木造と鉄骨の見分け方は壁と屋根を見よう!建物の構造は?

家は木造と鉄骨造の構造に分かれるということをご存知の方も多いでしょう。

しかし、構造は建物のなかのことなので、見た目だけでは判断が難しいというイメージがあるかと思います。

そこで今回は、建物の構造についてと鉄骨造と木造の見分け方、リノベーションやリフォームのしやすさについてもお話しします。

マイホームを購入する際の知識としてお読みいただければと思います。

見分け方を知る前に建物の構造を知ろう!鉄筋や鉄骨について

木造と鉄骨の見分け方を知る前に、建物がどんなもので作られているのかについてお話ししますが、構造はいくつかあるので、そのなかの7つについてお話しします。

●鉄筋コンクリート造

RC造といわれる、鉄筋コンクリート造は鉄筋とコンクリートを組み合わせたもので、マンションなどなどの建築に用いられます。

直径数センチの鉄の棒を複数使って、柱や壁の形を作り、そこにコンクリートを流し込むという構造が多いです。

使用されるコンクリートは、押される力に耐える強さはあるものの、引っ張られる力には弱いという特性がありますが、それを補うために鉄筋が使われます。

●鉄骨造

S造といわれるもので、鉄製や鋼製のH型やI形の部材を用いて建築されるものです。

鉄骨には軽量鉄骨と重量鉄骨があり、その違いは使用する板の厚みで、板の厚さが4.5mm以下になると軽量鉄骨、6.0mm以上から重量鉄骨となり、それぞれ耐久性も違います。

重量鉄骨の場合は、板の厚さが6.0mm以上になるためその分大きな力に耐えることができるので、軽量鉄骨に比べると耐震性は勝るといいます。

●鉄筋鉄骨コンクリート

SRC造ともいい、鉄筋コンクリート造と鉄骨を組み合わせたものです。

SRC造の柱で例えるとすれば、柱の中心部分にH型やI形の鉄骨が入れられ、その周りを鉄筋で包みコンクリートを流し込んだものをいいます。

先述した鉄筋コンクリート造や鉄骨造が組み合わさったもので、最も耐震性が高いといわれています。

木造と鉄筋コンクリート造に似た珍しい構造についても知ろう!

他にも木造とコンクリート充填菅構造とアルミ造というものもあるので、こちらについてもお話しします。

●木造

日本の戸建ての9割が木造であるといわれているように、とても馴染みのある構造です。

ひとくちに「木造」といっても、工法はいくつかの種類があり「木造軸組工法」という従来の方法や「ツーバイフォー工法」などもあります。

「木造軸組工法は設計の自由度が高い」「ツーバイフォー工法は工期が短く済む」など、工法によってメリットがあります。

●コンクリート充填菅構造

CFT造ともいい、これは住宅の建築ではあまりない造りでありますが、鋼の菅のなかにコンクリートを流し込むというもので、しなやかでありつつ強さもある材料です。

鉄筋コンクリート造に似ていますが、鋼の菅の中にコンクリートを流し込むという点が異なります。

●アルミ造

こちらも珍しい構造でありますが、近年、徐々に増えつつあるといいます。

地震で揺れる力は建物の重量にも左右されるといえますが、アルミを使って造ることでできるだけ建物を軽くすることができるといいます。

このように、構造は複数ありますが、次項からは鉄骨造と木造の見分け方についてお話しします。

木造住宅の見分け方は簡単!最初に見るべきは屋根

これまで、構造についてお話ししましたが、ここからは木造と鉄骨造の戸建ての見分け方についてお話しします。

最初に、木造からお伝えしていきましょう。

構造が木造であるかどうかを判断しやすい部分は屋根で、屋根が三角の形をしている場合の90%は木造だといいます。

しかし、建物によってデザインが異なることを考えると、屋根に勾配がなくフラットになっているから「木造ではない」ともいい切れません。

また、木造のなかには木造軸組工法とツーバイフォー工法の2種類の工法があります。

木造軸組工法とツーバイフォー工法の違いは、木造軸組工法はデザインの自由度が高い傾向にあります。

一方、ツーバイフォー工法は面と面を貼り合わせる「壁構造」であるため、1階の壁の対し垂直に2階の壁が乗るようなイメージになるので、四角い印象の家になる傾向にあるといわれています。

ツーバイフォー工法でも一定のルールに沿っていれば、自由に設計も可能であるともいわれているので、どちらの工法であるかを見た目で判断することは難しいといえます。

鉄骨造の見分け方は外壁をチェック!

木造の住宅の見分け方は屋根を見ると大体分かりますが、鉄骨造の場合も外観に特徴はあるのでしょうか。

実は、木造と鉄骨造を比較すると外観に大きな違いはありません。

1つ挙げるとすれば、鉄骨自体が地震による揺れを前提としたものであるため、それに合った外壁に限定されてしまうといわれているので、壁を見ると分かることもあります。

例えば、乾式工法であるサイディングやALC壁などが中心となっているケースが多いので、木造か鉄骨造であるかの判断材料となりますね。

外壁のデザインはさまざまなので一概にはいえませんが、ALC壁はつなぎ目が多いので、幅60cm程の間隔で壁が貼られていたら鉄骨造である可能性が高くなります。

また、構造が強いため、屋上に広いスペースを設け有効活用することもできるので、屋根が平たい「陸屋根」のデザインの場合も鉄骨造である可能性を高めます。

造りによってリノベーションやリフォームのしやすさも違う?鉄骨造の場合

これまで、構造の種類や木造と鉄骨造の見分け方に関してお話ししましたが、住宅を建てるとなったときは、リフォームやリノベーションがしやすいかどうかも大切です。

鉄骨造の場合、メーカーによっては筋交いを入れて強度を保つような工法をすることもあります。

この筋交いがあることによって「間取りを変更したい」となったときに大きな制限となることもあります。

そのような制限が多ければ「リフォームやリノベーションをする」となったときの費用が、建物の建て替えと同じくらいかかってしまうというケースもあるといいます。

鉄骨造は魅力もありますが、メーカーごとに工法が異なるので、過去にリフォームやリノベーションをした実績があるというところで検討されるのもいいかもしれません。

木造でもツーバイフォー工法はリノベーションやリフォームがしにくい?!

木造でもツーバイフォー工法はリノベーションやリフォームがしにくいともいわれていますが、その理由は、ツーバイフォー工法のリノベーションやリフォームできる会社が少ないためです。

先にもお話ししたように、住宅の約90%は木造軸組工法であり、ツーバイフォー工法は北欧から来た工法で日本では比較的新しいです。

そうなると、ツーバイフォー工法のルールなどに精通していなければ、リフォームやリノベーションをすることは難しいといえます。

しかし、各メーカーで設けられているツーバイフォー工法のルールを理解さえしていれば、壁を取り除いてリビングダイニングを広く作ったり、部屋を増やしたりすることも可能です。

住宅の購入を考えるのにあたって、ツーバイフォー工法を検討されている方は、リフォームやリノベーションは行うことができるかを確認しておくとよいでしょう。

鉄骨造や木造の見分け方の判断材料はいくつかあり、鉄骨造の場合は外壁に制限があったので、マイホームを建てるときの知識として覚えておきましょう。

また、それ以外にも、工法や構造によってはリノベーションやリフォームがしにくくなる可能性があることも踏まえておくといいですね。

構造を知ってからマイホームを建てよう

家を新築するとき、鉄骨造と木造どちらにしようか悩んでいる方もいるかもしれませんが、どちらにもよいところがあります。

鉄骨造と木造の見分け方もお伝えしたので、参考にしていただくのもよいでしょう。

また、建てる時はリノベーションやリフォームをするかもしれないことを視野に入れてみてはいかがでしょうか。