家の床材を選ぶとしたら、どんな床材を選びますか?
最近では、自宅の床に「モルタル」を使用する人が増えています。
モルタル仕上げの床は、その独特な質感からおしゃれな空間を作り出すことができるため、人気です。
床材を変えるだけでも、その部屋の雰囲気はガラリと変わります。
今回は、人気上昇中の「モルタル仕上げの床」について特徴をお話しし、さらに自分でDIYする方法や注意点などをご紹介していきます。
滑らかな質感の「モルタル」を自宅の床材に選んでみよう!
リフォーム時など、床や壁などの材質はどうするか、さまざまなサンプルから選ぶでしょう。
床や壁など、選ぶ材質によって部屋の雰囲気はだいぶ変わってきます。
床材の定番といったら、木質系の床仕上げ材を張ったフローリングです。
しかし最近では、床材に「モルタル」が選ばれることも増えてきています。
モルタルとは、セメントと砂と水を混ぜてつくられる建材で、壁などによく使われています。
モルタル仕上げの床は、木材のフローリングに比べて無機質ですが、コンクリートより滑らかで温もりが感じられるのが特徴です。
モルタルには砂利が含まれていないので、コンクリートのような強度はありませんが、乾燥すると硬化し、肌触りの良い滑らかな質感に仕上がります。
インテリアを選ばずどんなテイストにも順応するモルタル仕上げの床は、部屋のコーディネートの幅も広がり、今人気の床材です。
家の床材として「モルタル」を選び、上手に取り入れてセンスある家作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
モルタルの床にしたい場合には、業者に施工してもらうだけでなく、自分でDIYで仕上げることも十分可能です。
DIY方法も意外と簡単ですので、後ほど詳しくご紹介していきます。
モルタルの床にはどんなメリット・デメリットがある?
最近は、モルタル仕上げの床が人気であることをお話ししましたが、どのような特徴があるのか、そのメリットやデメリットをさらに詳しくご紹介しましょう。
【床材がモルタルの場合のメリット】
●見た目の美しさ
前項でも挙げましたが、モルタル仕上げの床は、光沢のある滑らかな仕上がりでシンプルな美しさがあります。
●掃除がしやすい
モルタルの床は、基本的に表面に凹凸がなく滑らかなので、手入れが非常に簡単です。
また、フローリングのように水拭きやワックスがけなどの手間がなく、掃き掃除だけできれいにすることができます。
撥水加工すれば、キッチンや土間空間などにも適しています。
●床暖房に適している
モルタルは、熱を溜め込む性質を持つため、一度熱で温められるとその温かさが持続します。
そのため、床暖房との相性がよいとされています。
●DIYも可能
プロ並みの仕上がりには熟練の技が必要ですが、コツさえ押さえておけばDIYも十分可能です。
【床材がモルタルの場合のデメリット】
●物を落とすと割れやすい
木材のフローリングより仕上がりが硬いため、物を落とすと割れやすく、人が転んだ時もケガをしやすいので注意が必要です。
●冬場はヒンヤリする
モルタルは熱を溜め込む性質はありますが、断熱性が低いため、冬場は冷たくヒンヤリします。
●音がひびきやすい
モルタルは硬度が高いため、音を跳ね返しひびきやすい問題があります。
賃貸物件などには向きません。
以上のように、モルタルの床にもメリットやデメリットはありますが、これらを踏まえた上で取り入れ方を工夫し、モルタルを上手に活用してみましょう。
DIYでモルタル仕上げの床に!準備には何が必要??
モルタル仕上げの床には、いくつかデメリットもみられますが、おしゃれな空間を作り、ライフスタイルに変化をもたらすメリットもあるので、チャレンジしたい方は上手に取り入れていきましょう。
床材をモルタルに決め、実際に施工を考える段階で気になるのは、費用ではないでしょうか。
業者に依頼する場合、施工時の費用は下地や塗料の種類によって変わりますが、相場は1m²あたり約1,500~4,000円です。
価格に開きがあるのは、モルタルの施工技術に関係があります。
モルタルを塗る作業には技術が必要で、腕前によって仕上がりに大きな差が出るため、熟練工に依頼すると費用も高くなります。
また、モルタルは乾かす時間が必要なため工期が長くなることが多くその分費用も上がるのです。
費用をなるべく抑えるなら、DIYにチャレンジしてみましょう。
DIYする場合は、事前に道具と材料を揃える必要があります。
基本的な道具は以下の通りです。
・バケツ
・スコップ
・軽量カップ
・コテ
・コテ板
この他、安全対策のために「マスク」や「防水手袋」も用意しましょう。
あとは、材料となるモルタルの準備です。
次項で詳しくお話ししていきます。
DIYチャレンジ!まずはモルタルの作り方
それでは、モルタル仕上げの床をDIYするためにまず必要な「モルタルの作り方」をご紹介します。
モルタルは、市販のモルタルの粉に水を混ぜて練って作ります。
モルタルの粉は、ホームセンターやネットショップで購入でき、種類も様々なものがあります。
初心者や手軽に作業したい方には、はじめから砂とセメントが配合されている「インスタントモルタル」がおすすめです。
10kgで1,000円前後で購入できます。
インスタントモルタルでのモルタルの作り方は、以下の通りです。
●モルタルと水を6:1の割合で用意する
●水を少しずつ加えながら練る
●ダマを作らないように注意しながら、すばやく練り上げる
水を入れる際は、ゆるくなり過ぎないよう、水の入れ過ぎに注意しましょう。
また、水を混ぜてから時間を置いてしまうと固まってしまうので、すばやく練り上げましょう。
続いて、上級者向けのモルタル作りをご紹介します。
●セメントと砂を1:3の割合で用意する
●計量したセメントと砂をしっかり混ぜ合わせる
●水を少しずつ加え、使いやすい硬さ(少し硬め)に練り上げる
普通、モルタルの色は「灰色」ですが、「白セメント」と呼ばれる白色のセメントがあります。
この白セメントに色粉を混ぜれば、色の付いたモルタルを作ることもできます。
ただ、色粉の分量調整が難しいので、カラー付きのモルタル作りをチャレンジしたい場合は、はじめから色が配合されている「色モルタル」を利用してみましょう。
モルタルの塗り方と仕上げ
モルタルを練り上げ準備が整ったら、いよいよ床面に塗る作業に入ります。
コンクリート面に塗る場合は、接着を高めるため表面をきれいにし、十分に水で湿らせるか吸水調整剤を塗布してから塗っていきましょう。
木板面に塗る場合も同様に、表面をきれいにした後、ラス(金網)の設置や接着強化剤の塗布をした上に塗っていきます。
下準備を終え後、実際に塗っていきますが、どれくらいの厚さで塗っていけばよいのでしょうか。
床の仕上げとして塗る場合は、2~3cmの厚さで塗っていきます。
この場合は、一気に塗っていきましょう。
これに対して、厚く塗る場合には下塗り・中塗り・上塗りと3段階に分けて塗っていきます。
下塗りと中塗りの際は、表面にあえて凹凸をもたせ、上に塗るモルタルが接着しやすくさせましょう。
それでは、DIYの腕の見せ所である、実際の塗り方とポイントをご紹介します。
●コテ板とコテを準備
練り上げたモルタルをコテ板に適量取り、コテを使って塗っていきます。
●コテの動かし方
コテは、スムーズに動かせるように、進行方向側を少し浮かせた状態で塗っていきます。
●表面のならし
全体に塗り終えた後は、コテを浮かさずモルタル面に平行にピッタリと当てて、表面をならしていきます。
この時、コテの跡が残らないように大きな動きでコテを動かし、全体をきれいにならしましょう。
●しっかり乾かす
最後にしっかり乾かせば完成です。
モルタル仕上げの床の場合は、水に塗れると滑りやすくなるので、ノンスリップ加工をしておく必要があります。
ホームセンターやネットショップで、滑り止め塗料が販売されているので利用しましょう。
DIYでモルタル仕上げの床を作る時の注意点
これまで、DIYでモルタル仕上げの床を作る方法をご紹介してきました。
モルタルの施工は、技術によりその仕上がりの良し悪しが違ってきますが、初心者でもキッチンや窓際だけなど部分的なものであれば、DIYでも十分に仕上げられます。
ただ、施工の際に、いくつか注意が必要なのでご紹介していきましょう。
まずは、モルタルを塗る際に要する「作業時間」についてです。
モルタルは、水を加えるとだんだんと固まっていきます。
モルタルを練り上げた後は、途中で作業を中断することができません。
作ったモルタルを後日に使うこともできないので、一気に最後まで作業を進めましょう。
次に、モルタルの「乾燥時間」についてです。
モルタルは、乾燥させることで硬化します。
季節や天候によって乾燥時間は変わってきますが、十分な強度にするためには、早くても3日、かかる場合には2週間ほど時間が必要です。
その間も、足跡などを付けないように細心の注意を払いましょう。
そして意外と見落としがちですが、重要な作業に「後片付け」があります。
モルタルは、放置すると固まってしまうので、使い終わった道具はすぐに洗い流しましょう。
ただ、道具に付いたモルタルをそのまま洗い流し排水してしまうと、排水管が詰まったり、モルタルの成分によって管を傷めたりすることもあります。
洗い流す前に、道具に付着しているモルタルをできる限りこそぎ落としておきましょう。
自宅にモルタルの床を取り入れておしゃれ感をアップ!
モルタルの床は、木のフローリングに比べて硬く冷たい印象があるかもしれませんが、その独特の質感は部屋の印象を変え、おしゃれに演出してくれます。
いろいろとメリットもあるので、上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
リフォーム時など、広範囲でないものであれば、初心者でもDIYで作ることは十分可能です。
施工時のコツなど、この記事を参考に是非チャレンジしてみてくださいね。