アパート内の住民同士のトラブルの原因として、騒音問題が多いとされています。
ここでは、騒音となり得る生活音の種類はどれくらいあるのかについてや、建物の構造の違い、できるだけ騒音問題の少ない物件を選ぶためのポイントなどをご紹介していきます。
これからアパートの物件を探そうとしている方や、アパートに住んでいる方は、ぜひ参考になさってください。
アパートで聞こえる生活音!種類はどれくらいある?
アパートなどの共同住宅で生活しているなかで聞こえてくる生活音には、様々な種類があります。
そのなかから、おもな生活音の種類を挙げてみましょう。
【設備関係】換気扇・エアコン・お風呂・給排水
【家電や生活機器】洗濯機・掃除機・目覚まし時計・携帯電話の着信音
【音響関係】ピアノ・テレビ・ステレオ
【生活上の音】布団をたたく音・人の話声・子どもの走る音・ペットの鳴き声・アルミ缶をつぶす音・車やバイクのエンジン音
生活音には、上記のように、たくさんの種類の音があります。
特にアパートでは、隣りや上下の階の部屋からこのような音が聞こえてくる場合もあるでしょう。
そもそも、アパートでは、どうしてそのような生活音が聞こえやすいのでしょうか。
アパートは木造の場合が多いため、音が響きやすくなると言われますが、建物の構造にはどれくらいの違いがあるのかについて、次章でお話ししていきます。
アパートで音が聞こえやすい理由!構造の違いはどれくらいあるか
アパートのおもな建築構造には、木造や軽量鉄骨があり、マンションなどは、鉄筋(RC造)などが多く採用されています。
木造と鉄筋では、構造の特徴の違いがどれくらいあるのか、見ていきましょう。
【木造】
土台・柱・壁などまで、建物を支える箇所がほとんど木材でつくられています。
木材は、鉄骨などの材料に比べると、比較的費用が安くなります。
また、木のぬくもりが感じられたり、通気性がよかったりするメリットもあります。
しかし、火災や害虫被害などの影響を受けやすいことや、耐震性の面などで、鉄骨系よりも弱いというデメリットが考えられます。
そして、気密性が低いことから、音が響きやすくなってしまう構造だと言われています。
【鉄筋(RC造)】
多くが鉄筋の骨組みにコンクリートを流し固める構造です。
そのため、耐久性が高く、耐火性や耐震性に優れているとされています。
ただ、気密性が高いために、結露が発生しやすく、カビの発生につながりやすくなります。
また、建築コストがかかるため、家賃の面では、木造のアパートよりも高い設定となっていることが多いでしょう。
音の響き方については、構造により違いがありますが、隣りの部屋との壁をコンクリートで固められた建物であれば、防音性が高いことが期待できます。
音が聞こえやすいのはアパートの構造だけではない!?
前章では、アパートの構造に多いとされる木造と、マンションの構造で多い鉄筋の特徴や違いをお話ししました。
その2つの構造にはどれくらいの差があるのかについて、想像できたのではないでしょうか。
これまで、アパートでの生活音が聞こえやすいのは、木造であるためというお話をしてきましたが、音が聞こえやすいのは、構造上の理由だけではなく、他にも要因があるとされています。
音が聞こえやすい部屋には、どのような原因が考えられるのか、挙げていきます。
●部屋の間取り
自分の居室と隣りの部屋の居室が隣り合わせになっている場合、生活音は聞こえやすくなります。
部屋との間に、廊下やクローゼットなどの物入れ、トイレやお風呂などの水回り設備などがあれば、直接聞こえてくる話し声やテレビなどの音は軽減されることでしょう。
●隣りの部屋との間の壁
隣りの部屋との間の壁の厚さによっても音の伝わり方は違ってきます。
木造アパートであっても、吸音材を入れたり、石膏ボードが厚く貼ってあったりするような物件であれば、防音性は高くなると考えられます。
このように、アパートを建築した際に、どれくらい防音に対しての工夫をしているかによっても、音の伝わり方は違ってくるものです。
音で悩みたくない方へ!物件探しのポイントとは
これからアパートを探す予定のある方のなかには、生活音のトラブルで悩むことのない部屋を希望している方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために、少しでも騒音を軽減するための物件選びのポイントをご紹介します。
●角部屋や最上階を選ぶ
生活音がどれくらい聞こえる部屋かということは、実際に住んでみないとわからない部分もあるものです。
しかし、できるかぎり音の少ない部屋を選びたい場合には、角部屋や最上階の部屋を選ぶことがおすすめです。
角部屋の場合は、左右どちらかの片側にしか部屋がないため、その分、聞こえてくる生活音は軽減されることでしょう。
また、最上階の部屋であれば、上の階からの生活音や足音などの騒音に悩まされる心配はなくなります。
●壁をたたいてみる
可能であれば、部屋と部屋の間の壁をたたいてみましょう。
音の響き方や振動などから、だいたいの壁の厚さがわかるはずです。
あまりに薄そうな軽い音がするような部屋は、なるべく避けたほうがよいかもしれません。
その他、前章でお話ししたような、部屋同士の間取りについても確認するとよいでしょう。
住み始めたアパートで生活音が気になる!すぐできる対策方法
物件を探しているときにはどれくらい生活音が聞こえるかはわからず、実際にアパートに住み始めてから、隣りの部屋の音が聞こえることに気づくという場合も多いのではないでしょうか。
そのような場合に、少しでも音が聞こえてくるのを防ぐためにできることがありますので、いくつかご紹介します。
●防音シートを壁に貼る
ホームセンターやネットショップなどで販売されている「防音シート」というものがあります。
アパートに住んでいる場合は、退去時に簡単にはがせるタイプのものを使用することをおすすめします。
●防音カーテンをつける
外から聞こえる車やバイクのエンジン音が気になるという場合は、防音カーテンをつけるとよいでしょう。
●防音テープを貼る
外からの騒音対策には、窓のサッシのすき間に防音テープを貼るという方法もあります。
この場合も、はがしやすいタイプのものを使用しましょう。
上記のように、音が気になる場合の対策方法もありますが、完全に音が聞こえなくなるわけではなく、軽減されるということになります。
自分もどれくらい音を出しているかわからない!気をつけること
アパートに住んでいると、隣りや上下の部屋からの音が聞こえてきて不快に感じることもあるでしょう。
しかし、逆に考えてみると、自分が生活している音も他の部屋に聞こえているということになります。
実際に、自分もどれくらいの生活音を発しているかはわかりませんが、できるだけ音を減らせるように気をつけることも大切です。
まずは、次のような点に気をつけるとよいでしょう。
●洗濯機や掃除機を使う時間帯
比較的大きい音を発する洗濯機や掃除機を使用する時間は、気をつけたいことの1つです。
できるだけ、早朝や深夜には使用することのないよう、時間を気にして使用するようにしましょう。
●スリッパの材質
上の階に住んでいるとしたら、下の階へ足音が聞こえる可能性もあります。
なるべく足音を軽減するためには、スリッパの裏側がゴムでできているものを選ぶとよいでしょう。
●電子ピアノなど
本格的な鍵盤の電子ピアノは、ヘッドフォンをすれば音楽の音は消すことができますが、鍵盤をたたく音は意外にも下の階へ響きやすいものです。
床に防音性のあるカーペットを敷くなどの配慮をすることが必要です。
物件選びや防音のポイントをおさえて快適な生活を!
アパートで生活するなかで、どのような生活音が聞こえるのかや、その対策方法についておわかりいただけたでしょうか。
できるだけ騒音で悩まされないための物件選びのポイントや、自分も音で迷惑をかけないためのポイントをおさえておきましょう。
アパートなどの共同住宅で生活をする際には、お互いに騒音問題を起こさないように気をつけることが大切です。