エアコンをつけたのに室外機が動かない、という事態に遭遇したことはありませんか?
「エアコンが故障したの?」と思いがちですが、室外機が一時的に動いていない場合もあります。
今回は、エアコンと室外機の仕組みや、エアコンの室外機が動かなくなったときの対処法などをご紹介します。
エアコンと室外機の仕組み
エアコンの仕組みと聞くと、なんだか難しいような気がしますね。
しかし、仕組みを分かっていると、室外機が動かない原因も理解しやすくなります。
なるべくわかりやすく、ご説明します。
液体は蒸発する際に周りの熱を奪う性質があるのですが、エアコンと室外機の仕組みには、その性質が利用されています。
運動をして汗をかくと体温が下がったり、打ち水をすると涼しくなりますよね。
その仕組みと同じと言えます。
エアコンは室内機と室外機がセットになることで、初めて部屋の空気を冷やすことや暖めることができます。
室内機と室外機は、パイプでつながっています。
そのパイプの中には、冷媒が循環しています。
冷房の場合、室内機に入っている熱交換器によって、部屋の熱が奪われます。
奪われた熱が、冷媒に乗って室外機へ送られます。
そして、熱を奪われた冷たい空気が部屋に戻されます。
部屋の熱を室外機へ逃がすことで、室内を涼しくしているのです。
次に暖房の場合ですが、室外機に入っている熱交換器で、外気から熱を奪います。
その熱を圧縮することで、冷媒が熱を放出しやすいようにします。
その冷媒を、室内機に入っている熱交換器で液化することで、熱を放出させます。
熱を与えられ、暖かくなった空気が部屋に運ばれることで、室内が暖まる仕組みになっているのです。
エアコンの室外機が故障する原因①保護回路の作動
室外機の保護回路が働くことで、エアコンの室外機が動かなくなることがよくあります。
この保護回路が作動してしまう理由としては、
①エアコンの室外機の周りに物が沢山置かれていて、風の流れが悪い。
②室外機が倉庫(波板などで作った簡易な物置など)の中に置いてあり、室外機の周りの温度が高くなってしまっている。
といったことが挙げられます。
エアコンの室外機は熱を異常に持ってしまうと、システムを保護するために、自動的に停止することがあるのです。
対処法としては、
①室外機周りに物を置かないようにする。
②室外機を涼しい場所に置く。
ということが挙げられます。
このような対処をすることにより、室外機が動かないという状態を改善することが出来ます。
エアコンの室外機が故障する原因②室外機の凍結
エアコンの室外機は、凍結によって故障することもあります。
なぜ、室外機は凍ってしまうのでしょうか。
室外機の凍結は、冬場の暖房時によくあることですが、それには室内機が関係しています。
それが、室内機にある「アルミフィン」という熱交換機です。
このアルミフィンを氷点下まで冷やすと、室内機から温風を出すことが出来ます。
しかし、湿度の高い条件で暖房を続けていると、室外機のアルミフィンに霜や氷がついてしまいます。
これを防ぐために、霜取り運転という機能があります。
霜取り運転は、霜や氷を溶かしてくれます。
しかし、その溶けた霜や氷が、室外機の外に出る前に、再度室外機の中で凍ってしまうことがあります。
その氷が大きくなると、室外機のファンに当たってしまい、室外機が運転を停止してしまうことがあるのです。
対処法としては、寒冷地では寒冷地用のエアコンを選ぶなど、お住まいの地域や気候に合わせて、エアコンを選ぶことが大切になります。
寒冷地用のエアコンの室外機には、室外機の底面にヒーターが取り付けられているので、室外機が凍るという状況を防げます。
また、温かいお湯をエアコンの室外機の底面に流し込むことで、氷を溶かすことも出来ます。
リモコン側の設定で室外機が動かない場合①室温と設定温度
エアコンの室外機が動かないのには、室温と設定温度に原因がある場合もあります。
エアコンは、室内機と室外機が同時に作動しているとは限らないからです。
もし、エアコンの冷房の設定温度を27℃に設定していて、室温が27℃よりも高い場合は、エアコンの室内機と室外機は同時に動きます。
しかし、室温が設定温度の27℃よりも低い場合は、室内機は動いても室外機は動いていないことがあります。
この場合は、室内機から冷風ではなく、ぬるい風が吹いている状態なのです。
そして、部屋の温度が27℃以上になった時、室外機が動き出し、室内機から冷風が出るということがあります。
これは、暖房の時にも同じことが言えます。
このような理由で、エアコンの室外機が動かないという場合は、エアコンの故障ではなく、エアコンの仕様で制御していると考えましょう。
また、「自動運転モード」という機能がリモコンについていると思いますが、この設定でも同じことが言える場合が多いです。
この場合は、自動運転モードを止め、冷房、暖房モードに切り替えて下さい。
そして、冷房の時は低め、暖房の時は高めというように、設定温度を変更してみて下さいね。
リモコン側の設定で室外機が動かない場合②運転モードが違う
夏に冷房をつけていて、リモコンの表示も冷房なのに、本体側の設定は暖房になってしまっているということがあります。
逆に、暖房をつけている場合にも同じ現象が起きることがあります。
その場合、設定温度を下げても運転モードが間違っているので、室外機が動かないということになります。
これは、エアコンのリモコン側と本体側の運転モードが違うという状況です。
なぜそうなってしまうのかというと、リモコンをエアコンの方を向けずに操作すると、本体側にその指示が届いていないため、リモコンの表示だけが切り替わっていることになるからです。
対処法としては、もう一度リモコンをエアコンにちゃんと向けて、運転モードを操作し、室外機が動いているかということを確認してくださいね。
それでも動かない場合は、他に原因があることが分かります。
ついつい面倒で、リモコンをエアコンに向けずに操作することもあるでしょう。
リモコンで指示をした場合は、本体が指示に対して反応しているか確認すると、この状況を減らすことが出来ます。
いろいろ試してみたが室外機が動かない場合
エアコンの室外機が動かなくて、自分でもいろいろ試してみたけど、結局動かないという場合は、エアコンを購入した店舗や、エアコンのメーカーに問い合わせてみることをお勧めします。
エアコンを購入した店舗では、応急処置や簡易な対応策は教えてくれたりしますが、専門的なことはメーカーに確認して、折り返し連絡を待つというのが多いかと思います。
すごく急いでいる場合は、メーカーに直接問い合わせをした方が、全体的にもスムーズにことが運ぶでしょう。
私も、基本的にメーカーによく問い合わせをし、自分で出来ることを聞いてみたりしています。
ただ、エアコンは夏と冬にかなり使われるため、その時期に故障や修理の依頼が多くなります。
その時期は、メーカーも工事に人手を取られてしまうので、繁忙期に不具合で問い合わせても、なかなか順番が回ってこないことがあります。
そうならない為にも、日ごろから室外機の様子を少し気にしておくことも大切です。
エアコンの室外機が動かない場合でも自分で試せることはある!
いかがでしたでしょうか?
エアコンの室外機が動かなくて、どうしようと焦ってしまう方もいるかと思います。
そんな時は、まずは自分で試せることを試していただき、それでも動かない場合はメーカーや購入店舗に聞いてみて下さいね。
本体の故障ということも十分に考えられますので、その場合は繁忙期になる前に修理や交換をしておくことをお勧めします。