賃貸アパートの場合、契約期間が決まっていて、この契約を継続するためには、更新料を支払う必要があります。
この更新料が高いと、更新することに躊躇してしまいますし、いっそのこと引っ越しをすることも考えます。
アパートの更新料を安くすることはできるのでしょうか。
また、フリーレントや更新料がかからない物件について、お話します。
なぜアパートの更新時に更新料を払うの?
一般的なアパートなどの賃貸物件では、契約期間が設けられています。
この契約期間が満期を迎えると、契約の更新を行わなければいけません。
更新を行うときには、更新料がかかります。
多くの場合、契約期間は2年間で、家賃の1ヶ月分ほど支払わなければなりません。
高い家賃の物件に住んでいれば、更新料も比例して高くなります。
2年に一度といっても、入居者にとっては大きな負担になりますよね。
更新料を支払う意味は、あるのでしょうか。
一般的には、毎月かかる家賃の価格を低くしているため、更新料で補充するものとしています。
よって、契約を持続する場合は、更新料がかかるのです。
しかし、物件によって更新料の違いが見られます。
更新料については、法律で定められているわけではないからです。
また、地域によっても徴収額が異なり、比較的、西日本では更新料が低い傾向があります。
更新料のほかにもかかる費用
これからも同じアパートに住みたい場合は更新料を支払いますが、ほかにも費用がかかります。
次のことを確認しましょう。
●契約内容
同じような契約書に見えても、今までの契約内容と変わっていることもあります。
内容が変わっていることを確認しないで契約書にサインしてしまうと、あらゆるトラブルに発展してしまいますよ。
更新前と後で見比べて、必ず確認しましょう。
内容で分からないことがあれば、納得ができるまでサインをしないことが大切です。
●更新料以外にかかる費用
契約更新の更新料のほかにも、準備しなければならない費用があります。
管理会社に支払う更新手数料や、2年間分の火災保険料です。
家賃8万円の例は以下の通りです。
・更新料 8万円(家賃1ヶ月分)
・更新手数料 4万円(家賃0.5ヶ月分)
・火災保険料 1~2万円
この例の合計ですと、13~14万円かかる計算です。
連帯保証人ではなく、保証会社を利用しているかたは、ここに加えて保証料の支払いも必要です。
ここに月々の家賃8万円がかかるので、実質21万円を用意しなければなりません。
一般家庭において、21万円といった金額は高いですよね。
今まで滞納などの入居トラブルがなく、長く住んでいるかたなら、更新料と更新手数料は交渉の余地があります。
なぜなら、交渉に応じることで、また住んでもらえるからです。
また、同じ入居者で家賃の差がある場合も、更新するときが狙い目といえます。
アパートの家賃交渉はピーク時期を避けよう
更新料の交渉が通らない場合は、家賃交渉を行ってみましょう。
アパートのオーナ-としては、毎月の家賃を下げることはとてもデメリットが大きいものです。
ですが、空室になることを防ぎたい気持ちもあります。
ただやみくもに「家賃が高いから安くして」といった交渉は、成功するどころか失敗する確率を上げてしまいます。
では、どんな交渉をすれば良いのでしょうか。
1つめのポイントは、引っ越しのピーク時期(1~4月)を過ぎたタイミングです。
ピーク時期は、アパートの入居者が多いため、交渉しづらいのです。
できれば、空室が気になる5月頃からの交渉がおすすめです。
更新料や更新手数料よりも、家賃交渉は難しく、成功する確率が低いです。
オーナーに交渉するときは低姿勢で、丁寧に行いましょう。
そして、交渉を失敗したとしても、清く諦めることも大切です。
更新料と引越はどちらが高い?
更新料のほかに、家賃交渉して費用が安くなれば良いですが、そう簡単にはいかないかもしれません。
そんなときに思い浮かべるのは、新しいアパートへの引っ越しです。
更新でかかる費用と、引っ越しでかかる費用は、どちらがお得といえるのでしょうか。
前項でもお伝えした通り、更新料を支払い住み続ける場合は、20万円近くの費用がかかります。
では、思い切って新しいアパートに引っ越すときに必要な費用を見ていきましょう。
現在家賃8万円のアパートから、同じ8万円のアパートに引っ越ししたと仮定します。
引っ越しにかかる費用を見てみましょう。
●退去費用 敷金を支払っていない場合は5万円前後
●敷金 家賃1~2ヶ月分
●礼金 家賃1~2ヶ月分
●仲介手数料 家賃0.5~1ヶ月分
●火災保険料 2万円前後
●前家賃 1ヶ月分
●引っ越し費用 5~10万円
●引っ越し挨拶品 5千円前後
いかがでしょうか。
支払う金額はこの通りとは限りませんが、更新するよりも引っ越しをしたほうが高い費用がかかってしまうこともあります。
更新するか、引っ越しをするのか迷った場合は、双方にどのくらいの費用がかかるのか計算してみましょう。
高い引っ越し費用を用意できない場合はフリーレント
更新料よりも、引っ越し費用のほうが高いといった結果になったとしても、数万円しか変わらないのであれば、新居に移り住むことも視野に入るかもしれません。
そんなときは、フリーレントのアパートはいかがでしょうか。
フリーレントとは、空室対策として、アパートの家賃の数ヶ月分を無料にしてくれる契約内容です。
一般的には、「1ヶ月フリーレント」などと表示されています。
なかには、2ヶ月分、まれですが6ヶ月分などもあります。
家賃の支払いがないことで、新居の費用を用意しやすいですよね。
フリーレント物件の注意点としては、契約期間が設けられている場合があります。
なぜなら、無料の期間で退去になることを防ぐためです。
こうした一定期間の退去となると、違約金を支払うことにもなるので、あらかじめ確認しておきましょう。
また、相場の家賃よりも割高である場合は、長く住むことが前提だと、あまりお得とはいえませんので注意しましょう。
高い更新料がないアパート?!
契約更新とともに発生する更新料ですが、なかには更新料がかからないアパートもあります。
住宅金融公庫物件です。
この物件であれば、更新時にかかる更新料を支払う必要がないのです。
住宅金融公庫は、かつての国土交通省や策金融機関、財務省所管の特殊法人です。
独立行政法人住宅金融支援機構となって、住宅金融公庫時代に、建設資金を多くの賃貸住宅に融資しました。
この融資を受けて建設された物件こそ、住宅金融公庫物件です。
また、住宅金融公庫物件は、敷金は高くても家賃の3ヶ月と定められています。
ほかにも、権利金や礼金もかかりません。
退去をするときは敷金から一定額の償却だけで、ほかの費用の負担は禁止されています。
毎月の家賃が安いわけではないですが、こいういった費用が掛からないことは、入居者にとって大きなメリットです。
高い出費となる更新料の支払いがないとなると、とても助かりますよね。
事前に予測しておこう
急に何十万円もの資金を用意することは、とても大変なことです。
長く住むのであれば、毎月決まった額を更新料のためとして、貯金しておきましょう。
また、引っ越しやフリーレント物件を検討する場合は、どのくらいの資金が必要なのか一度確認してみましょうね。