賃貸物件に長い間住んでいると、家賃の値上げの告知を受けるかもしれません。
この家賃の値上げですが、基本的にはその金額を支払う必要があります。
ただし、値上げにも条件がありますので、その条件に当てはまるかどうかの確認が必要です。
また、家賃の値上げに納得できない場合はどうすればいいのでしょうか。
告知の期限はあるのか、更新時に値上げが多い理由も気になるところです。
記事では、家賃値上げの告知を受けた場合に対応してほしいことをまとめました。
家賃の値上げの告知を受けた!なぜ家賃は値上げする?
もし家賃の値上げの告知を受けたら、どう思うでしょうか。
「長く住んでいるから仕方がない」と思う方もいれば、なかには「なぜ値上げするんだ」と怒りを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、家賃の値上げは借主の許可なく貸主が決めることができます。
それでは、値上げの理由は貸主側の独断で決められているのでしょうか。
このことについては借地借家法で決められているため、貸主の独断の理由で決めることはできません。
借地借家法での値上げの条件は
・税金などの増減で土地と建物の価格が変わったために家賃の金額が適当でなくなった
・経済事情の変化で家賃の金額が適当でなくなった
・周辺にある同じような物件の家賃と比較したとき金額が低すぎるなど適当でなくなった
ということがあります。
家賃の値上げの告知を受けたら、まずは上記のような家賃が値上げされる条件に当てはまるのか貸主側に確認してみるといいでしょう。
正当な理由があれば、家賃の値上げ請求にも納得がいくかもしれませんね。
逆に、正当な理由に当てはまらない場合には家賃の値上げの要求に応じる必要がないと言えるでしょう。
家賃の値上げの金額が高すぎる?!告知後に話し合いを
家賃の値上げの告知を受けたものの、金額が高いなど納得がいかない場合があるかもしれません。
そのとき、どのような対応をすればいいのでしょうか。
この場合、まずは貸主との話し合いをおすすめします。
家賃の値上げは貸主側で決められますが、値上げの金額を支払うかどうかは借主側の同意が必要になるからです。
話し合いをしないまま要求された家賃を支払うことになると、不満を抱えたまま賃貸に住み続けることにもなりかねません。
気に入っている賃貸物件であれば尚更ですが、気持ち良く暮らしていくためにも値上げの告知に納得のいく説明を受けましょう。
ポイントは、まず値上げの理由があるかどうかの確認でしたね。
前項での値上げに必要な条件が当てはまるのかどうか確認しましょう。
前項でご説明したような正当な理由に当てはまっていても金額に納得できない場合は、お互いに話し合うことによって妥協点を見つけるなど、お互いが納得できるような解決策を見つけることが大切です。
家賃の値上げに反対!家賃は支払わなくてもいいの?
家賃の値上げの告知を受けたとき、そのまま支払うことに疑問を感じるような方は、まずは家賃の値上げに正当な理由があるのかどうか貸主から説明を受けることが先決でしたね。
そして、その説明を受けても納得いかないような場合には、さらに貸主との話し合いで解決していきます。
ところが、お互いの話し合いが平行線になってしまい、お互いの意見が合わないことがあるかもしれません。
その場合、家賃の金額が決まっていないからといって、家賃を支払わなくてもいいのでしょうか。
もし、話し合いがうまくいかずに長引いていたとしても、家賃の支払いは必要です。
家賃の値上げに反対だからといって家賃を支払わない行為は家賃滞納扱いとなり、後から延滞金を請求されるなど更なるトラブルに繋がる恐れがあるからです。
話し合いでの解決がまだの場合でも、家賃はしっかり支払うことが必要なのです。
ただし、支払うのは値上げされた家賃ではなく、今まで支払っていた家賃と同じ金額で大丈夫でしょう。
家賃の値上げには借主の同意も必要ですので、金額に納得いかないのであれば問題が解決するまでは今までの家賃で対応するしかありません。
家賃の値上げ反対!貸主が家賃を受け取ってくれない場合どうする?
家賃を値上げするという告知を受けて、交渉したものの話し合いがうまくいかない場合があります。
その場合、今のままの家賃を貸主に支払うようにお伝えしました。
ところが、貸主が家賃を受け取ってくれないこともよくあるようです。
そうすると家賃滞納なってしまうため、何とかそのような状態は防ぎたいものですよね。
この場合、どのように対処すればいいのでしょうか。
このときの対処法として、法務局に行って供託してもらう方法があります。
具体的にどのようなことをするかというと、法務局が貸主に代わって借主から家賃を受け取ってくれることによって、家賃滞納状態にならないようにしてくれます。
そして、法務局が貸主に対して借主から供託を受けている旨を連絡してくれます。
こうすることによって、貸主は値上げを断念して供託のお金を受け取るか、訴訟を起こすことになります。
できれば、このような状況に追い込まれないよう話し合いでの解決を望みますが、どうしてもうまくいかない場合は供託という方法をとってみるのも一案です。
1週間前に家賃の値上げの告知を受けた!これって正当なの?
家賃の値上げに納得がいかない理由のひとつに、告知のタイミングもあるようです。
たとえば、つい1週間前に家賃の値上げの告知を受けた場合、あまりに突然のことでビックリしてしまう借主もいることでしょう。
「こんな支払い間際に告知してもいいの?」と疑問に感じるかもしれません。
しかし、告知はどの時期にしなければいけないと決まっているわけではありません。
基本的には貸主が決めた日に告知はされるのです。
極端な話ですが「明日から家賃が上がります」ということになってもそれは違法ではないのです。
一般的には家賃の値上げは少なくとも2ヵ月前までに行ったほうが良いという話もありますが、それは貸主の良識的判断に任されるということで、実際にはいつでも告知は行われてしまうということになります。
もし家賃の値上げに不満があるのであれば退去する選択もあります。
もちろん値上げに関して正当な理由を確認してもいいですし、納得いかない場合は話し合いの機会を作ってください。
契約更新時に家賃の値上げが多い理由
前項では家賃の値上げはいつでも貸主のタイミングで行われるということをお伝えしました。
告知が遅いからといって支払いを拒否することはできません。
ただ、いつでも値上げのタイミングはOKだとしても、実際に何のきっかけもなく家賃の値上げが告知されることは多くあることではないかもしれません。
というのも、家賃の値上げの告知は契約更新時にされることが多いからです。
それでは、なぜ家賃の値上げの告知は契約更新時にされることが多いのでしょうか。
家賃は一般的に2年ごとに更新されますが、更新時には更新手続きが必要になりますから、家賃の値上げも契約更新のタイミングで行いたいという貸主側の意向が含まれています。
本来なら家賃の値上げは正当な理由さえあればいつでも行うことは可能です。
しかし、そのようにしないのは契約上の手間を省きたいということもあるでしょう。
契約途中での値上げは借主からの文句も出やすかったりするかもしれないという理由もあるかもしれません。
家賃の値上げの告知を受けたらまず話し合いを
家賃の値上げの告知を受け、値上げに納得いかない場合は話し合いをすることが必要です。
また、家賃の値上げには正当な理由が必要となりますので、その確認をまずはしてみましょう。
正当な理由があってもまだ納得いかない場合は、話し合いによる解決を試みます。
しかし、話し合いが平行線になってしまった場合には、今までの家賃を支払うことで対処してください。
もし貸主が家賃を受け取ってくれない場合は供託という方法も選択肢の一つです。