築年数が経過した住宅はさまざまな部分が劣化し、断熱性などが落ちてしまうことが多いです。
そのような住宅の快適性を高めるために、窓の交換を考えてみませんか。
窓の交換によって、断熱性や遮音性などを高めることができるかもしれません。
窓の交換といっても、簡単な工事で済む施工方法もあります。
今回の記事では、窓の交換方法について解説します。
窓を交換すると住宅が快適になる?!
建物というものは、落成から年を経るごとに劣化していきます。
そのため、快適な住環境を維持するためには、定期的なメンテナンスや住宅機器の交換などが不可欠です。
住宅リフォームを行う箇所や方法はさまざまですが、特に窓は、採光や換気、断熱、遮音に大きな役割を持ちますので、窓を交換するだけで家の快適性がかなり変わります。
窓は開閉回数も多いため、サッシがガタついたり隙間ができたりすると、それだけで大きなストレスになりますよね。
窓に関するお悩みを抱えている人は意外と多いのです。
具体的に、窓を交換すると何が変わるのか見てみましょう。
●断熱
熱気や冷気の多くは、窓から入ってくるといわれています。
冬には窓から暖気が逃げていき、夏には熱気が窓から入ってきます。
近年、異常気象による夏の暑さは過酷なものです。
窓を交換し、断熱性を高めることで冷暖房効率を上げることができます。
これはエコにもつながり、電気代の削減も期待できます。
●遮音
窓は壁に比べると厚みがありません。
そのため、外からの音が入ってくるのも多くは窓からです。
楽器や車・バイクの音、電車の通過音、ペットの鳴き声など騒音によるストレスは大きく、日常生活に支障をきたします。
これらの騒音も、窓の交換により軽減できる可能性があります。
●結露
屋内と屋外の気温差によって発生するのが結露です。
結露はカビを発生させたり、建物の劣化を早めたりしますので、できるだけ発生させたくありませんよね。
窓を交換すると、屋内と屋外の気温差を小さくすることができます。
そのため、結露が発生しにくくなります。
快適だけじゃない!防犯・防災にも役立つ窓
窓の交換によって得られる効果は前項の3つが大きいのですが、それ以外にもメリットがあります。
●防犯
空き巣などの侵入犯罪の多くは、窓からの侵入といわれています。
そして、「ガラス破り」という方法で侵入されることが多いです。
「防犯ガラス」は、破りにくい中間層やポリカーボネート板を挟み込んだガラスで、割れにくくなっています。
およそ7割の空き巣は、侵入に5分以上かかるとあきらめるといわれています。
つまり、割れにくい窓による防犯効果は十分に期待できます。
そして、窓の交換方法によっては補助錠を付けてツーロックにしたり、内窓を付けることもできます。
ツーロックになるとさらに窓からの侵入が難しくなり、防犯効果が高まります。
●防災
日本は地震が多い国ですので、防災意識を持っておくことはとても大切です。
地震の際に、窓ガラスが割れてその破片で怪我をするということがあります。
防災ガラスは割れにくく、地震の際に破片による怪我を防止できる可能性があります。
簡単に済ませたいならガラスだけ交換する方法がおすすめ
窓の交換方法は、大きく4つあります。
ひとつずつご説明します。
●窓ガラスのみ交換
サッシなどはいじらず、ガラスのみを交換する方法です。
簡単な工事となり、ひとつの窓につき1時間ほどで交換ができます。
ただ、サッシはそのままなので1枚ガラスが入っている窓の場合、ペアガラスに交換するためにはアタッチメントを付ける必要があります。
そのため、アタッチメントの部分の断熱性能が下がり、窓も小さくなります。
ほかには、真空ガラスに交換するという方法もあります。
真空ガラスとは、2枚のガラスの間に真空層を持つガラスです。
ペアガラスと比べても、断熱性能が高くしかも厚みはおよそ半分です。
そのため、1枚ガラスのサッシにそのままはめ込み交換することができます。
価格が高く重量があることが難点ではありますが、簡単な工事で断熱性を高めたいという場合に有効です。
自分でできるかも?内窓を付ける方法
●内窓を付ける
既存の窓を交換するのではなく、内側にもうひとつの窓を付けるという方法です。
窓が二重になりますので、外窓と内窓の間に空気の層ができ、断熱性と遮音性が高まります。
特に遮音性を気にしている人にはおすすめです。
内窓はペアガラスを使うとさらに断熱・遮音効果のアップが見込めます。
真空ガラスを使っても良いですね。
何かを壊したり変えたりする必要がないため、工事としては簡単です。
ひとつの窓につき1時間程度の施工時間が目安です。
比較的施工が簡単なため、ホームセンターなどではDIYできる内窓も取り扱っています。
腕に自信のある人は、ご自分でやってみるというのもひとつの手です。
ただ、内窓を付けただけで完成というわけにもいきません。
枠を付けたりカーテンレールを移動したり、それ以外の工事も必要になることがほとんどです。
見た目の問題もありますので、プロに依頼した方が良い場合もあります。
そして窓が二重になりますので、開閉がしづらくなります。
頻繁に開け閉めするような窓にはあまりおすすめしません。
窓枠はそのまま!窓を上からかぶせる交換方法
●既存の窓枠を壊さず窓を交換
既存の窓枠をそのまま残し、その上に新しい窓枠をかぶせる形で窓を交換する方法です。
カバー工法と呼ばれます。
壁を壊す必要がないため比較的小さな工事で済み、ひとつの窓につきおよそ2時間から半日程度で交換することができます。
既存の窓枠は残りますが、サッシは新しいものに交換されるため、古いサッシのゆがみやすき間風のお悩みから解放されます。
古い住宅でも、窓は最新のものに変えることができるのです。
特に築年数が経っている住宅の場合、窓ガラスの交換だけでは窓の性能が向上しないことがあります。
そのような場合にこのカバー工法がおすすめです。
しかし、既存の窓枠がそのまま残るため、窓の開口部がひと回り小さくなります。
また、掃き出し窓の場合、下の枠が立ち上がって段差ができてしまうこともあります。
窓をすべて交換!窓の性能アップが最も期待できる!
●窓枠ごと窓を交換
既存の窓を窓枠・サッシごと新しい窓に交換する方法です。
窓周辺の壁を壊すため、大きな工事になります。
ひとつの窓につき、およそ1日かかるとみておきましょう。
窓枠ごとの交換になりますので既存の窓にとらわれず、新しい窓に交換することが可能です。
また、サッシの色や窓のデザインなども選ぶことができます。
住宅のインテリアや外観にも関わってきますので、窓の性能だけでなく見た目を重視される人にもおすすめです。
ただし一度壁を壊すため、窓を交換した後の補修工事が必要になります。
そのため交換コストはほかの交換方法に比べて高めですし、工期もかかります。
ただ、窓枠・サッシすべて交換しますので、断熱や遮音などの効果は最も期待できます。
住環境のお悩みが窓の交換で解決するかも
窓の性能は、住環境の快適さに大きく関わっています。
窓の交換やリフォームは、施工方法や大きさ、ガラスの種類などによって大きく価格が異なります。
どの施工方法にもメリットとデメリットがあります。
そして、窓のお悩みによっても適した施工方法は変わってきます。
寒い・暑い・うるさい・エアコンが効かないなど、お悩みがあれば窓の交換を検討してみてはいかがでしょうか。