家を新築するとなれば必要になるのが不動産登記で、マイホーム購入をした際は必ず行わなければなりません。
多くの場合、司法書士や土地家屋鑑定士などの専門家が代理で行ってくれるのものではありますが、自分でもできるのでしょうか。
また、それに伴う費用はどのくらいかかるのかも気になるところですね。
今回は、家を新築した際に必要な登記の種類や、専門家に依頼した際の大まかな費用と登録免許税についてもお話しします。
費用について知る前に!登記を知ろう!
登記をする際にかかる費用や自分でできるのかどうかについてお話しする前に、先に登記について知っておきましょう。
登記は、会社・遺産・不動産などの権利関係を社会に公示するために行われるものです。
登記は法務局で行われ、登記官がしてくれます。
家を新築した際に必要な登記は不動産登記になり、建てるところの土地は元から所有していたものであるか、ローンを組むかどうかなどによって、必要な種類の登記も変わります。
必要な不動産登記を行うことによって、その土地や建物が誰のものであるのかを明らかにし、第三者に対して所有権を主張できます。
それだけでなく、金融機関から借入をしてローンを組んでいる場合なども、土地や建物を担保にするという内容の登記をします。
家を新築する!必要な登記はどんなもの?
不動産登記は建物や土地に関する一定の事項を広い範囲で公にするもので、登記事項証明書に記録されています。
登記事項証明書に記載された内容は、どんな方でも閲覧できるようになっています。
家を新築した場合に必要な登記は以下のものですが、これは第三者に所有権があり、境界線が明らかになっている土地を購入したものとなります。
また、その土地に戸建を新築し、ローンを組んで購入した際の内容となっています。
・表題登記
建物についてまだ一切登記がされていない状態なので、表題部に住所・地番・家屋番号・種類・構造などを登記するものです。
・所有権移転登記
所有権が第三者にある土地を購入する際、その所有権を移転する登記になります。
・抵当権設定登記
建物や土地を購入する際にローンを組む場合は銀行で借入をしますが、それを返せなくなった際に土地と建物を担保にするという登記です。
・所有権保存登記
建物はどんなものであり、所有者は誰なのかを示すための登記です。
このように、登記はいくつかありますが、多くの方が自分で行わず専門家に費用を払って行ってもらっているといいます。
専門家に依頼するときの費用は?自分で登記したとしてもかかる費用がある!
登記をする際に、自分ではなく専門家に頼むと費用はどのくらいかかるのでしょうか。
今回は、表題登記・所有権移転登記・抵当権設定登記・所有権保存登記の4つに絞り、大まかに見ていきましょう。
・表示登記 おおよそ9万円
・所有権移転登記 おおよそ5万円
・抵当権設定登記 おおよそ4万円
・所有権保存登記 おおよそ3万円
専門家にお願いする際の費用はあくまで目安となっているので、これよりも安い場合もありますし、もちろん高い場合もあります。
これだけでなく、登記をする際は別に登録免許税も必要になり、これは自分で行った場合でも必要になりますが、登記の種類によってはかかりません。
軽減以外の登録免許税は、以下の計算で求めることができます。
・表題登記 かからない
・所有権移転登記 固定資産評価額×2%
・抵当権設定登記 借入した額×0.4%
・所有権保存登記 固定資産評価額×0.4%
それ以外の登記はどんなものがある?
上記であげた登記はごく一部のものですが、他にも数種類の登記があり、必要な場合は行わなければなりません。
どういったものがあるのか、登記の意味も併せてお伝えします。
【土地分筆登記】
土地の個数を数えるときは「一筆」「二筆」という単位であり、分筆というと「土地を分ける」ということになります。
土地の外見が一筆に見えたとしても、登記されている内容を確認してみると複数の土地で成り立っている場合もあります。
1つの大きな土地を複数人で分けて遺産相続する場合にもされる登記です。
【土地合筆登記】
分筆とは反対のことで、隣接している土地を一筆の土地に法的に一緒にすることをいいます。
隣接した複数の土地の登記記録を見たいときには一筆ずつの手数料を支払わなければなりませんが、複数の土地がひとまとめになっていれば手数料も一筆分で済みます。
ただし、複数の土地を土地合筆登記する際には一定の条件が必要になります。
【土地地目変更登記】
地目(ちもく)とは、土地の種類のことをいいます。
土地の種類というと、宅地・畑・山林・墓地・公園などおおよそ20種類程ありますが「山林から宅地にしたい」など土地の種類を変更したいときにも登記をする必要があります。
【建物滅失登記】
建物が焼けてなくなってしまったときや、取り壊したときに行う登記です。
地域によっては、滅失した建物の登記を管轄している法務局で行われていることもあるので、必要な方は確認してみるといいでしょう。
【抵当権抹消登記】
ローンを完済し終わった方や、ローンは残っているけれど持っている不動産自体を売却する際は抵当権抹消登記が必要です。
これらの登録免許税は、以下のようになります。
【土地分筆登記】土地を分筆した数×1,000円
【土地合筆登記】合筆したあとの土地の個数×1,000円
【土地地目変更登記】かからない
【建物滅失登記】かからない
【抵当権抹消登記】抵当権を抹消する不動産の数×1,000円
これまで不動産登記の種類・費用についてお話ししましたが、自分で登記を行うことは可能なのでしょうか。
登記の費用を抑えたい!自分で登記してもいい?
専門家に登記を依頼した際にかかる費用や登録免許税などについてお話ししましたが、自分で登記はできるものなのかというと、できないケースもあります。
例えば、家を新築した際のメーカーとの契約書に「登記を行うのは、メーカーや銀行指定の司法書士と土地家屋鑑定士に限る」というような内容があれば、自分で行うのは難しいでしょう。
そういった縛りがなかった場合は自分で登記をすることは可能ですが、抵当権設定登記は金融機関側は嫌がることも多いといいます。
それもそのはず、ローンを組んだとすればそれにかかわることになるので、失敗があってはなりません。
例えば、金融機関側からすると「書類をなくされてしまったら」「内容に間違いはないか」などのリスクがあるため、プロである専門家に行ってもらいたいものなのです。
そのため、自分で抵当権設定登記をすることはあまりなく、メーカーやローンを組んだ金融機関が指定した司法書士や土地家屋鑑定士が行うケースが多いのが現状です。
ローンが絡まない登記は自分でできることも?!
先ほど、抵当権設定登記は金融機関側にリスクが伴うため自分で行うことは稀であり、難しいとお話ししました。
しかし、自分でできる不動産登記もあります。
例えば、過去に現金一括で購入した土地にある建物を一度取り壊して、その場所へ新たに建物を現金一括で購入するときです。
この場合に必要な登記は、建物を取り壊すときの「建物滅失登記」、新たに建物について記録する「表題登記」と、その建物の所有者を示す「所有権保存登記」の3つです。
上記のような場合は、ローンを組んでいないので抵当権はかかわっていません。
そして、メーカーとの契約に「メーカーが指定した司法書士や土地家屋鑑定士に一任する」というような契約を結んでいなければ、自分で登記することも可能でしょう。
「少しでも登記にかかる費用を節約したい」という方は、可能である場合は自分で登記をしてみてはいかがでしょうか。
登記は自分でできるものもある!
登記は自分でもできるものもあれば、抵当権が絡んでいるものでは司法書士や土地家屋鑑定士などの専門家でないと許可できないものもあります。
専門家に依頼する場合は、金額はバラバラですが平均として今回お伝えした程だといわれているので、参考にしてみてください。
自分で行う場合でも、登記の種類によっては登録免許税がかかるものもあるので、下調べしておくと安心でしょう。