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動産と不動産の違いを理解して、トラブル防止を!

2019.6.6

不動産という言葉は日常よく聞く言葉ですが、この不動産という言葉の意味をきちんと説明できるでしょうか?

不動産に対する言葉として動産という言葉があります。

では、動産と不動産の違いとは何なのでしょうか。

動産と不動産の違いを知っておくと、普段の生活で役に立つ場面が多いですし、トラブルを未然に防ぐこともできます。

今回は動産と不動産の違いを詳しくご説明していきます。

動産と不動産の違いを民法の定義で確認!

動産と不動産という言葉はよく聞く言葉ですが、違いを説明できる人はそこまで多くないかもしれません。

動産と不動産の違いを理解するために、まずは民法の条文を確認してみましょう。

民法の条文の中で、動産と不動産の言葉の定義が書かれているからです。

まず不動産を先にご説明します。

不動産について、民法86条では、「土地およびその定着物は、不動産とする。」と定義されています。

そもそも不動産とは、読んで字のごとく動かすことができない財産という意味です。

民法で定められているとおり、不動産とは、「土地およびその定着物」のことですので、土地や家はもちろん、土地に生えている立ち木も定着物とみなされ、不動産に該当します。

次に動産とはどのような意味なのでしょうか。

こちらについても、同じく民法86条で「不動産以外のものは、すべて動産とする。」と規定されています。

ということは、不動産以外の財産、つまり動かすことのできる財産は、すべて動産ということになります。

動産の具体例は?

動産とは、不動産以外の財産のことだと民法の条文で確認しました。

それだけだですと動産がどのような物なのか、イメージしづらいと思うので、具体例をいくつか挙げてみます。

まず金や宝石といった高級品は動産に含まれます。

そして、時計や電化製品、家具などの日常使っているものも、すべて動産と言えます。

これらは民法の条文どおり、不動産以外の財産に該当しますので当然動産と言えます。

一般的に私たちが思い浮かべる物は、たいてい動産と言っていいでしょう。

しかし動産と思われるものでも、動産には含まれないものもあります。

例えば、銀行預金や郵便貯金が挙げられます。

これらは、動産とは言えません。

銀行預金通帳自体は、不動産以外のものなので、動産と言えるのですが、普通銀行預金というと通帳そのものではなく預金を受け取る権利のことを指すので、それは動産とは違い、債権といえます。

このように債権は動産には該当しないのですが、民法86条には「無記名債権は、動産とみなす。」という規定があります。

無記名再債権には、映画のチケットや商品券、交通機関の乗車券などがあります。

これらは債権なのですが、無記名となるため、通常の「もの」と変わりがないと判断され、民法の規定では動産になるのです。

少し複雑な規定ですが、知っておくと便利でしょう。

不動産にはこんなものまで含まれている!?

不動産と動産の違いは、お分かりいただけたでしょうか。

先ほど民法での不動産の規定をご説明しました。

不動産は、土地や家などの建物のことだとご説明したのですが、実は不動産に含まれているのは、それだけではありません。

不動産には意外なものも含まれています。

意外なものの代表例としては、船舶があります。

船舶は、土地および土地の定着物ではありません。

そのため、民法の条文を単純に解釈すると、不動産ではなく、動産と言えます。

しかし、船舶については、値段が高いですし、ものの大きさも土地や建物などの不動産と同じくらいあります

そのため、通常の動産と同じ扱いでは、運用に不具合が生じてしまうことがあるのです。

総トン数20トン以上の船舶は法律上、不動産と同様に扱われます。

不動産ですので、船舶も土地や建物と同じように、登記しなければなりません。

同じような理由から、航空機も不動産として扱われています。

不動産といっても、単純に土地や建物だけではなく、一見すると動産と思えるものも不動産に含まれるのです。

所有権を主張する方法も動産と不動産で違う!

ここで所有権についてのご説明をします。

「この不動産、あるいはこの動産は私のものです。」と第3者に主張するためには、動産と不動産の場合で条件が違うのです。

では自分が持っている不動産や動産について、所有権を主張するためには、何をすればいいのでしょうか。

まず動産は、基本的には占有によって、所有権を主張することができます。

動産の現物を持っている人が、その動産の所有者であるということが民法上定められているのです。

だから動産の所有権を主張するためには、その動産を持っておくことが必要です。

しかし、不動産の場合は違います。

不動産は、占有しているだけでは、所有権を主張することはできません。

不動産の所有者として法律上認められるためには、不動産の登記をしなければならないのです。

そのため私たちは、たいていの場合、土地や建物を購入したときに、登記をします。

登記は専門家の司法書士が行いますが、この登記がなければ、不動産を所有したと言えないのです。

なぜこのような規定が定められているかというと、不動産をきちんと登記して、所有者を明確にしておかなければ、後々に大きなトラブルを引き起こしてしまうからです。

不動産は、簡単には手に入る値段のものではありません。

後々のトラブルを未然に防止するためにも、不動産を購入したときは、登記をして所有者を主張できるようにしておきましょう。

動産と不動産の違いについては民法では対処できない事例もある

ここまで動産と不動産の違いについてご説明してきましたが、不動産と動産の定義を説明した民法86条では対処できない事例もあるのです。

例えば、建物は間違いなく不動産に当たりますが、その建設の中に建てられた建物は不動産と言えるのでしょうか。

この場合、裁判の判決例は複数あり、どの建物の段階から不動産になるのか、明確に決められているわけではありません。

ケースバイケースなのです。

また、基礎工事で土地に固定して付けられている機械が、不動産になるという判例もあります。

さらに、土地についても、不動産に含まれないものがあります。

土地に定着している木や石垣は、不動産です。

しかし、土地の中にある鉱物は、不動産には含まれないのです。

不動産と動産の違いは、細かく突き詰めると、曖昧な部分があり、判断するのが難しいところがあります。

不動産の購入や売却をお考えの方は、慎重に判断することを心がけてください。

違いが分からなければ確認を!

ここまで見てきたように、自分では動産と思っていても、不動産であることがあります。

例えば不動産の売却が成立した後に、庭に植えてあるケヤキの木を、新しい住まいに持っていくことはできません。

ケヤキの木は、土地の一部としてみなされ、不動産に当たるからです。

このような勘違いがトラブルの原因となることがあります。

不動産の売却を考えている人で、動産か不動産かの判断に迷ったときは、契約書を確認したり、管理会社に確認するなどして、トラブルを防ぐようにしましょう。

また予め不動産とみなされるようなものについては、管理会社が契約書できちんと定義している場合が多いです。

もし、定義されていないと思ったときは、管理会社に定義してもらうようお願いすることも必要です。

後々のトラブルと防ぐといった意味でも不動産と動産の違いをきちんと理解し、分からなければ確認するといった対応が必要です。

動産と不動産の違いを知って購入時や売却時に役立てよう!

ここまで動産と不動産の違いについて説明してきました。

動産と不動産の違いは、民法に定義が書かれていますので、不動産の購入や売却をお考えの方は、最低限の知識は知っておいた方がいいでしょう。

また、今回紹介したように違いが曖昧な部分もあり、それが原因でトラブルにつながることもあります。

違いが分からなければ、契約書や管理会社に確認するなどして、トラブルを未然に防ぐことを心がけましょう。

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