普段はあまり気にならないかもしれませんが、よく見ると「窓枠」にも劣化は見られます。
また、窓枠の色を変えることで、部屋の雰囲気も変わります。
この際、思い切ってマイホームの窓枠をご自分で塗装してみませんか?
塗装経験がほとんどないという方でも、コツさえつかめばきっとできるでしょう。
窓枠の塗装に適した塗料とは?
まずは、塗装する際に使う塗料についてご説明していきます。
塗料には、大きく分けると「水性」と「油性」の2種類があります。
それぞれの長所と短所を簡単にご紹介します。
【水性塗料】
○長所
・においが少ない
・取り扱いやすい
・価格がお手頃なものが多い
・手軽に保管できる
△短所
・密着性が弱い
・乾きがあまりよくない
【油性塗料】
○長所
・密着性が強い
・一度塗りしやすい
・耐久性に優れている
・金属にも使える
△短所
・においが強い
・保管には注意が必要
・価格が高めなものが多い
どちらにもそれぞれ特徴があり、お互いによいところがあります。
一概にはいえませんが、どちらにするか迷ったときには、塗装する場所が室内か屋外なのかも考えていきましょう。
そして、塗りたい箇所の材質を見ていきます。
今回は室内にある木製の窓枠へ塗装をしていきますので、においの少ない水性塗料を使っていきます。
水性塗料は扱いやすく何度も重ね塗りができるため、特に初心者にはおすすめです。
窓枠を塗装するために必要なもの
塗料が決まりましたら、次は窓枠を塗装するために必要な道具をそろえていきます。
【必要な物】
・ハケ(サイズ違いで2~3本・カラー塗料用とニス用とあると便利)
・塗料を入れる皿(多少深さがあれば紙皿などでもOK)
・サンドペーパー(数枚)
・マスキングテープ(養生用)
・ロールマスカー(養生用)
・ニス
・軍手
ハケは、カラー塗料用とニス用でそれぞれ3種類ほどあると便利です。
四隅などもキレイに塗れるよう、細めのタイプも用意しましょう。
サンドペーパーは、下処理用に目の粗いもの(♯120~240くらい)を数枚と、仕上げ用に目の細かいもの(♯400~600)を用意します。
ロールマスカーとは、養生シートとマスキングテープが一体化した画期的なテープで、用意しておくととても便利です。
ニスにも種類はありますが、今回は室内用の木部に使える「ウレタンニス」を使用します。
また、作業にはサンドペーパーで削った木の粉や塗料が付くこともありますので、汚れてもいい服装で行うようにしましょう。
水性塗料は室内に適した安全な塗料ではありますが、必ず換気を行うようにし、必要であればマスクやゴーグルなども使用しましょう。
仕上がりに差を出す!窓枠の補修作業
必要な物がそろいましたら、窓枠の木部分に欠けなどがないか確認をしていきましょう。
もし、木にひび割れや穴などがある場合には、事前に補修をしておくことをおすすめします。
そこで、補修時に役立つアイテムをご紹介します。
【セメダイン:エポキシパテ・木部用】
○参考価格:479円(税込)
○使用できるもの:木材・木製品・硬質プラスチック・金属・陶器など
○用途:木の節穴の補修・家具の欠け補修・柱の欠け補修
このエポキシパテは二層の粘土状になっています。
必用な分だけを取り出し、二層が混ざるようよく練り合わせ4分以内に補修箇所へ埋め込みます。
余分な部分を早めにヘラなどで取り除きます。
およそ10分で実用強度になりますが、念のためヤスリがけや塗装は24時間以降に行うようにしましょう。
この補修作業を行うことで、仕上がりにも差が出てきます。
塗布前の下準備をしよう!
塗装部分以外への付着を防ぐために、マスキングテープとロールマスカーで養生をしていきます。
角や細かい部分には、マスキングテープを細かくちぎりながらしっかりと貼っていきます。
水性塗料は粘度が低くサラサラで垂れやすいため、広めに養生を行ってください。
窓枠下部の壁面や足元も必ず養生しておきましょう。
養生が終わりましたら、サンドペーパーでヤスリをかけていきます。
窓枠表面の凸凹が強い場合には、♯120~180くらいの粗いサンドペーパーでヤスリをかけていきます。
前項でご紹介した、エポキシパテを埋め込んだ部分も凹凸が目立たないように、ヤスリをかけましょう。
徐々に凹凸が目立たなくなってきましたら、塗装前の仕上げとして♯240ほどのサンドペーパーでヤスリをかけます。
また、ヤスリをかける際にはあまり力を入れすぎずに、必ず木目と平行にかけるよう注意しましょう。
その後、ヤスリで出た木の粉が窓枠に残らないようしっかりと片付けていきます。
濡れた布だと木に毛羽立ちができてしますので、仕上げには乾拭きをしてください。
キレイに塗装するコツを確認しよう!
準備が整いましたら、さっそく窓枠を塗装していきます。
ハケは使う前に何度かしごき、余分な毛を落としましょう。
そうすることで、塗装中に毛が塗りこまれず、毛ごと硬化してしまうことをなるべく防いでくれます。
塗料をよく振ってから容器に出しましたら、ヤスリをかけたときと同じように木目と平行にハケで塗っていきます。
先に小さいハケで角などの細かい部分を塗ってから、その後大きいハケで広範囲を塗っていくとキレイに仕上がりやすくなります。
また、一度でキレイに塗ろうとするとどんどん厚くなり、それこそが失敗の原因になります。
一度で塗ろうとするのではなく、何度か薄く重ね塗りをして仕上げるようにしましょう。
一度目の塗装が済みましたら、使用した塗料の指定どおり乾燥時間を設けます。
乾燥が終わりましたら、二度目の塗装をしていきます。
仕上げと失敗を防ぐための注意点とは?
重ね塗りが終わりましたら、十分な乾燥後ウレタンニスを塗っていきます。
ウレタンニスは水性塗料よりもサラサラで垂れやすいので、量を調節しながらかすれない程度で塗っていきましょう。
乾燥が終わりましたら、仕上げのヤスリをかけていきます。
このときには、目の細かい♯400~600くらいのサンドペーパーを使用していきます。
最後に乾拭きをして完成となります。
しかし、ここで注意していただきたいことがあります。
それは、マスキングテープを剥がすタイミングについてです。
ヤスリもかけ終わり、最後にすべての養生を外したいところですが、マスキングテープだけは塗料が乾く前に剥がすようにしてください。
乾いてからマスキングテープを外そうとすると、マスキングテープとの境目の塗料が硬化し、せっかく塗った窓枠の塗装も一緒に剥がれてしまうことがよくあります。
そこで、マスキングテープを剥がすタイミングとしては、ウレタンニスを塗り終え半乾き状態くらいがちょうどいいとされています。
剥がす際には、一気に剥がすのではなく、無理に引っ張らないよう時々カッターで切れ目を入れながら剥がすと失敗しにくいでしょう。
コツをつかんでセルフ塗装にチャレンジ!
きちんと下準備ができれば、塗装していくことはそんなに難しいことではありません。
自分好みの色にも変えられますし、塗料の選び方次第では、木目を隠し全く違う雰囲気に仕上げることも可能です。
また、オシャレのためにわざと塗りムラを使った塗装の仕方もあります。
失敗したと思っても、そこからまた修正できるのもセルフ塗装の魅力です。