうと、住むにあたって様々な条件を自分で確認できなくなってしまいます。
慎重に保管するようにしてください。
賃貸の契約書は慎重に保管を!
賃貸の契約書を万が一紛失してしまった場合、基本的な契約の内容を把握していれば、実はさほど困ることはありません。
よく、解約して退去するときに契約書の返却が必要と思われている方も多いのですが、その必要はありません。
また、契約は成立しているので、契約書の紛失によって、契約が無効にあることもありません。
ただ、契約書に記載されている特約事項や禁止事項を覚えておらず、大家さんから注意を受けた際、こちらには確認するべき書面がないのでやや困ります。
また、どういった経緯で紛失したかわからない場合、契約書には貸主、借主双方の住所や連絡先が記載されているので、あまり気持ちの良いものではありません。
紛失した場合は、速やかに管理会社さんや大家さんに申し出て対応してもらいましょう。
賃貸の契約書の紛失によって困ること
賃貸の契約書を紛失すると以下の場合に困ることが多いです。
・退去時
・事業用の賃貸の場合、銀行の融資などを受けるとき
・建物について確認したい
よく慌ててしまうのがこの3点です。
まず、退去時は解約届が必要になります。
契約書の綴りの中に一緒になっている場合も多く、見当たらないと若干焦ります。
しかし、解約届は管理会社などに連絡を入れると、すぐにもらうことができます。
いざ退去となると、敷金の計算の仕方や負担区分がこちらでは確認する書面がないので、不安になります。
事業用の賃貸の場合は、役所に何か届けを出し手続きが必要な場合や、金融機関から融資を受ける場合などに、現テナント(事務所)の賃貸契約書の提出を求められることがあります。
コピーではなく原本を求められることが多いので、紛失していると速やかな手続きができなくなる可能性があります。
さらに、長く住んでいると生活環境が変わり、入居当時では思っていなかったことが起こります。
楽器を弾きたくなったり、ペットを飼いたくなったりすることも出てくるでしょう。
契約書には、建物に住むにあたっての禁止事項などが記載されていますので、こういった場合には確認が必要になります。
もし契約書を紛失して確認できない場合は、管理会社に確認しましょう。
賃貸の契約書を紛失したら再発行はできるの?
賃貸の契約書は、契約時に交付する大切な書類です。
紛失してしまった場合、基本的に再発行はできません。
契約した日と、書面交付の日付が変わってくるため、滅多に行いません。
しかし、大家さんや取引した不動産会社は原本を保管しています。
特に不動産会社は取引に関する台帳をつけており、契約の日から5年は保管しなければいけないことが決められています。
紛失に気付いた際は、速やかにどちらかに連絡をして、コピーをもらっておくと良いでしょう。
合わせて、重要事項説明書も紛失していないか確認してください。
もし紛失している場合は合わせてコピーをもらってください。
なお、法的には契約書は原本1通あれば問題なく有効になり、賃貸借契約に関わる当事者が相互に内容を確認するために交付します。
口約束でも契約は成立しますが、トラブルを避けるため書面に残しています。
いつでも確認できるように手元に保管しておきましょう。
賃貸の契約書を不動産会社が紛失した場合
まずは、どういった経緯で紛失したのか確認をしましょう。
個人情報で押印までしてある状態の場合、大変心配なので早めに対応してください。
よくあるのは、不動産会社で契約し、借主が署名捺印、その後貸主へ送付、貸主が署名捺印後不動産会社へ返送、不動産会社が借主へ送付という流れです。
大家さんが、遠くに住んでる場合などはこのように契約します。
書類は大切なので、送付記録が残る方法でやりとりします。
契約書がなくなっても、賃貸借契約自体は有効なので、早めに書類を整えてもらうよう要求しましょう。
宅建業法の第37条で、不動産会社は賃貸借契約が成立したときには一定の事項を記載した書面の交付が義務付けられています。
違反した場合は、行政処分の対象にもなりうる重大なルール違反になります。
賃貸契約書は紛失しないように保管しましょう
賃貸契約書には、賃貸住宅に住むにあたっての決まりごとやルールが記載されています。
紛失してしまうと内容がわからなくなったり、困ることも起きてしまいます。
もし紛失してしまった場合は速やかに管理会社さんや大家さんに連絡をして、コピーを作成してもらいましょう。
契約書を紛失してしまっても、大きなペナルティはありません。
しかし賃貸契約は大家さんや管理会社さんとの信頼関係で成り立っています。
もし契約書をなくした場合は速やかに写しをもらって手元で保管しておくようにしてください。