建築には図面が必ずと言ってよいほど欠かせないものです。
最近ではパソコンで平面図を容易に作成できるようになり、その書き方についてよくわからないまま設計用ソフトに頼りきりの方もいるかもしれませんね。
製図には基本の書き方があり、その基本を理解していないとミスが発生する可能性もあります。
こちらでは一般的に間取り図と言われる平面図の書き方などについてお伝えします。
合わせて、DIYで家具を作るときにも使える書き方などにも触れますのでお役立てください。
平面図など製図の読み方書き方が分かると設計もできる
建築にかかわる製図を学ぶときに、実際に平面図などを作成し設計できるようになるまでには、どのようなことが必要か見ていきましょう。
設計ができるようになるには、
①図面が読めること
②図面が書けること
③設計ができること
このような手順をふむ必要があります。
仕事上図面を読む必要があるなら、読めるようになっておけば業務がよりスムーズになりますよね。
また、要望通りに図面を書かなければならないのなら、製図の基本を学んだうえで実際にたくさんの平面図を書いて経験をふむことが大切です。
さらに、設計をする建築士になりたいのであれば、図面の読み書きは必要不可欠です。
製図にはルールがあり、それに基づいて線を引いたり、寸法を配置したりするものです。
このルールさえ理解していれば、資格がなくても図面の書き方に困ることはないでしょう。
建築物だけではなく、家具や室内設備を作る際にも簡単でも図面があると便利です。
そのため、製図の基本をきちんと学び理解しておくことが大切といえます。
図面にもいろいろある?平面図をはじめとした種類を知ろう
図面と言ってもどのようなものなのか、一般の方にとっては明確なものではありませんよね。
そこで、こちらでは書けると建築の実務経験としても役立つ、図面の種類についてお話ししていきます。
〇平面図
建築図面として一般の方でも見たことがある図面です。
建物の部屋の配置などを真上から見たもので、わかりやすく言い換えるなら間取り図とも言います。
階層ごとに分けられ、部屋の窓や戸の様子や家具の配置などイメージしやすくなっています。
基本の図面とも言え主要な箇所の寸法などが記されており、熟練した建築士なら平面図を見れば建物を立体的に想像することも容易かもしれません。
〇配置図
建物の詳細を示す図面のことで、敷地や建物の配置場所を示すだけでなく、道路や人の導線なども分かるようになっています。
〇立体図
建物を東西南北四方向から見た外観の図面です。
〇断面図
建物を垂直に切ったように見える図面です。
〇平面詳細図
平面図の詳しい図面です。
各部屋の仕様や床面積、おさまりや仕上げなどを詳しく記載する必要があります。
〇断面詳細図
矩計 (かなばかり) 図とも呼ばれ、軒先を含む代表的な外壁部分を梁間方向に切断した図面です。
主だった図面にはこのようなものがあり、建築の際には欠かせないものといえます。
次項では平面図の書き方において必要な道具について触れていきます。
平面図を自分で書くならまずは道具をそろえよう!
こちらでは、図面を手書きで書く上で必要となる道具について見ていきましょう。
●シャープペンやホルダーペン、鉛筆
普通線と太線が書けるように2種類あると便利です。
ホルダーペンは芯の太さが2mmあるので一息に太い線が引けます。
●消しゴム
なるべく消す力が強いものを使います。
プラスして図面の一部分を修正する際に便利な字消し板があると、効率的に訂正できます。
また、ペン型の消しゴムがあると細かい部分を消すことができ重宝します。
●ノート
5mmの方眼紙がおすすめで、製図用に方眼線が青いものを選ぶと良いでしょう。
●平行定規
横線を引く際に使用する定規で、定規の固定がレバー式のものを選ぶと作業効率が上がります。
●勾配定規
縦線と斜め線を引く際に使用します。
●テンプレート
平面図のトイレや家具、建具などの記号を書く手間を省いてくれる便利なツールです。
基本的には、シャープペンなどの筆記用具と消しゴム、用紙と定規があれば製図はできなくもありません。
より正確な書き方をしたいなら、この他にも便利なツールがありますので必要に応じて探してみてください。
平面図の簡単な書き方とは?壁や窓から家具まで
こちらでは、建築士の方が効率的に分かりやすく書けると解説している、平面図の簡単な書き方とコツをご紹介していきます。
なお、こちらの書き方は手書きに応用できない場合もあるので注意してください。
〇壁
外枠となる外部や隣との壁は太めに書き、内部空間を区切る壁は細く書くと見やすくなる
〇窓
壁を太線で書き、その壁の線より細い白い線を重ねると窓のように見える
〇扉
開く軌跡を記載しなくても、扉を設置する箇所に1本短い線を垂直に引くだけで表現できる
〇トイレ
楕円のみでも可だが、記載する大きさに注意する
〇風呂場
長細い大小の四角形を記載すれば湯舟らしく見える
〇キッチン
長細いキッチンカウンターを書き、コンロ部分は正方形、流し部分は長方形を書けばそれらしく見える
〇家具
家具はイメージとして設定するため、あまり厳密に考えなくても良い
例えば、シングルベッドなら縦横2×1の比率、ダイニングテーブルなら1.2×0.9くらい
椅子のある家具は椅子に合わせて大きさを設定するのがおすすめ
〇収納
壁で囲んで斜め線を引けば収納と分かるため、扉の開き方などはあまり気にしなくても良い
形よりも大きさや見やすさが重要で、特にレイアウトは寸法が影響しますので気にしてみてください。
平面図の書き方の手順!建具や家具はいつ書き入れる?
平面図の書き方の手順は人によってまちまちかもしれません。
こちらでは、実際に平面図を書いていく手順を簡単にご紹介していきます。
1.壁芯、柱の中心線を書く
薄い線で壁部分を書いていきます。
窓などの開口部も気にせず線を引きます。
2.開口部の壁の中心線を消す
外部内部の開口部を消しゴムで消していきます。
ペン型の消しゴムを使うと良いでしょう。
3.通し柱の〇を書く
ここ以降で実線を書いていくので、通し柱で階層を確認しておくと万が一間違えていたときに修正が少なくすみます。
4.壁と柱の仕上げ線を書く
横方向の壁線、縦方向の壁線の順に全て書きます。
5.開口部を書く
開口部の種類に注意して、窓やドアなどを書いていきます。
引き違い窓などの内外部建具も記入していきましょう。
6.階段を書く
手すりを一緒に書いても良いでしょう。
7.設備機器や床仕上げを書く
洗面台、便器、流し台、庇、デッキなどの設備機器と畳やタイルなども記入します。
8.要求室ごとに家具などを書く
試験などで要求室が設定されている場合には、部屋に必要な家具などを書き入れ、室名や床面積、床高を書きます。
寸法線、建物外部の文字、図面名、方位などを書けば平面図は完成です。
こちらでご紹介したのはあくまでも例なので、ご自分のやりやすい書き方を見つけてみてください。
家具を作るのにも図面が必要?その書き方とは
ここまで、建築の平面図などについて色々とお話ししてきました。
最近では、家や部屋をDIYでお好みの装飾をしたり、雰囲気を変える工夫をしたりする方が増えてきています。
家や部屋をDIYするときや、自分好みの家具などをDIYするときにも図面は必要なものです。
こちらでは、家具の図面を手書きでする書き方やポイントについてご紹介します。
まずは、作りたい家具の全体図を大まかに書いていきます。
幅や高さ、奥行きの寸法は大事なので必ず記載しましょう。
次に、全体図を基に、平面図で部品の図面を書いていきます。
部品は複数に及ぶものなので、1つの図面に書き込み過ぎると見づらくなってしまいます。
1部品の図面につき1枚か、多くても1つの図面に2つか3つの部品を書き込むにとどめる方が良いでしょう。
なお、複雑な形をしたものの図面は上下左右、裏表の方向からの平面図にするとわかりやすくなります。
このように、簡易的な書き方でも寸法と全体図、部品図があるだけでも設計はしやすくなり、完成図のイメージが容易になるのでおすすめです。
もしも手書きの書き方が難しい場合には、無料の設計用ソフトもあるので使ってみても良いかもしれませんね。
平面図の書き方は基本が大事!
平面図をはじめとした図面、製図に必要な道具や簡単な書き方などをご紹介してきました。
図面の書き方や手順、使う道具は人によってやりやすいものがあるでしょう。
こちらの記事を参考にしていただき、ご自分に合った書き方を極めてみてください。
また、DIYで家具などを作りたい方向けにも簡単な方法をお話ししたので、ポイントをおさえてDIYを楽しんでくださいね。