暑い夏場の時季に、室内までもが暑くなってしまう原因は窓にあります。
なぜなら窓は、室内の大部分の熱が出入りするルートになっているからです。
つまり、窓に遮熱の対策をすることにより、快適な生活に加えて冷房費の節約というおまけもついてくるかもしれません。
窓から室内に入ってくる熱をシャットアウトして、快適な夏を過ごす方法をお伝えします。
窓は熱の侵入経路?遮熱対策で室温を維持!
窓は部屋に光や風を取り入れるために重要な開口部です。
大きい窓からはあたたかい日差しが差し込んで心地よいですし、気持ちのいい天気の日には窓を開け放つと爽やかな風が通り抜けていって気分がリフレッシュできます。
しかし、窓ガラスは光を通す性質や厚みがないため、熱が伝わりやすい性質から窓は室内外へ熱が移動する出入り口になっているという側面も持ち合わせています。
数字で見てみると、屋外から部屋に伝わってくる熱のうち、5割から6割もの熱が窓を通じて入ってくるというデータもあります。
これでは室内で冷房を効かせていてもすぐに部屋が温まってしまいます。
快適に過ごせませんし、エコではありませんよね。
そこで、熱の主な流入源となる窓に遮熱対策を行ってみましょう。
窓に施す遮熱対策には、おおまかに分けて2つの方法がありますので、次の項でご紹介していきます。
2つの遮熱対策方法で夏を快適に!
この項では、遮熱対策としてあげられる2つの方法についてお伝えしていきます。
ひとつめは、「室内に差し込む日光に対しての対策」をする方法です。
室内に日光が差し込まなければ、太陽の放射熱によって部屋が暖められてしまうことを防ぐことができます。
そしてもうひとつが「窓を通して熱の出入りが発生しないようにする対策」を行う方法です。
熱には高温の場所から低温の場所に伝わっていく性質があるため、せっかく部屋を涼しくしても、暑い外気の熱が伝わってきてしまうと温まってしまいます。
そこで、熱の出入りが発生しにくいような対策を施せば、室内を涼しいままに保つことができるのです。
次の項からは、様々な遮熱対策を順に取り上げていきます。
窓のお手軽遮熱方法!市販のフィルムで対策をしよう!
窓への遮熱対策を行うのであれば、フィルムを貼るタイプのグッズがおすすめです。
例えば、赤外線や紫外線をカットすることができるフィルムが市販されています。
焼き鳥やバーベキューの場で「遠赤外線で肉に火が通る」といった言葉を聞くかもしれませんが、赤外線には熱エネルギーを伝えるという性質があります。
そんな赤外線を窓でシャットアウトできれば、室内の温度が上昇してしまうことを避けられますね。
また、日焼けの原因になる紫外線もカットできるので、さんさんと太陽が登っている日にも日焼けを気にせずにカーテンを開いて光を取り込むことができますよ。
他のフィルム状製品として、ガラスを介した熱の出入りを抑制するために使う遮熱シートを使う方法も効果的です。
遮熱シートは厚みのある梱包用プチプチマットのような製品で、空気の層がサンドイッチされたビニールシートです。
遮熱シートを窓に貼り付ければ、優れた断熱材である空気の層によってガラスを介した熱の出入りを抑えてくれます。
こういった製品は貼る時にコツが必要となってしまいますが、反面簡単にはがせる製品も多いため、賃貸物件でも取り入れやすく、比較的気軽に挑戦できる遮熱対策だといえるでしょう。
すだれや緑のカーテンは涼しげで窓の遮熱にピッタリ!
窓への遮熱対策として、そもそも窓に日光が差し込まないようにするという手段も有効です。
その方法としては、すだれの取り付けや緑のカーテンの設置が挙げられます。
ここで緑のカーテンについて補足しておくと、つるを伸ばす性質のある植物を屋根などから垂らしたネットに這わせることで、植物の葉で窓に射し込む光を遮るものです。
これらは比較的ポピュラーな遮熱対策ですから、夏になると見かけることも多いですよね。
どちらも目に涼しげですから、視覚的に納涼する効果も期待できますよ。
注意点としては、すだれは窓の外に取り付けるべきで、室内に取り付けた場合には遮熱効果が薄れてしまうという点です。
室内側の窓にすだれを取り付けた場合、日光はすだれによって遮られるため、これで涼しくなっただろうと思ってしまうかもしれません。
しかし、実際のところ日光が当たったすだれは加熱されます。
加熱されたすだれが室内にある場合と室外にある場合では、室内の温度変化に違いが出てきてしまうのは自明ですよね。
少しでも効果を上げたい場合には、すだれは窓の外側に設置しましょう。
遮光・遮熱カーテンで窓の断熱を!
最後に、部屋のカーテンを遮熱・遮光効果をもつものに交換する方法をお伝えします。
インテリアに合わせて見た目から選んでしまいがちなカーテンですが、なるべく高機能を持つカーテンを取り付けるだけで室内の温度は大きく変わってきます。
そもそもカーテンの持つ遮熱効果とは、窓近辺と室内の空間を区切ることによって発揮されます。
カーテンを閉めるとカーテンと窓の間に空気の層ができますから、これが断熱層となって熱の出入りを防いでくれるのですね。
しかし、普通のカーテンは生地が薄かったり裏張りされていなかったりと、空間を仕切るには頼りない作りであることが多いため、少なからず外からの光や熱を通してしまいます。
一方、遮熱・遮光効果のあるカーテンには重厚感があり、光や熱のカットに適切な異素材で裏張りがされている物がほとんどです。
一度購入してしまえば長く使えるものですから、多少値が張っても高機能カーテンを取り付けることをおすすめします。
その際、カーテンの丈については注意してください。
カーテンが短くて窓枠や床との間に隙間があると、しっかりと空気の層を作ることができていませんよね。
普通の窓なら窓枠から20cmくらい余裕のある長さを、掃出し窓なら床につくくらいの長さを選ぶことをおすすめします。
さらに、カーテンの使い方も大切です。
冷房を使っている間は日中でもカーテンを閉めておくと、外に熱が逃げないように保温した状態で部屋を冷やすことができますよ。
番外編・エアコンをエコに使う方法!
ここまで、建物自体の窓に遮熱対策をすることで部屋を冷えやすくして、快適に過ごせるようにする方法をお伝えしてきました。
最後に番外編として、エアコンに工夫をして部屋を冷えやすくする方法についてお伝えします。
部屋の遮熱も大切ですが、エアコンを効率的に動かすことができればより快適な生活に近づけることができますよね。
まず、エアコンの室外機の周辺は、風通しがいいようにしておくことが挙げられます。
エアコンはヒートポンプという仕組みで、室内の熱を室外機から屋外に捨てることで部屋を冷やしています。
そのため、室外機からは捨てられた熱が排出されています。
しかし、室外機周辺に物が置いてありゴチャゴチャしていると、捨てた熱が室外機周辺に淀んでしまって、室内の熱を捨てることがだんだんと難しくなっていくのです。
するとエアコンの効きが悪くなりますし、光熱費もかさんでしまいます。
なるべく室外機周辺はスッキリとさせて、風通しがいいようにしておきましょう。
また、室外機自体が温まらないようにすることも有効です。
室外機に直射日光が当たらないように、ひさしなどで日陰を作ってあげると、それだけでもエアコンの効きが改善しますよ。
エアコンの室外機周辺の環境を整えて、エコに室内を冷やしましょう。
夏に向けて窓の遮熱方法をためそう!
この記事では暑い夏を乗り切るために、窓の遮熱をして部屋を涼しく保つ方法についてお伝えしてきました。
窓は熱が侵入してくる最も大きな経路です。
対策ができれば、これまで以上に涼しくて冷房費用がかからない夏になるかもしれません。
番外編でお伝えしたエアコンの使い方もチェックしてみてくださいね。