これから物件を探そうとしている方のなかには、どのような構造の物件にしようかと迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、「木造アパートには騒音の問題があるというイメージがあるけれど、新築なら大丈夫ではないか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこでここでは、これから物件を探そうとしている方のために、木造アパートについて詳しくお話ししていきますので、ぜひ、参考になさってください。
木造アパートのデメリットは騒音?!その理由
木造アパートのデメリットとしてよく挙げられることは、防音性の低さについてです。
外から車や電車の騒音が聞こえたり、隣りの部屋などから話し声やテレビの音が聞こえたり、上の階からの足音が聞こえたりなど、木造アパートにかぎらず、賃貸物件に住む場合、騒音で悩まされる人は少なくありません。
住人のお互いが気をつけないと、物件の住人同士の騒音トラブルにも発展してしまうケースもあります。
そもそも、木造アパートで騒音問題が起こってしまう理由としては、鉄筋コンクリートマンションなどとの構造上の違いがあります。
特に、新築ではなく築年数が古い物件の場合は、建築材料に遮音材が使われていないことが多い、サッシも古いため遮音性が低い、などということから、騒音が聞こえやすい状態だと考えられます。
また、木造アパートのデメリットには、騒音の問題だけではなく、次のようなことも挙げられます。
●気密性が低いため、エアコンの効きが悪い
●木材で造られているため、火災時には火が速くまわる恐れがある
●築年数が古い物件のなかには耐震基準を満たしていない場合もある
これらのようなデメリットを持つ場合もありますが、木造アパートにもメリットと言えることもありますので、次章でお話しします。
騒音のデメリットはあっても木造アパートにもメリットがある!
前章でお話ししたように、木造アパートには騒音問題をはじめ、デメリットと考えられることがいくつか挙げられます。
しかし、そのような木造アパートにも次のように「メリット」ととれることもあります。
●他の構造の物件よりも比較的賃料が安い
●鉄筋コンクリート構造のような梁がないため、家具の配置がしやすい
●通気性が良いことから、カビやダニが発生しにくい
●マンションと違い、部屋数が少ないため、住人を把握しやすい
デメリットの多い印象のある木造アパートですが、これらのようなメリットもありますので、物件の候補として最初からはずしてしまうのはもったいないかもしれません。
特に、「賃料をなるべく抑えたい」と考えている方は、一度は内覧に行ってみることをおすすめします。
木造アパートでも新築の場合は造り方が違うこともあったり、自分で防音するための方法もあったりしますので、後ほどそれらのことについてお話ししていきます。
新築の木造アパート事情!新築でも騒音は聞こえる?
最初の章では、騒音の問題など、木造アパートのデメリットを取り挙げましたが、近年の新築の木造アパートは変化してきていると言われています。
どのような変化をしているのかについては、次のようなことが挙げられます。
●建築法の変化
パネル工法やツーバイフォー工法などのように、木材以外の建築材料を組み合わせるなどの新しい建築方法をとることにより、耐震性や耐火性が高められています。
●外観がおしゃれになってきている
木造アパートのイメージを変えるために、古い物件であっても、おしゃれな外観や室内にリノベーションするなど、新築物件では木造とは思えないような造りの物件も増えてきています。
新築や築年数の浅い木造アパートであれば、建築材料も上記のように開発されていたり、サッシも新しいものが使われていたりしますので、以前のような騒音問題も解消されてきていることも期待できます。
新築でも騒音が聞こえないか心配!内見で確認できること
新築の木造アパートであれば、先述したように建築方法などが変わってきていることから、古いアパートでデメリットとされているような騒音問題なども起こりにくくなっていることが考えられます。
しかし、新築とは言ってもやはり、「木造アパートなので音が伝わりやすいのではないか?」と心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方のために、物件を内覧する際に騒音に対しての確認が可能なことをご紹介します。
●外から聞こえる足音の確認
不動産会社の方や付き添いの方などに頼んで外の廊下を歩いてもらうと、外からの足音がどの程度聞こえるのかの確認をすることができます。
●防音性の確認
部屋の中央に立ち、大きな音が出るくらいに手をたたいてみましょう。
音が壁にはね返り、部屋中が振動するほどの場合は、防音性の低さが疑われます。
●壁の厚さを確認
部屋の壁をノックした際に、高い音がした場合は、壁がうすく防音性が低いことが考えられます。
反対に、低くて鈍い音がした場合は、壁が厚く防音性が優れている可能性が高いです。
これらのことを行ない、その物件の騒音の度合いを確認しておくことをおすすめします。
新築の木造アパートでも騒音が!自分でできる防音対策とは
万が一、自分の住み始めた物件が新築の木造アパートでも、外や別の部屋からの騒音が気になる場合には、自分でもとれる防音対策もありますので、試してみてはいかがでしょうか。
●カーテンを防音性の高いものにする
外からの騒音は、窓から入ることが多いので、窓に対して対策をとることがおすすめです。
防音カーテンを付けることにより、外からの騒音をある程度防ぐことにつながるでしょう。
●窓のサッシなどに防音テープを貼る
窓のサッシには多少のすき間があるものですが、古いサッシになるとさらに劣化し、外からの騒音も入りやすくなります。
そこで、防音テープをサッシのすき間に貼るというのも防音対策の一つです。
●家具の配置を考える
隣りの部屋からテレビの音がよく聞こえて気になるという場合には、テレビの音が聞こえてくる壁側に、本棚やタンスなどの大きい家具を配置してみましょう。
家具で音を遮ることができるため、防音対策につながるでしょう。
静かに暮らしたいなら!物件以外にも確認すること
なるべく騒音に悩まされないような物件を探している方は、物件そのものに気をつけるだけではなく、その物件の周辺の環境も確認することが大切です。
確認しておきたいこととしては、次のようなことがあります。
●線路や大きな道路・交差点が近くにないか
線路があるということは、早朝から深夜まで、時間をおいて電車が通ることになるため、電車による騒音が聞こえることになります。
また、大きな道路や交差点などがあることによっても、車やバイクの騒音が聞こえることが想定されます。
たとえ新築であっても、木造アパートの場合は、それらの騒音が聞こえる可能性が高いため、音が気になりやすい方は、そのような環境が近くにないか確認をすることも大切です。
●周辺に居酒屋や飲食店が多くないか
飲食店が物件の近くにあると便利な面もありますが、特に居酒屋が多い場合は、深夜まで利用客が騒いでいることが頻繁にあるかもしれません。
そのように、人が多く集まる場所が近くにないかということも確認しておくとよいでしょう。
物件探しで内覧の際には確認を念入りにしよう!
これまで、木造アパートについてや防音対策、物件選びのポイントについてお話ししてきましたが、物件を決める前に、どのようなことを確認すればよいかおわかりいただけたでしょうか。
特に内覧の際には、ここでご紹介した確認事項をぜひ参考にして、その物件の騒音の度合いを確認してみてはいかがでしょうか。
また、物件の周辺に騒音のもととなる環境がそろっていないかということも忘れずに確認しましょう。