近年、中古マンションのリフォーム・リノベーションをする方が増えています。
自分の思い通りにアレンジした住まいが完成したら、きっと素晴らしい満足感を得られるはずです。
しかしながら、知っておきたいルールや制約があることも、把握しておいたほうがいいでしょう。
この記事では、マンションリフォームにおいての、ポイントや
注意点をお伝えしていきます。
後悔してしまう前に、ぜひとも目を通しておいてください。
後悔したくない中古マンションリフォーム!専有部分・共用部分とは?
リフォーム・リノベーション人気は、年々高まっている印象です。
中古マンションを安い価格で購入し、大規模な修繕工事をするケースも目立ちますよね。
しかし、分譲マンションなどの集合住宅は一戸建てとは違い、さまざまな制約があることをご存知でしょうか?
のちのち後悔しないために知っておきたいのは、マンションには「リフォームの対象から外れる部分」があるということです。
基本的には、「専有部分」はリフォーム可能で、「共用部分」はリフォーム不可能になっています。
それぞれの範囲を、以下にまとめてみました。
●専有部分:マンションの住戸部分
居住するための部分、独立した各室は、専有部分と言います。
部屋の内装(壁紙)や扉などは、所有者が自由に変えることができます。
●共用部分:マンションの専有部分以外
専有部分以外は、共用部分ということになります。
マンション敷地内のエントランスやエレベーターだけでなく、建物の構造部分もこれに分類されます。
共用部分についてもっと掘り下げてみよう!
マンションには、リフォームの対象から外れる範囲があることが分かりました。
たとえ中古マンションでも、その制約に変わりはありません。
専有部分はリフォーム可能で、共用部分はリフォーム不可能ということですが、共用部分の範囲は意外と広いので、リフォーム時に悩んでしまうこともあるかもしれません。
ここで、共用部分について少し掘り下げてみましょう。
【マンション敷地内の共用部分】
例:エントランス、エレベーター、外階段、駐車場、自転車置き場、ゴミ置き場など
【マンション建物内の共用部分】
例:窓ガラス、バルコニー、玄関扉、インターホン、配管など
マンション敷地内の共用部分は、区分所有者全員で利用することが明確なので理解しやすいですが、窓ガラスやバルコニー、玄関扉などは見落とされがちでしょう。
窓やバルコニーは、その所有者しか使わないので、専有部分と勘違いしている人が多いと言います。
また、躯体部分の壁や天井、床なども、共用部分となります。
躯体(くたい)とは、建築物の構造体を指します。
つまり、建物を支えていない室内側の壁は専有部分、建物を支えている構造の一部で、普段目にすることのない壁なら共用部分になるということです。
内装リフォームは自由ですが、躯体にまで手を加えることはできません。
後悔しないためにも、覚えておきましょう。
中古マンションの管理規約をチェック!床リフォームには要注意?
続いて、気をつけていただきたいのは、「床リフォーム」です。
管理規約にて、床のリフォーム自体を禁止しているマンションは少なくありません。
そうなると、カーペット床をフローリング床へと変更するリフォームなども、当然できなくなります。
そして、もし床のリフォームが可能であったとしても、一定の「防音基準レベル」を設けていることがほとんどです。
それはなぜかと言えば、マンションはいくつもの住戸が集まった、集合住宅だからでしょう。
ほかの住人の暮らしやすさも、守っていく必要があるからです。
また、床のリフォーム工事では、とても大きな音が出ますから、そういった部分への配慮も忘れてはなりません。
中古マンションを購入してから、「希望通りのリフォームができなかった…」という後悔をしないためにも、必ず管理規約の内容は確認しておきましょう。
後悔しない!キッチンのリフォームポイント・注意点
中古マンションなら、キッチンやトイレ、バスルームなどの「水回りリフォーム」をしたくなるはずです。
水回りの設備を新しくするだけでも、かなり雰囲気が変わります。
それではまず、キッチンのリフォームポイントと注意点を見ていきましょう。
●種類やグレードによって費用に差が出る
キッチンのタイプによって、製品そのものの費用が異なります。
安い順番から並べると、「I型キッチン→L型キッチン→対面型キッチン」という結果になりますので、参考にしてみてください。
また、ハイグレードなものになれば、同じタイプでも数十万もの価格差があります。
●排水管や排気ダクトの位置は変えられないことがある
マンションの構造によっては、排水管や排気ダクトの位置が自由に変えられないこともあるので、後悔する前に覚えておきましょう。
実現可能な範囲でのリフォームになりますから、専門知識のある担当者とよく話し合って決めてください。
●IHヒーターに変更できないことがある
築年数の古い中古マンションで注意していただきたいのは、電気供給量です。
建物全体の電気供給量が制限されていると、IHヒーターが設置できない可能性が出てきます。
中古マンションのトイレリフォーム!後悔しないためのポイントは?
キッチンに続いては、トイレのリフォームポイントをご紹介します。
後悔しないために押さえておきたいのは、以下の項目です。
●便器の排水方法を確認する
便器の排水方法は主に二種類で、「床排水」と「壁排水」があります。
マンションは床排水であることがほとんどですが、まれに壁排水を採用していることもありますので、事前に確認しておきましょう。
床排水の場合なら、排水管は見えない仕組みになっています。
便器を交換するときには、同一タイプのものを選ぶようにしてください。
●タンクレスタイプに変更できないことがある
スッキリとした見た目で、近年人気のタンクレスタイプですが、給水圧力が低いと設置できないことがあります。
中古マンションだと対応していないかもしれないので、注意してください。
●トイレ内にコンセントはあるか
古いマンションでは、トイレ内にコンセントがないことも考えられます。
そのままでは、新しい便器に交換してもウォシュレット機能が使えないので、別途で電気工事が必要になるでしょう。
マンションのバスルームリフォームは可能?
最後に、マンションのバスルームリフォームを取り上げます。
水回りリフォームの中でも、バスルームの工事は大規模なものになりますから、必ず事前に管理規約を確認しておきましょう。
築年数の古い中古マンションでは、移動工事は不可能になっていることも多いです。
後悔しないように、計画を立てていくことが大事ですね。
それでは、リフォーム時の注意点をお伝えします。
●ジャグジー風呂は設置できないことがある
ジャグジー風呂は振動してしまうので、騒音トラブルへとつながってしまう可能性があります。
そういったことから、ジャグジー風呂を許可していないマンションもあるのです。
●排水管の状態を確認しておく
マンション内の排水管が劣化していると、大規模な修繕工事を行なうことになります。
もしリフォーム後に工事が行われることになれば、新しいバスルームを取り壊す可能性も出てくるのです。
そうならないためにも、排水管の状態や修繕工事のタイミングは意識しておきましょう。
マンションリフォームは制約を守ることが大切!
一戸建てとは違い、マンションのリフォームにはさまざまな制約があります。
理想的なリフォームを実現させるためには、管理規約の内容をきちんと把握しておく必要があるでしょう。
リフォーム計画をお持ちの方は、自分に合ったマンション探しからはじめてみてください。
この記事が参考となれば幸いです。