一般的に、木造住宅に住んでいるなら、冬の寒さ対策は欠かせないと言われています。
それには、木造ならではの理由が隠れていますので、ぜひ学んでおきましょう。
そして、木造住宅におすすめの防寒対策についても、詳しくお伝えします。
寒い室内を快適にするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
なお、DIYやリフォームに関する記述がありますので、「持ち家」を前提としてお話ししていきます。
木造住宅のメリット・デメリット!寒いと感じる理由は?
はじめに、木造住宅のメリットとデメリットについて考えてみます。
日本人にとって、木材を使用した住宅構造は、非常に馴染み深いものですよね。
建築費用が安く済むこと、そしてなによりも、木材特有のあたたかみがあるので、安心感を得られるという方は多いでしょう。
しかし、耐久性や耐火性の低さ、害虫被害や自然災害などによる脆さも指摘されます。
それに加え、隙間ができやすいというのもデメリットの一つです。
木造住宅は、コンクリート造住宅に比べると、気密性に欠けてしまいます。
室内の空気流通が少なければ、そのぶん底冷えしにくく保温性は高まるはずです。
それでは、なぜ木造だと気密性が低いのでしょうか。
その理由として、木材が変形(収縮)しやすいことにあると言われています。
変形しやすいということは、ゆがみができやすくなり、そこから隙間が生まれることにつながります。
近年は、断熱性や気密性に配慮した家づくりが進んでいますが、古い木造住宅には「冬になると寒い」というイメージがあるものです。
では実際に、どのような寒さ対策をすべきなのでしょう。
次項より、詳しくお伝えします。
寒い木造住宅には「隙間テープ」対策がおすすめ!
それではここから、木造住宅の寒さ対策についてお話ししていきます。
前述したように、木造住宅は隙間ができやすいと言われていますので、隙間風対策から始めてみてください。
まずは、どこから隙間風が入ってくるのか、自分で調査してみましょう。
調べていくときには、火のついたロウソクを用意します。
持ち歩くので、できれば台座のようなものにセットしておいてください。
ロウソクの代用品としては、煙の出ている線香でも構いません。
どちらか一つを用意していただき、隙間風が吹きそうな場所へ持っていきます。
その場所で、炎や煙がゆらぐようなら、隙間風が発生していると判断できるはずです。
このように、隙間風の発生している場所を見つけることができたら、次のステップへと移ります。
隙間のある場所には、隙間テープを使用してみましょう。
隙間テープは、ホームセンターや100円均一ショップなどで販売されています。
スポンジ面の裏側は粘着テープ(両面テープ)仕様になっており、粘着保護シールをはがすことで、好きな場所に貼ることができるというアイテムです。
寒い隙間風対策として効果的なので、ぜひとも取り入れてみてください。
隙間テープ対策のポイントを伝授!
前項では、木造住宅の寒い隙間風対策として、隙間テープをおすすめしました。
ただし、隙間テープにはさまざまな種類があるので、適したものを選びましょう。
購入前は、太さや長さ、厚みに問題がないか確かめます。
素材においても、スポンジ状のものだけに限りませんから、じっくりと選んでみてください。
また、「窓」や「扉」といった場所ごとに、専用商品があります。
もし迷ったときには、そのような商品を購入してみてください。
使用時のポイントとしては、隙間テープを貼っていく前に、必ず設置場所を掃除しておくことです。
ホコリやゴミなどの汚れがついたままになっていると、隙間テープの粘着力が弱まってしまいます。
すると、本来の効果が発揮できなくなったり、すぐに剥がれてきてしまったりと、二度手間になりますから、そうならないためにも、汚れや水分はきちんと拭き取っておきましょう。
また、設置面が凸凹していると、隙間テープもはがれやすくなってしまいます。
そういった場所に使用するケースでは、なるべく粘着力の高いものを用意しておくのがおすすめです。
隙間風を防ぐだけでも、かなりの寒さ対策になるはずです。
寒い木造住宅には「保温性の高いカーテン」も!
寒い木造住宅の防寒対策として、隙間テープをご紹介しました。
それでもまだ効果が薄いと感じられる方は、保温性の高いカーテンを取り入れてみましょう。
あたたかかい空気は、窓から逃げてしまう割合が高いとされているため、カーテンにも一工夫します。
メーカーによっては、保温性の高さを売りにしているカーテンを販売しています。
そういったカーテンを選ぶと手っ取り早く対策できますが、ほかにもアイデアがあるので参考にしてみてください。
●裏地カーテンをつける
後づけ用の裏地ライナーは、各メーカーが取り扱っています。
薄い生地のカーテンには、裏地をつけて対策してみましょう。
●あえて長さのあるカーテンを選ぶ
床についてしまうほど長いカーテンにすることで、冷気が入り込むのを防ぐことができます。
掃き出し窓だけでなく、腰窓にもおすすめの方法ですが、インテリア性には少し欠けてしまうかもしれません。
●カーテンボックスをつける
カーテンレールの目隠しとして利用されているカーテンボックスですが、外気の流入を防ぐことも期待できます。
寒さ対策!暖房の使い方を見直してみよう
寒い冬は、暖房の使い方にも注目すべきです。
暖房器具の特徴を把握して、使い方や配置場所に気をつけてみてください。
木造住宅を効率的にあたためる方法は、以下の通りです。
【エアコン+窓の断熱シート】
まず、窓ガラスには、断熱シートを貼りつけます。
そうすることで、室内の保温性が上がるだけでなく、結露対策にもつながるはずです。
【エアコン+サーキュレーター】
サーキュレーターで空気の循環率を高めていく方法です。
あたたかい空気は上のほうに溜まりやすいので、エアコンだけでは寒いと感じるなら、サーキュレーターも併用していきましょう。
【ファンヒーター:窓に背を向けて使う】
窓に向けて配置すると、せっかくあたためた空気を冷やすことになります。
ファンヒーターから出る温風を効率的に循環させるため、窓に背を向けて配置しましょう。
【対流型ストーブ:部屋の中心で使う】
対流型ストーブは、ストーブ全体に熱が伝わる仕組みとなっているので、部屋の中心に置くのがベストです。
木造住宅の窓事情!二重窓リフォームについて
これまで、木造住宅の防寒対策についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
隙間を埋めること、保温性の高いカーテンをつけること、暖房の使い方などについてご紹介しました。
上記で挙げた対策なら、比較的簡単に実行できますが、より本格的な防寒対策をしたい方は、窓のリフォームを検討してみてください。
「二重窓」にリフォームすると、断熱性の向上が見込めます。
二重窓はその名の通り、二重構造になっていますから、寒い外気の影響は受けにくくなると言います。
さらに、騒音対策や防犯対策にもなるので、そのメリットは大きいです。
しかしながら、設置費用がやや高額なこと、換気や掃除がしにくくなるなどのデメリットもあるので、そういったことを踏まえたうえで判断してください。
設置費用は、使用ガラスの種類、窓の大きさ、構造などによって左右されます。
寒い木造住宅にはさまざまな対策を!
築年数の古い木造住宅は、隙間風が入りやすいうえに、窓の断熱性が低いことも多いです。
そのため、効果的な寒さ対策を行なっていきましょう。
隙間テープは手に入りやすく、簡単に貼ることができるのでおすすめです。
そのほかに、カーテンや暖房、二重窓にするといった対策方法もあるので、ご自宅の環境に合わせて選んでみてください。