アパートのような共同住宅における騒音トラブルは後を絶ちません。
生活音であればある程度の自己防衛も可能ですが、学生が大勢集まっての大騒ぎのように、度が過ぎた騒音も中にはあります。
こちらでは学生の出す騒音で困っている方や、未然に防ぐ方法、学生自身が騒音トラブルに遭った時の対処法についてお話したいと思います。
学生がアパートの隣室で大騒ぎ、警察を呼んでもいい?
騒音が余りにも酷くて警察に通報という事例は確かに見られます。
しかし、警察沙汰はさすがに事を大きくし過ぎる気がして、躊躇われる人もいるでしょう。
騒音の種類が足音などの生活音である場合、当の騒音を出している本人が近隣に響いている事を認識していない場合もあります。
しかし学生がたくさんの友人を呼んで大騒ぎをしていたり、夜に大音量で楽器を弾いていたり、といった騒音は紛れもない迷惑行為です。
今うるさくて困っていて、管理会社や大家を通しても、なかなかすぐに対応しては貰えません。
こういった場合には、警察に通報するのはとても有効な手段です。
警察に通報する場合は、近所の交番などではなく、110番に電話をしましょう。
「事件ですか?事故ですか?」と初めに聞かれますので、騒音で困っている事を伝えてください。
後は、警察の方に聞かれた事に答えていくだけなので難しい事はありません。
自分が通報したことがバレたくない場合は、電話で伝えておけば対応してくれますが、戸数の少ないアパートだと分かってしまう可能性もあるので気をつけましょう。
ただし、どんなことでもすぐに110番に通報すればいいというわけでもありません。
どうしても困っているという場合であれば、110番に通報しましょう。
アパートの騒音トラブルで避けるべき対処法
あなたがアパートにおいて隣人の騒音トラブルに遭ったとき、やってはいけないことが2つあります。
1つ目は直接苦情を言いに行くことです。
管理会社や大家を通すことなく、騒音に堪り兼ねて怒鳴り込んでしまうという行為は、相手にもよりますが多大なリスクを伴います。
若い学生や血の気の多い相手であれば、逆ギレされたり、嫌がらせをされることも少なくありません。
状況を悪化させ、さらに騒音が酷くなる場合もあるのです。
自分自身の身を守るためにも、直接怒鳴り込むのはやめましょう。
2つ目は仕返しや応戦をすることです。
「足音がうるさいから天井を棒で突く」
「隣が騒いでるのがうるさくて壁を殴る」
これは、明確に音を出して相手を攻撃することを目的とした「加害音」と見なされます。
そのため、公の場で明らかになった際に、相手よりも自分が不利になる場合もあるのです。
尚且つそういった応戦によって、壁や天井を傷付けてしまえば、それはもちろんあなた自身の責任となり、弁償しなければなりません。
こんな理不尽なことはありませんよね。
感情的になって仕返しをしたくなる気持ちはわかりますが、同じ土俵に立つような行為は避けましょう。
騒音で悩まなくていいアパート選びのポイント
アパートにおいて人が住んでいれば生活音は防げませんが、同じ音でも建物によっては騒音と感じる場合とそうでない場合があります。
物件を探す上で、騒音を少しでも感じなくて済む部屋に住むことが出来れば、トラブルを防げる可能性が高まります。
こちらではそんな物件を探すためのポイントをいくつかご紹介します。
・コーポやアパートよりもマンションを選ぶ
賃貸マンションの場合、分譲ほどしっかりはしていませんが、アパートに比べれば壁が厚いものが多いです。
・少しでも築年数の新しい物件を選ぶ
騒音トラブルが多いこともあり、新築される物件の防音性は年々高まっています。
また、築年数のかなり古い物件ともなると、壁の薄さはもちろんのこと、隙間から音が漏れることもあるのです。
・角部屋や最上階を選ぶ
接している部屋数が少ない分、音が伝わってくる可能性も下がります。
・学生街にある物件は避ける
学生街は学生の住人が多いため、どうしても騒がしいです。
もちろんポイントを全て満たした部屋に住んだからといって、必ず騒音がない、というわけではありません。
しかし、少なからず騒音に遭う可能性は低くなりますので、参考にしてみてください。
騒音で悩まないための心理的な対策法
隣人の出す音が気になる、眠れないといったお悩みを持つ方は、一旦気になり始めると、騒音レベルに関係なく、少しの音でも気になるようになってしまいます。
そうなる前に、誰にでも出来る対策法があります。
それは、アパートの隣人とコミュニケーションを取っておくことです。
人は遠い相手に対して攻撃性や残酷な気持ちを強めるため、全くの他人から受けた被害に対しては怒りを感じやすいといわれています。
隣人であっても、顔も知らないし言葉も交わしたことがなければ全くの他人ですが、コミュニケーションを取ることで隣人はご近所さんとなり、少しだけ近い存在になります。
コミュニケーションといっても、仲良くなりましょうというわけではありません。
「引っ越しを済ませた時点でご挨拶に行く」
「外出する時、帰って来た時、ゴミを出しに行った時など、顔を合わせた時には挨拶をする」
それだけで十分なのです。
実際、心理学実験においても、全くの他人が出す音を騒音だと感じた人が、同じ音量の音でも、挨拶をするご近所さんの出す音であれば気にならなかったということが実証されています。
もちろん、全ての人がご近所さんなら気にならない、とはならないでしょう。
実はコミュニケーションを取ることは、騒音を出す側にも変化をもたらします。
全くの他人であれば、多少迷惑をかけても気にならないという人でも、挨拶を交わすご近所さんに対しては、遠慮や思いやりの気持ちを無意識に持つようになります。
学生が家で飲み会をするような場合でも、隣の◯◯さんは朝が早いから早目に切り上げよう、などといった気遣いが自然と出来るようになるのです。
学生アパートって何?
物件の中には学生アパートや、学生マンションと表記されているものがあります。
これらの物件は、その名の通り学生限定で貸し出されている物件です。
学生向けであるが故に、セキュリティーがしっかりしている物件が多いのが特徴です。
学生マンションにおいては、オートロックや防犯カメラの設置、管理人が常駐しているようなところもあります。
設備も整っている物件が多く、家具家電付きであれば身の回りの物を運び込むだけですぐに新生活が始められます。
中には、入居者同士の交流を図るイベントを行なっているところもあるので、同年代の人と友達になれる機会があるのもメリットの一つです。
ただ同年代の人が多い物件であるため、夜に騒いだり、深夜に足音が聞こえるなどの騒音に悩まされる場合もあります。
必要となる費用の面ですが、普通のマンションやアパートを借りるよりは共益費や管理費が高めとなっている傾向があります。
また、学生向け物件の中には1年で契約更新となっているものも多く、更新の際には更新費用が発生します。
普通のアパートと学生アパート、メリットやデメリット、費用の面を踏まえた上で選ぶことをおすすめします。
学生同士の騒音トラブル対処法
学生街にある物件や、学生アパートに住んでいると、住人は同じ学校の学生といった場合もあります。
ある程度のことはお互い様と見過ごせても、試験前であったり卒論の時期ともなると、こちらも神経質になり、騒音が気になってしまうことがあります。
静かに机に向かって勉強しているところで、隣から飲み会の大騒ぎの声が聞こえてくると気になってしまいますよね。
しかし、同じ学校であったり同年代の相手だと、言いにくいこともあり対処に困ります。
ある程度コミュニケーションが取れている相手なら、事情を話して気を付けて貰えるようお願いするのもありかもしれません。
そうでない場合、一般的な方法は管理会社や大家に言って対処して貰う方法です。
しかし、この方法は管理会社や大家によっては何の効果もない場合もありますし、即効性はありません。
あまりにも度が過ぎた騒音である場合は、その場で警察に通報してください。
そしてその物件が学校が斡旋しているものであれば、学校側に名指しで報告するのも良いでしょう。
警察に通報したこともある旨を伝えれば、学校側も対応が早いです。
場合によっては迷惑行為をしていると親に連絡が入ることもあります。
騒音で試験勉強が出来ず単位を落としたり、卒論が出来なければあなたの人生まで左右してしまいます。
ここは思い切った行動が必要です。
騒音を出す学生が自覚出来るよう導くことが必要
初めて親元を離れたことで開放的になっている学生、騒音に対する意識が低い学生。
まだ社会経験もなく、大人になりきれていない学生たちは、つい周りを気にせず自分たちが楽しいことに没頭してしまいます。
それにより誰かに迷惑をかけていることに気付いてない場合が多いのです。
度を過ぎたものは警察の力も借り、学生自身が「迷惑をかけているからやめよう」と思えるように導いてあげることが必要なのです。