将来、マイホームを持ちたいと考えたとき、一番楽しいのは間取りを想像することではないでしょうか。
「1階は広いリビングがあって、水まわりはこの辺り」など、頭のなかでイメージするだけで楽しいですよね。
そうした頭の中のイメージを平面図に起こし、より具体化してみませんか?
簡単な平面図であれば、エクセルで作成可能です。
家を建てるときに欠かせない平面図と配置図
建築関係に携わっているかたはご存知かと思いますが、それ以外のかたは建築における図面のことは無知に近いですよね。
まずは、平面図がどのようなものなのかを解説していきます。
平面図は設計図の基本の一つで、1階2階といった各階のフロアから、一定の位置で水平断面した図面です。
概要で例をお話しした通り、「リビングの広さはこれくらい、水周りはこの辺」といった間取り図でもあります。
もっと専門的になってくると、床の面積から壁の構造、扉の開く向きなども記載されています。
平面図と同じく、建物を真上から見た図面に、配置図があります。
将来家を建てるときのために、少しだけお話ししますね。
配置図は、建築するときに、敷地と建物の配置関係を図面にしたものです。
庭の広さや車庫の位置、道路の境界線など、設計書を作るうえで欠かせない内容が記されています。
より専門的な知識が必要になりますので、配置図についてはまたの機会にお話しします。
では、間取り図となる平面図を、エクセルを使って作成していきましょう。
エクセルのセルを方眼用紙にする設定
平面図を作成するときには、リビングやキッチンといった図面パーツが必要になります。
エクセルで平面図を作成するときは、モジュールの設定を行っておきましょう。
モジュールは以下の3種類があり、設計するときに基準となる寸法のことです。
・尺モジュールは910mm
・メーターモジュールは1000m
・インチモジュールは1218mm
これから解説していく設定では、日本の住宅建築では一般的な尺モジュールで進めていきます。
まずエクセルのセルを尺モジュールの方眼用紙にする書式設定をしましょう。
①表示倍率
見やすくするために、画面の右下にある表示倍率をクリックし、150%まで動かして大きくします。
②全セルを変更
Aの左上の隅にあるコーナーをクリックして、全セルを選択できるようにします。
色が変われば、セルが選択されている証拠です。
そうしたら、AとBの間にマウスを置き、クリックしたまま左に動かしてみてください。
すると、ピクセルの大きさが出てくるので、行の高さを43ピクセルにしてみましょう。
この状態でドラッグすれば、全セルを一度に変更することができます。
今度は横幅です。
行番号の間でクリックし、同じように43ピクセルに変えましょう。
ちなみに、47ピクセルに変更すれば、メーターモジュールの方眼用紙になります。
尺モジュールで方眼用紙ができたら図形を作成
エクセルで方眼用紙ができたら、1帖の長方形を作成していきます。
作成した長方形を使って、平面図を完成していくためです。
では、一緒に進めていきましょう。
●長方形を作成
挿入をクリックし、図形を開きます。
すると、縦や四角形、基本図形など、いろいろな図形が表示されているはずです。
その中から長方形を選び、どこでもいいのでセルの場所をクリックすると、先ほど選んだ長方形が作成できます。
何も手を加えないと、枠線と背景は青いままです。
より平面図らしくするために、枠線を少し太くし、背景の色も変えてみましょう。
枠線の変更は、書式をクリックし、図形の枠線を開きます。
やや太めの、1pt~1.5ptあたりを選択してみましょう。
もちろん、ご自身の好きな太さで設定して構いません。
背景は、書式をクリックし、「図面の塗りつぶし」を開きます。
テーマの色、標準の色といった、さまざまな色が選べるので、お好きな色を選びましょう。
後で見やすいように、白色がおすすめです。
エクセルの機能としても便利!図形のサイズ変更
次に、先ほど作成した図形のサイズを変えていきます。
図形を組み合わせることで、平面図が完成していきますよ。
●ミリ単位での調節
図面にマウスを合わせ、右クリックします。
すると、メニューが表示されますので、サイズとプロパティを選択してください。
1帖を尺モジュールにするためには、1820mm×910mmに設定していきます。
サイズと角度の「高さ(E)」を1.82cmに、「幅(D)」を0.91cmにして、画面を閉じましょう。
これにて、畳1帖の長方形ができあがります。
●セルに合わせて調節
もう一つの方法として、セルに合わせた調節方法があります。
書式をクリックし、配置を選択、メニューのなかから「枠線に合わせる」をクリックしてください。
そして、図面の角や端を引っ張ってドラッグしてみましょう。
すると、グリッドに合わせて、大きさを変更することができるようになります。
元の状態に戻す場合は、書式→配置→枠線に合わせるを選択し、解除すればOKです。
エクセルの機能としても、便利なので覚えておきましょう。
エクセルだからできる!作成した平面図を見やすくするための文字入れ
図形は、4.5帖、6帖、8帖と、よく使う基本図形を作成しておきます。
先に作成しておくと、コピーしてセルの上で貼り付けすることができるので、後々便利です。
先ほどのセルに合わせたサイズ変更であれば、図面の右下からドラッグすればサイズ変更は簡単です。
6帖の図形の場合は、ドラッグしたまま3×4に広げれば作成できます。
何帖なのか分かりやすいように、図面を選択して文字を入れてみましょう。
エクセルで作成した平面図を家族間で楽しみたい場合は、コメントやメモといった文字を入れていくのもいいですよ。
挿入→図形からテキストボックスを選び、平面図に残したい文字を入力していきます。
書式を変えたいときは、図形から書式をクリックすると、さまざまな書式が出てきますので活用してみてください。
書式では、文字や背景の色、フォントも変更可能です。
より分かりやすく、そして見やすい平面図が作れることでしょう。
外枠を作成し部屋をはめれば平面図の完成!
それでは、エクセルで作成する平面図の醍醐味である、部屋作りに進みます。
まずは、あなたがマイホームに必要だと思う部屋や広さを書き出してみてください。
リビングは12畳、和室は6畳欲しいなど、想像していきます。
書き出した情報を、今度はエクセルに入力しましょう。
図形の枠を左クリックした状態で、Ctrlキーを押しながらドラッグしてみてください。
マウスを離すと、簡単にコピー、ペーストができます。
そして、CtrlキーとShiftキーを左手で押しながらマウスでドラッグすると、平行垂直にコピーができるため、位置を合わせるのがスムーズです。
先ほど書き出した部屋の広さにサイズを合わせ、名称を入れて、さまざまな図形を作成していきます。
次に、外枠を作成していきましょう。
1マスの面積は0.83平方メートルなので、以下のようなパターンを参考にして図形を作ってみてください。
・54.7平方メートル 6×11マス
・52.2平方メートル 7×9マス
・53.0平方メートル 8×8マス
できた外枠を右クリックして、最背面へ移動を選択します。
図形から書式をクリックし、枠線や背景色もお好きなものに変更してみてくださいね。
そうしたら、先ほど作成した部屋を外枠にはめ込みます。
全部入りきらなかったら、部屋の広さなどを変えてみましょう。
エクセルでマイホームの計画を立てる
簡単な平面図ではありますが、エクセルを使えば、手書きで書くよりも本格的に作成することができます。
想像していたよりも部屋が入りきらなかったり、反対に無駄なスペースがあったりと、平面図を作ることで判明することもあるでしょう。
想像力を働かせ、エクセルを上手に使って、未来のマイホーム計画を立ててみてはいかがでしょうか。