木造の家を建てるには外壁も重要!種類や厚さによっての違い

これから木造などの家を建てることを検討している方は、様々な設備などを決める必要があり、忙しいことでしょう。

決めることの1つとして「外壁」がありますが、選ぶことに疲れてきた頃に外壁を選ぶ場合でも、外壁材やその厚さなどについて、しっかりと考えてから決めることが大切です。

ここでは、その外壁材の特徴についてのお話や、厚さによって違ってくることについてご紹介します。

ぜひ、家づくりの参考になさってください。

木造住宅や様々な建物には外壁が必要!その役割とは?

木造住宅をはじめ、様々な建物には、外壁が施されています。

まずは改めて、その外壁の役割について見ていきましょう。

外壁には、どのような役割があるのかと言うと、次のようなことが挙げられます。

●外観を美しく見せる

外壁は、屋根以外の表面積をほぼ覆うくらいの広さを占める箇所ですので、建物のなかでも最も視線がいくところでしょう。

そのため、見た目の美しさはとても重要なポイントとなります。

●建物自体を保護する

・防水、防風

住宅などの建物は、どうしても雨や風にさらされるものです。

外壁から雨もりがあったり、すき間風が入ったりしないような、外壁材の使用や施工をする必要があります。

・耐火

外壁は、火災などからの安全を守るためにも重要な役割を果たしています。

万が一の火災時には、火が周囲に燃え移る恐れがあるため、それを防ぐための防火性も備える外壁が理想的です。

・耐震

耐震性は、住宅や建物の構造次第だと思われるかもしれませんが、外壁にも必要なことです。

地震により変形や崩れ落ちることのないような頑丈な外壁にしたいものです。

●室内環境を快適に保つ

・断熱

断熱性が高く厚さもある外壁材を使用することで、室内の温度を快適に保つことになり、冷暖房の効率もよくすることにつながります。

・遮音

外壁によって外からの騒音の入り方や、中からの音もれの具合に影響してきます。

静かに暮らしたい場合は、遮音性を高めることをおすすめします。

木造住宅などを彩る外壁材!その種類や特徴をご紹介

木造住宅などの建物の外観に重要な外壁ですが、外壁に使用される外壁材にも様々な種類があります。

この章では、その種類や特徴をご紹介します。

●サイディング

近年、外壁として多く使用されている外壁材です。

サイディングのなかにも次のような種類があります。

・窯業系サイディング
・金属サイディング
・木製サイディング
・樹脂サイディング

サイディングは、デザイン性や施工性が良く、タイルの外壁よりも価格を抑えることができるため、多く使われています。

このなかの窯業系サイディングについてを、次章から詳しくお話ししていきます。

●モルタル

近年のようにサイディングが多く使われる前は、このモルタルが主流となっていました。

モルタルの材質としては、水・砂・セメントを調合したものです。

網状になっている金物の上から左官で塗り、その上から塗装して仕上げる流れとなります。

●ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)

ALCは、一般的には軽量気泡コンクリートと呼ばれるものです。

珪石・セメント・生石灰が主原料となっていて、鉄筋やメッシュが組みこまれたパネルに塗装をして仕上げる流れです。

パネルの厚さは、おもに、木造用では35mmまたは37mm、鉄骨造用は50mmのものが使用されています。

木造住宅の外壁で多い窯業系サイディング!厚さの種類もある?

日本の木造住宅のなかでも、7割を占める外壁材が「窯業系サイディング」だと言われています。

その窯業系サイディングについてご紹介します。

窯業系サイディングは、セメント系と木質系の原料を板状にした外壁材です。

セメント系には強度があり、木材は断熱性に優れています。

その2つをあわせたものですので、窯業系サイディングは、強度がありつつ断熱性もあるということが言えるでしょう。

さらに、その特徴として、メリットとデメリットを挙げていきます。

●窯業系サイディングのメリット

・耐久性や耐震性があり、耐火性・防音性も高い
・色や柄の種類が豊富
・前もって工場での生産となるので、安定した品質になっている
・モルタルよりも工期が短く終わる

●窯業系サイディングのデメリット

・費用を抑えようとグレードを落とすと安っぽくなってしまう
・劣化が進むと水を吸収しやすくなる
・つなぎ目のシーリング材だけが劣化する可能性がある

このようなメリットとデメリットのある窯業系サイディングですが、厚さのサイズにも次のような種類があります。

・14、15、16、18mm

というサイズがありますが、なかでもよく使われているのは、14mm・16mmです。

次章からは、サイディングの厚さによって違ってくることのお話ししていきます。

サイディングの工法は厚さによって違う?!

近年の木造住宅などで多いとされている外壁材のサイディングですが、厚さのサイズによって違ってくるものがあります。

その1つが施工の方法です。

・厚さが14mmのサイディング:釘打ち工法
・厚さが16mmのサイディング:金具工法

のような工法が行なわれています。

厚さが14mmのサイディングで行なわれる釘打ち工法ですが、仕上がると、釘頭が目立ってしまうというデメリットがあります。

16mmの厚さの金具工法であれば、釘頭が見えることはなく、きれいな仕上がりとなります。

また、見た目の問題だけではなく、強度についても違ってきます。

14mmの厚さの釘打ち工法は、完全に釘で固定するため、地震などで建物が大きく揺れることにより、ヒビ割れなどが起こる恐れがあります。

しかし、16mmのサイディングで行なわれる金具工法であれば、完全に固定されている状態ではないため、柔軟に揺れを受けることができ、ヒビ割れなどの心配はないでしょう。

サイディングの厚さによって変わってくること

前章では、サイディングの厚さによって、施工方法が違い、見た目や強度での違いもあることをお話ししました。

その他にも、厚さによって違ってくるものがありますので、ご紹介します。

●外壁のデザイン

サイディングの厚さが15mm以上になると、デザインの種類も豊富になってきます。

また、厚みが増すほどに、表面塗装の精度が高くなり、15mm以上の厚さになってくると、豪華な仕上がりとなります。

●耐火性

サイディングが厚くなるにしたがい、耐火性能も高くなります。

木造は燃えやすいものですが、外壁材の耐火性が高ければ、万が一の火災時に火を通しにくくし、避難をする時間をかせぐことにつながるでしょう。

これらを見ると、厚さがある分、よいメリットがあることがわかります。

しかし、防音性や断熱性の面では、サイディングの厚さを変えることによっての性能の高さには、それほど違いが生まれないとされています。

外壁にもメンテナンスが必要!その時期とは

木造住宅などの建物の外観を美しく見せる役割をする外壁ですが、そのほとんどが塗装仕上げのため、たとえ外壁材の厚さがあったとしても、長い年月が経つにつれて劣化していくものです。

そのため、ある程度の年数が経ったら、メンテナンスを行なうことが必要になります。

メンテナンスをしたほうがよい兆候としては、次のようなことがありますので、外壁の状態を確認するポイントとして押さえておきましょう。

・ヒビ割れ・欠損・浮き

これらのような劣化が見られた場合には、早めにメンテナンスを行ないましょう。

とくに、塗装仕上げの場合で劣化すると、防水性が低下するため、コケや藻が発生しやすくなります。

どのくらいの年数で劣化が始まるかは外壁材の種類や状況によっても違ってきますが、早いと6、7年から劣化が見られるようになると言われています。

長くても、約10年ごとにはメンテナンスや修繕を行なうことをおすすめします。

建物を守る外壁!妥協せずにしっかりとしたものを選ぼう

住宅などの建物の表面となる外壁ですが、見た目だけではなく、その他の役割についてもおわかりいただけたでしょうか。

外壁は、雨風などや地震などから建物を守るという重要な役割も担っています。

「ここで費用を抑えたいから」と言って適当に選ぶのではなく、これから長年暮らしていくことを考えて、耐久性のあるものをきちんと選びましょう。