窓に取り付けられている面格子。
面格子があるだけで、どこか安心できるという方は多いことでしょう。
しかし、面格子のなかには外し方が簡単なものもあるため、面格子が取り付けられているからといって安心できないのです。
防犯性のある面格子とは、いったいどんなものなのでしょうか。
また、空き巣被害に遭わないための対策をお話しします。
窓に面格子があっても空き巣被害に遭う
住宅の窓に面格子が取り付けられているご家庭では、防犯性を高めるために取り付けたという方も多いかもしれません。
確かに、面格子のない窓と、取り付けられている窓を比べてみると、防犯意識の高い家であることが見て分かりますよね。
しかし、面格子にも様々な種類があり、なかには外し方が簡単なものもあるため注意しなければなりません。
面格子があるから大丈夫だと、窓を開けっぱなしにして外出していませんか?
防犯性の低い面格子だと、空き巣犯からしてみれば、窓に取り付けられた飾りでしかなくなってしまいます。
実際に、面格子の取り付けられた窓でも侵入されてしまい、空き巣被害に遭われた方もいるのです。
面格子は様々な種類があるとお話ししましたが、どのようなタイプがあるのかを見ていきましょう。
そして、その特徴や防犯性をお伝えします。
アルミ製の縦格子は外し方が簡単?!
それでは一つ一つ、タイプ別に面格子の特徴を見ていきましょう。
〇アルミ製の縦格子
値段も安いことから、比較的多くの住宅窓に取り付けられています。
アルミでできているため、雨風にさらされても錆びにくく、木製のように腐ってしまう心配もありません。
取り付け方は、出窓の方立に穴をあけて、取り付け金具をネジで固定していきます。
金具のネジ頭をまわせないように、電気ドリルで削り取るなどしますが、防犯性を高めるものであるかにおいては疑問を持つ声があるのが現状です。
住宅への侵入手口が荒くなっていることから、部分的に破壊してしまえばガラスを割って侵入できてしまうため、防犯性に欠けてしまいます。
空き巣犯からすると縦格子の外し方は簡単なのです。
窓の鍵を締めないで外出したり、窓を開けっぱなしにして寝てしまうなど、気の緩みには気を付けていきたいものです。
〇ヒシクロスの面格子
住宅における面格子は縦格子が主流でしたが、2004年以降の建物では、ヒシクロスの面格子が多く取り付けられるようになってきました。
ヒシクロスの面格子が多く取付けられるようになったのは、新築で建てる段階で、すでに標準装備として取り付けられていることも理由の一つです。
縦格子よりも防犯性がやや高くなり、格子をひし形にクロスしているため、デザイン性にも優れています。
窓の掃除が楽!エコ面格子の外し方
〇エコ面格子
ハンドルをスライドさせるとルーバーが動き、閉めたり開けたりすることができる面格子です。
防犯性は、ヒシクロスの面格子ほどだといわれていますが、完全に閉めれば外からの視線をカットできますし、角度を変えれば換気もできてしまいます。
トイレやお風呂場にある窓など、プライバシーを守りたい所に最適です。
また、窓のサッシを掃除したいときなどは、内側から簡単に取り外すこともできます。
外し方は製品によって違いがあるものの、上下にあるはずれ止めのつまみをまわし、軽く押し付けながら手前に引くと取り外すことができます。
取り付けるときは必ずはずれ止めをかけて、緩みやズレがないかを確認してください。
もしも、はずれ止めが正しくかかっていないと外れて落下してしまうため、取り外す際は十分気を付けましょう。
防犯性が高いステンレス製の面格子
〇ステンレス製の面格子
これまで、空き巣犯からすると外し方が簡単だった面格子ですが、ステンレス製の面格子は強度があるため、防犯性が高くなります。
値段も高くなりますが、窓からの侵入を妨げるものとしての役割りがあれば、納得のいく価格なのではないでしょうか。
また、空き巣犯がステンレス製の面格子を避ける理由は、強度だけではありません。
ステンレス製の面格子には、空き巣犯が嫌がるような細工も施しているため、仮に我が家が空き巣犯のターゲットになってしまったとしても、住宅への侵入を諦めるきっかけになってくれます。
警視庁が空き巣狙いの被疑者に聞き取り調査を行ったところ、興味深いデータがありました。
それは、侵入に5分以上時間がかかると判断すれば約7割が侵入をあきらめ、10分かかれば9割以上諦めるというものです。
みなさんの家に取り付けられている面格子は、どのタイプでしたでしょうか。
面格子に防犯性を求めるのであれば、空き巣犯が嫌がるような面格子にするもの、一つの方法かもしれません。
外し方が簡単な面格子では困る!CPマークのある製品を選ぼう
大きく分けて、4つのタイプの面格子を、特徴と防犯性についてお話ししてきました。
なかには、防犯目的で窓に取り付けたものの、あまり意味を持たない面格子を取り付けていたご家庭もいらっしゃることでしょう。
それならば、防犯性の高い面格子に変更したいと思うのが自然な流れですが、たくさんの製品があるなかから、何を基準にして選べばいいか、分からないですよね。
一つのポイントとしては、先ほど、5分以上侵入に時間がかかると約7割が諦めるといったデータがありました。
実は、建物に侵入するために5分以上時間がかかる製品であるかを確認できる目安があります。
その目安とは、「CPマーク」があるかどうかです。
CPマークは、警察庁・国土交通省・経済産業省と民間関係団体で構成される官民合同会議が行う厳しい試験をパスした、防犯建物部品に与えられます。
外し方が簡単な面格子では心配という方は、こちらのマークがある製品を探してみてください。
窓の面格子だけじゃない!犯行を諦める要素
面格子のほかにも、空き巣犯が犯行を諦める要素があります。
それはいったい、どんなことなのでしょうか。
一番諦めやすいとされているのは、まわりからの視線や声掛けです。
周囲からの見通しが悪く、人の目が届きにくい窓などは侵入口になってしまいます。
例えば、ブロック塀に囲まれている場所や、樹木が繁茂している住宅です。
こういった場所の窓には面格子が有効ですが、外し方が簡単なものであっては目を付けられて、すぐに破られてしまいます。
防犯性が高いとされる、CPマークのある面格子で対策していきましょう。
また、窓に補助錠を取り付けたり、窓をペアガラスにするなども効果的です。
戸建て住宅の侵入手段は、約7割は窓ガラス破りとのデータもあるため、窓への対策を万全にしていきましょう。
空き巣犯から見ても、防犯意識の高い家であることを知らしめることがポイントになってきます。
そして、ご近所とのコミュニケーションが最大の防犯効果をもたらします。
あいさつなどで声を掛け合い、空き巣犯が嫌がるような環境を地域で作っていきましょう。
空き巣犯が嫌がる対策を!
窓に取り付ける面格子が飾りにならないためにも、防犯性能の高い製品を選びましょう。
空き巣犯は、防犯意識の高い家への侵入を躊躇する傾向にあります。
窓からの侵入を許さないためにも、面格子のほかに、補助錠などを取り付けて対策してみてください。
目を付けられないための工夫をしていきましょう。