比較的古めの家やマンションには、「納戸」と呼ばれるスペースがある場合があります。
若い世代の人は、「納戸のことを知らない」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでここでは、納戸についてのお話から、収納をはじめ納戸の有効的な活用方法までをご紹介していきます。
これから物件を探す人や納戸の付いている部屋にこれから住むという人は、ぜひ、納戸のメリットや活用方法について、参考になさってみてはいかがでしょうか。
マンションに付いている場合もある「納戸」とは?
マンションにも、「納戸」が付いている物件もあります。
納戸を示す言葉には、「納戸」以外にも、1SLDKなどに付いている「S(サービスルームの略)」のように、サービスルームという表記もありますが、納戸と同様の意味のスペースと言われています。
そもそも、「納戸」というものは何かと言うと、建築基準法による「居室」であるという条件を満たしていないスペースのことで、クローゼットとは区別されています。
クローゼットには、もともとハンガーパイプや棚などが備え付けられていて、完全に収納スペースとなっています。
しかし、納戸と呼ばれるスペースにはそういったものが何もないことが多く、広さによっては、収納以外にも使用することも可能なスペースです。
次章からは、実際に納戸があることのメリットやデメリット、その上手な活用方法などを具体的にお話ししていきます。
マンションにもある「納戸」のメリット
納戸の存在を知らない人のなかには、「納戸はどのようなことに使えば良いのだろう」という疑問を持つ人もいらっしゃるのではないでしょうか。
その、マンションなどに付いている納戸には、いくつかのメリットがあります。
●大容量の収納
納戸は、クローゼットや押し入れに比べて、大きなものでも収納することが可能です。
クローゼットや押し入れには入らないようなものや、スキー板やスノーボードなどの常に部屋にあっては邪魔になるような大きいものを置いておくことができます。
また、クローゼットのような棚がないので、タンスやシェルフごと入れることもでき、居室である部屋を広く使うことが可能になります。
●日光があまり当たらないことのメリット
納戸として扱われるスペースには、窓が無い場合もあり、あったとしても小さな窓であることが多いです。
そのため、納戸には、日の光があまり入らないことになります。
そこで、日の光を受けると色あせて困るもの(本や衣料品など)や常温保存のできる食料品を置いておくことにも便利なスペースと言えるでしょう。
マンションにもある「納戸」のデメリット
前述したように、マンションなどにもある納戸のメリットにはとても魅力的なことがあります。
しかし、見方を変えると、次に挙げるように、デメリットとなり不便に思うこともあるでしょう。
●コンセントなどがない
最初にお話ししたように、納戸というのは、「居室」の条件を満たしていないスペースです。
そのため、人がそこで過ごすことを考えてつくられていないスペースですので、コンセントなどの設置がされておらず、エアコンやテレビなどを付けることはできないことがほとんどです。
●通気性が悪い
こちらも前章でお話ししましたが、納戸には窓がない場合や小さな窓であることが多いです。
そのため、日光が当たらないことによるメリットもありますが、通気性が良くないというデメリットとなることを感じる場合もあります。
通気性の悪さから、大切にしている衣料品や本類などにカビが生える恐れもありますので、その場所の通気性を確認し、納戸に収納しても大丈夫なものかどうかを見分けることも必要になります。
納戸を有効活用するための上手な収納方法!~その1
ここからは、マンションなどにある納戸を上手く活用していくための収納方法などをご紹介していきます。
●棚を配置する
納戸にはクローゼットのようなハンガーパイプや棚が備え付けられていないことはお話ししました。
そこで、納戸を収納スペースとして有効的に使用するためには、自分で棚などを用意する必要があります。
その際に設置すると便利なのが、スチールラックや手作りの棚などです。
スチールラックや、自分で作ることのできる棚の材料は、ホームセンターなどで販売されています。
どちらも、自分の使いたい高さや幅に調整できるものや、サイズ展開も豊富です。
まずは、納戸で棚を設置するために必要なスペースの幅や高さを測ってからお店に向かいましょう。
●カゴや箱に入れてわかりやすく整理する
収納するための棚を用意したら、その棚のサイズに合わせて、カゴや箱も用意すると良いでしょう。
細かいものを種類分けして、カゴや箱に入れラベルシールなどを貼っておくと、誰が見ても何が入っているかがわかるので、おすすめです。
納戸を有効活用するための上手な収納方法!~その2
マンションなどの納戸を有効的に使うためのおすすめの収納方法は、次のようにまだいくつかあります。
●キャスター付きの収納ワゴン
先ほどは、納戸を収納スペースとして使うためには棚を用意すると良いとお話ししましたが、その他にも、キャスター付きの収納ワゴンも便利です。
普段は納戸の奥に納まっていても、必要なものを取るために、キャスターが付いていれば、ラクに手前に動かしてくることができます。
納戸の掃除をする際にも手軽に動かすことができるので、キャスター付きの収納ワゴンは大変おすすめです。
●使用頻度の高いものを置く位置を考える
納戸に収納するものは、比較的、使用頻度が低いものが多いことでしょう。
しかし、なかには、頻繁に使用するものもあるかもしれません。
そのようなものを置く場合には、納戸でも目線の高さに合う場所に置いたり、出し入れのしやすい所に置くと良いでしょう。
また、納戸を有効活用するためにも、年に一度は、収納しているものの整理をし、「もう使わないだろう」と思うものは、思いきって捨てるなどの断捨離をすることもおすすめします。
収納に使えるだけではない!納戸の活用方法
これまで、マンションなどにもある納戸での上手な収納方法をご紹介してきましたが、納戸というスペースは収納に使うだけではなく、様々な用途に使用することができます。
●子どもの遊びスペース
リビングなどの居室の一角に子どもが遊ぶためのスペースをつくっているご家庭も多いことでしょう。
しかし、急な来客などがあると、散らかっている子どもの遊びスペースを慌てて片づけなくてはならない…などといったケースもあるでしょう。
そこで、納戸を子どもの遊びスペースとすることで、リビングなどが散らかることを防ぐことができます。
ただ、親の視線が行き届かない場所に納戸がある場合もありますので、時々見に行ってあげることや子どもが遊んでいる時は、扉を開放しておくなどの配慮をすることが必要です。
●書斎などの趣味の部屋
近年では、あえて狭い部屋をつくり、書斎部屋や趣味の部屋にする家庭も増えていると言われています。
そこで、納戸をそのような書斎や趣味の部屋として活用する方法もあります。
ただし、前述したように、エアコンなどは取り付けることが難しい場合が多いので、季節によっては室温に気をつけることが必要です。
せっかく付いている納戸を上手に活用しよう!
納戸の活用方法に困っていた人も、納戸の使用方法がおわかりいただけたでしょうか。
多くの場合は、納戸を収納スペースとして使用することでしょう。
そのように収納スペースとして使うとしても、必要なものがいつでもすぐに取り出しやすいように、上手に収納をしていきましょう。
また、収納すること以外にも活用方法がありますので、楽しく暮らしていくために、自分らしい活用の仕方ができるといいですね。