庭の花壇の土止めや駐車場の床材としての施工など、枕木の使用方法は実に多彩です。
最近では外構屋さんに依頼せず、ご自身で行う方も増えてきました。
しかしながら、枕木の材質によっては注意しなければならないこともあります。
そんな枕木を使用するときの注意事項やおすすめの枕木、さまざまな活用方法などをお伝えします。
線路で使われていた枕木は庭や駐車場で利用できる
枕木とは本来、電車が通る線路を敷く際に、線路と地面の間を取り持つために使われていました。
というのも、鉄でできている線路は温度によって伸縮するため、余裕を持たせて地面に設置する必要があったからです。
また、衝撃を吸収することから、騒音を軽減する効果もあるとされています。
ただし木材は経年劣化するものなので、定期的に交換がなされていました。
こうして枕木としては使えなくなった木材は払い下げられて、庭などの花壇やフェンスとして再利用されるようになりました。
役目を終えた枕木は、かつて線路を支えるために野ざらし状態になっていたこともあって、独特の雰囲気を持っています。
そのナチュラルな風合いが庭などで再利用した時に生きてくるのですね。
また耐久性も高いことから、ガーデニングだけに限らず、駐車場の床材として施工されることもあります。
味気ないコンクリート敷きの駐車場とは違って風情がありますし、砂利敷きや土敷きのように経年で轍ができてしまうこともありません。
このように、幅広い用途で使われる枕木ですが、年々木製のものは減少傾向にあるそうです。
国内の鉄道では枕木のコンクリート化が進み、国産の枕木は入手が困難になりつつあります。
そこで枕木をインターネット通販などを利用して手に入れてみましょう。
購入の際には、あらかじめ要望に合わせて切断してもらえるかどうかもポイントです。
枕木はとても硬い材木であるがゆえ、切断することはもちろん、特殊なカットも難しいからです。
木製の枕木を手に入れるときは、良質な枕木を扱っていて、カットもしてもらえる店舗での購入をおすすめいたします。
庭や駐車場で使う枕木は1本1本の状態を確認しよう
庭の雰囲気を格段にアップし駐車場にも使える枕木ですが、木材なので1本1本の状態が異なります。
一番状態が良いとされる枕木は、四隅に角が残っている状態です。
角が残っていれば、状態の良い貴重な枕木といえるでしょう。
四隅が丸く、枕木全体に割れや欠けがみられる場合は、内部が腐食している可能性がありますので注意して見てください。
また、枕木は新品と中古があり、国産だけでなく海外製もあります。
なかには、内部に白アリが入っているものもあるようなので、信頼できるところで購入しましょう。
そして、枕木の素材によって、耐久年数に違いがみられるのも注目したいところです。
枕木の素材がマツだと、およそ11~12年。
ブナだと約14~25年、ニレだと約13~19年だとされています。
どんなに状態が良い枕木でも時と共に劣化しますので、耐久年数を過ぎたらメンテナンスを行う必要性があるということが分かりますね。
家庭菜園の土止めに中古の枕木をおすすめしない理由
これまでお話をしてきた木製の枕木は、数年後、または数十年後にメンテナンスが必要になります。
特に、庭や駐車場で使うとなると地面のなかに埋める必要がありますので、防腐処理をしているとはいえ雨や地面の湿気の影響を受けて腐りやすくなってしまう特徴も持ち合わせています。
一度腐ってしまった枕木は、新しい枕木に交換するしかありませんから、大変な作業ですよね。
せっかくご自身で上手く施工したとしても、外構屋さんを呼んで撤去してもらわなければならず、水の泡となってしまいかねません。
また、線路で使われていた中古の枕木は防腐処理されていますが、昔はとても強い薬剤を使用していたため、家庭菜園の土止めに使うことはおすすめいたしません。
土壌に薬剤が染み出してしまう可能性が考えられるからです。
中古の枕木を扱う際には、安全性の高いものを選びましょう。
そして、白アリに住みつかれてしますと、厄介な部分があります。
枕木自体に住み着いている分には新しいものと交換するだけで済みますが、家に白アリが飛んできてしまったらどうでしょうか。
家の柱に住みつかれてしまったら、大問題ですよね。
木製枕木には木製の良さがありますが、こうした問題を軽減できる枕木がありますので、次項でご紹介しましょう。
メンテナンスフリー?!コンクリートの枕木
木製の枕木は腐っていくリスクがあり、白アリ問題に発展すると、全てを交換する必要性が生じてきます。
そして、経年劣化とともに入れ替える必要もありますし、日々のメンテナンスも欠かせません。
また、有害となる薬品が使われている場合には家庭菜園では使えないなど、用途の制限もありましたね。
庭や駐車場で使うとなると、小さな子供やペットがいるご家庭では、心配になることもあるでしょう。
なるべく安全性の高い枕木で施工していきたいものです。
こういったことを軽減できることから、今回はコンクリート製の枕木をおすすめしたいと思います。
コンクリート製と聞くと「ひと目でまがい物だとわかってしまうのでは」と感じてしまいますが、その見た目は近くでよく見ないとわからないほどです。
有害となる薬品も使われていませんし、白アリに食べられる可能性も、木製とくらべればかなり減りますよ。
ただし、木製の枕木と比べるとかなり重たいので、購入するときは考慮してくださいね。
枕木を使った施工例をご紹介
それでは、枕木を使った施工例をご紹介します。
①花壇の土止め
枕木を横にして、庭にある花壇のまわりに水平にして置きます。
一段では土の重さに耐えられないようであれば、二段に置きましょう。
二段にするときは、大きめの釘で枕木同士を止めてください。
もう一つ、カットした枕木を縦に置いていく方法があります。
この場合、高さを綺麗に揃えず、あえてアンバランスにすることで雰囲気がでます。
②アプローチ
枕木を埋めたい深さまで掘り、砕石を入れます。
アプローチに使用する場合は土台が重要ですので、しっかりと施工していきましょう。
砕石を入れたら角材などで踏み固め、水平にしてください。
その上に枕木を置き、再度水平かどうか確認すればOKです。
玄関へのアプローチに枕木を使うことで、タイルやレンガといったものとは違う雰囲気が加わりますよ。
このほかにも、駐車場の車止めや門柱といった使い方もあります。
外構屋さんを依頼するのもいいですが、ご自身で施工するのも楽しそうですね。
駐車場の施工の場合は勾配をつけて
枕木を使った施工例の続きです。
③駐車場
重量のある車が乗るので、しっかりと施工していきます。
まずは、枕木を埋めていく穴掘りからです。
花壇の土止めやアプローチでは水平を保たなければなりませんでしたが、駐車場の場合は勾配をとる必要があります。
勾配がとれていないと雨水が溜まってしまいますので、排水経路に勾配するよう、駐車場全体をならすことからはじめましょうね。
排水経路までの勾配がとれたところで、モルタルを流し込み枕木を置いていきます。
枕木はグリーンとの相性が抜群なので、隣に庭があれば見た目のバランスもいいですよ。
もしコンクリートの駐車場を枕木に変更するときは、一旦コンクリートを解体する必要がありますので、外構屋さんに依頼しましょう。
駐車所に使う枕木が木製の場合、国産で新品かつ、防腐加工済みのものを使用しましょう。
木材にこだわりがない場合は、メンテナンスやリスクからも、コンクリート製の枕木をおすすめします。
枕木でおしゃれな外構に!
もともとは線路で使われていた枕木。
それらを再利用することはとても素敵なことです。
エコでありながら、ロマンも感じられますよね。
しかしながら、経年劣化した木製の枕木を扱うときは、注意するべきことがありました。
数年後に全て撤去とならないように、しっかりと素材を選びましょう。
また、木材ほどメンテナンスが必要なコンクリート製の枕木がおすすめです。