夜中に蚊の音で目が覚めたり、台所にコバエがいたりと、いつの間にか家の中に入り込んでいた虫に不快な思いをしたことのある方も多いでしょう。
虫の侵入経路として代表的なのが、窓です。
今回は、窓から虫が侵入してくる理由や、簡単にできる対策方法をご紹介します。
なぜ窓から虫が侵入してくるのか?
先ほど、窓が虫の侵入経路のひとつであると述べました。
しかし「窓を開けるときはいつも網戸を閉めているのに、どうして虫が入ってくるんだろう?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは、窓の構造が関係しています。
日本の家屋の窓は、「引き違い窓」という、2枚のガラスを左右にスライドさせて開ける窓が多いです。
引き違い窓は、右側のガラスが内側、左側のガラスが外側のレールにはめられており、さらにその外側に網戸が設置されています。
この構造のため、窓の開け方によっては窓ガラスと網戸の間に隙間ができてしまうのです。
網戸を右側に寄せ、右の窓を開けるときは、左の窓ガラスと網戸のフレーム部分がぴったり重なるため隙間はできません。
ところが、網戸を左側に寄せて左の窓を開けるときは、窓を全開にしないとガラスと網戸の間に虫が入れる隙間ができてしまいます。
いつも網戸を閉めているはずなのに虫が入ってきているというご家庭は、左側の窓を半開にしていないでしょうか。
全開にするときはどちら側の窓でも良いですが、半開にしたいときは右側を開けることを覚えておきましょう。
虫の侵入を防ぐために!網戸をチェックしよう
窓からの虫の侵入を防ぐために活躍してくれる網戸ですが、その網戸の状態をチェックすることはあるでしょうか。
もし網戸が破れていたら、網戸を閉めていてもその穴から虫が侵入してしまいます。
穴が開く原因としては、何かを網戸に引っ掛けてしまったり、経年劣化してしまったりすることが考えられます。
網戸は日々、紫外線や風雨にさらされているので、長く使用していればだんだんと劣化してしまうのです。
網戸に空いてしまった穴は市販の補修シートや補修テープを使うと簡単にふさぐことができます。
ただし、穴が大きい場合や、網戸をずっと替えていない場合は、全体を張り替えるのがおすすめです。
網戸の寿命は5~10年と言われているので、それを目安に張り替えを検討してみてください。
網戸を張り替える際は、必要に応じて、細かい目の網戸に替えることも考えてみましょう。
一般的な網戸は18メッシュ(目の大きさが約1.15mm)で、それでも蚊などの侵入を防ぐには十分ですが、より小さな虫を防ぎたいなら24メッシュ(目の大きさが約0.84mm)の網戸が良いでしょう。
それ以上に目の細かい網戸もありますが、あまり細かすぎると今度は通気性が悪くなってしまうので、24メッシュ程度がおすすめです。
窓際に置いた植物が虫を呼び寄せることも
窓際にインテリアグリーンを取り入れているご家庭もあると思います。
部屋に植物を置いているとおしゃれで癒し効果もありますが、もしかするとその植物が虫を呼び寄せているかもしれません。
鉢植えの花などは、その香りに虫が寄ってきて、部屋へ侵入してしまうこともあります。
野菜など食べられる植物を育てている場合も、害虫がついてしまうことがあるでしょう。
窓際に植物を置きたい場合は、虫が苦手とするハーブ類を置くのがおすすめです。
ペパーミントやセンテッドゼラニウム、ラベンダー、タンジーなどがあります。
また、コアラが食べる植物として有名なユーカリも、すっきりとした香りのハーブで虫に強いです。
ユーカリの葉は丸みがあって可愛らしく、インテリアグリーンとしても人気が高まっているので、ぜひ置いてみてください。
なお、鉢植えの場合、受け皿に水が溜まっているとにボウフラがわいてしまうこともあります。
ときどき受け皿をチェックし、水が溜まっていたら捨てるようにしましょう。
室内の明かりのせい?夜に窓へ寄ってくる虫
虫は明かりに寄ってくるというイメージを持っている方も多いでしょう。
夜になると室内の明かりに虫が寄ってきて、窓にたくさんついていることもありますよね。
実際にはその明るさに寄ってきているというよりも、照明が発する紫外線に寄ってきていることが多いようです。
そのため、蛍光灯や白熱灯のような紫外線を発する照明ではなく、LEDの照明を使うようにすると、虫が寄ってくるのを抑えることができます。
また、窓にUVカットのシートを貼るのも効果があるようです。
UVカットシートは、外からの紫外線を抑えて室温の上昇や床の日焼けを防ぐという使い方が一般的ですが、室内の照明の紫外線が外に漏れるのを抑えることもできます。
そのため、窓に虫が寄ってきたり、部屋に侵入してきたりするのを抑える効果が期待できるでしょう。
紫外線を発していなくても寄ってくる虫もいるので、虫が全く寄り付かなくなるわけではありませんが、お困りの方はぜひ試してみてくださいね。
虫の侵入を防ぐスプレーを作ってみよう!
さまざまな虫よけスプレーがありますが、小さなお子さんがいるご家庭などでは、市販の虫よけスプレーの成分が心配ということもあるでしょう。
そんなときは、天然由来成分のハッカ油を使った手作り虫よけスプレーを作ってみましょう。
ハッカ油の香りを虫が嫌うので、侵入経路になりやすい窓の網戸や、流し・ごみ箱など気になるところにスプレーしておくと、虫を防ぐ効果を期待できます。
では、さっそくその作り方をご紹介しましょう。
【準備するもの】
・ハッカ油
・無水エタノール
・水
・スプレーボトル(ポリスチレン製はNG)
【作り方】
①ハッカ油10滴程度と無水エタノール10mlをスプレーボトルに入れて混ぜます。
②そこに水90mlを入れ、混ぜれば完成です。
スプレーボトルがポリスチレン製だと、ハッカ油の成分で溶けてしまうので、ガラスやポリプロピレン、ポリエチレンなどの容器を選んでください。
使うときは毎回よく振り、しっかりと混ぜてからスプレーしましょう。
香りが薄れると虫よけ効果も弱まってしまうので、こまめにスプレーする必要があります。
作ったスプレーは1週間~10日程度で使い切ってくださいね。
なお、室内でペットを飼っている場合は、ハッカ油を使用しても大丈夫か獣医さんなどに事前に確認するようにしてください。
虫が出にくい物件の探し方
持ち家の場合は、虫が出るからといって簡単には引っ越せませんが、賃貸なら虫の出にくい物件に引っ越すのもひとつの手です。
虫が出にくい物件を探す際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
●飲食店やコンビニが近い物件を避ける
建物の1階が飲食店やコンビニなど食べ物を扱うお店の場合、同じ建物内には虫が出やすくなってしまいます。
また、繁華街のような、近所に居酒屋などが多い地域にある物件も、同様に虫が発生しやすいため、避けると良いでしょう。
●木造住宅や築年数の古い物件を避ける
全ての物件がそうとは言えないものの、木造住宅は虫が侵入できる隙間ができやすかったり、古い物件は経年劣化で虫が侵入しやすくなっていたりする可能性があります。
●周囲に自然の多い物件を避ける
家の周辺に自然が多いと、その分、虫も多くなります。
池があるような公園は夏場に蚊が多い可能性がありますし、街路樹がベランダの横まで伸びてきていると、木を伝ってきた虫が窓から侵入してくることもあるでしょう。
このようなポイントに注目しながら、虫の出にくい物件を探してみてください。
対策をして嫌な虫の侵入を防ごう!
今回は、窓から虫が侵入する原因や、対策方法などをお伝えしました。
窓の開け方を注意するだけでも、虫の侵入経路を断つことにつながります。
また、虫よけ効果のあるハッカ油スプレーも、薬局などで買える材料で簡単に作れるので、ぜひ試してみてくださいね。