エアコンを稼動させているとき、室外機のまわりが水浸しになっていることはありませんか?
ベランダなどに室外機を設置している場合は特に気になりますよね。
もしかしたら、エアコンが壊れてしまったのではないかと不安にもなります。
ここでは、エアコンの室外機から水が漏れる原因を探り、気になる場合の対策方法をお伝えします。
室外機はエアコンの心臓部!
暑い季節には室内を涼しく、寒い季節には室内を温めてくれるエアコン。
部屋を快適な温度に保ってくれるアイテムとして、現代には欠かせない家電製品のひとつです。
しかし、「室外機から水が漏れている」といった問い合わせが多いそうです。
それもそのはず、家電製品から水が出ていたら誰しもが故障を疑いますよね。
ただし、エアコンの室外機では必ずしも故障であるとは限りません。
それらは、室外機の仕組みを紐解くと明確に分かってきますので、お話しします。
気温が高い日、室内には温かい空気が漂っています。
その空気を、室内機と室外機をつなげているパイプや、室外機のなかにある熱交換器によって外に排出すると、部屋の温度を下げたり上げたりすることができるのです。
暖房運転をするときは、外気温より5度ほど低く熱交換器を冷やしておきます。
そうすると、冷えた熱交換器は外気に暖められるため、その暖かい空気を室内に運んでいくという仕組みです。
室内機にばかり注目してしまいますが、室外機こそエアコンの心臓部であるといっていいでしょう。
エアコンの室外機から出る水は霜取り運転によるもの
エアコンの心臓部である室外機から水漏れが起こっていたら、それこそ心配になりますよね。
しかし、エアコンの室外機から水が出てくる原因は、多くの場合、霜取り運転であることが該当します。
エアコンの仕組みでもお話ししたとおり、熱交換器は外気温に対して常に5度ほど低い温度にする必要があるため、そこに水分が付着していきますよね。
コップの中に氷を入れると、コップのまわりに水滴が付く原理です。
しかし、外気温が低いときなどは、付着した水分が凍ってしまう場合もあります。
寒冷地や雪が吹雪くような場所であると、なおさらです。
凍ってしまった部分は氷の層によって外気に触れないことから、うまく熱を取り込めなくなってしまいます。
そうなると、当然ながら暖房効率はグッと下がってしまうため、自動的に霜を取る働きがあるのです。
霜取り運転が作動すると、凍っていた水分が溶けはじめるため、室外機から水が出てくるというわけです。
以前は、霜取り運転中はファンが停止するため、暖かい空気が一時的に出てきませんでしたが、最近のエアコンは、霜取り運転中でも暖かい空気が止まらない製品もあるようです。
寒冷地仕様のエアコンは排出した水が凍らない仕組み
例外として、前項でお話しした霜取り運転が正常に働かない場合もあります。
寒冷地など、極端に外気温が低い地域の場合、溶かした水が排出される前に凍ってしまい、凍った氷が積もることでうまく作動しなくなるのです。
凍ってしまった氷が積もり積もってしまうと、室外機のファンに接触してしまいます。
接触すると運転モードを停止するシステムが作動するため、エアコン自体はエラーコードが表示されてしまいます。
気温が低くなる度に故障してしまっては、冬場はエアコンを使えなくなってしまうのでしょうか。
実は、こうしたことを防ぐため、室外機の底にヒーターが取り付けられている、寒冷地用のエアコンが存在します。
ヒーター機能があるため、室外機が氷ついてしまうことを防げるようになっているのです。
また、室外機内になるべく雪が侵入しない場所に設置したり、さまざまな工夫がされていますよ。
雪があまり積もらないような地域では知る機会が少ないことですが、転勤や引っ越しの際は、寒冷地仕様のエアコンを検討しましょう。
水浸しを防ぐエアコン用のホース
霜取り運転による水漏れである場合、正常に稼働しているといって問題ないでしょう。
しかし、気になるのは排出された水です。
環境によって水の量は変わりますが、およそ200~300mlの水が出ています。
350mlのベットボトルほどの水が排出されるとなると、ベランダなどに室外機を置いている場合、排出した水が広がり、困ってしまうこともありますよね。
洗濯物を干すときに足元が濡れていては危険ですし、賃貸物件の場合は、隣のベランダまで水が浸入してしまっては大変です。
このような場合は、室外機の下にホースを取り付けることで解消できます。
ホースは取り付けることで、ベランダや床が水浸しにならずに排水口へと導いてくれるアイテムです。
エアコン用として、「ドレンホース」という名前で販売されていますので、こちらを使用しましょう。
エアコンを取り付けるときのオプションとしても設置してもらえますし、ホームセンターなどでも手に入ります。
室外機にドレンホースを取り付けてみよう
前項では、ベランダや床が水浸しにならない方法として、エアコン専用のドレンホースの取り付けをご提案しました。
では、実際に室外機に取り付けてみましょう。
取り付け方は、意外と簡単です。
まず、室外機から排水口までの長さを測り、そこから少し余裕が持てる長さのドレンホースを用意します。
ホームセンターなどでは2メートルほどの長さで、300円前後で販売されています。
しかし、ホースだけでは室外機に取り付けられないので、ドレンプラグも必要です。
エアコン室外機の下に穴が空いているので、その穴の大きさに合ったものを用意してください。
なお、ドレンプラグはホームセンターでは取り扱いされていませんので、エアコンのメーカーから取り寄せるか、ネットショップなどで探してみましょう。
用意したドレンホースにドレンプラグを差し込み、室外機の下に空いている穴にはめ込んでください。
その後、ドレンホースを排水口へと誘導すれば完成です。
ドレンホースがあるにも関わらず水浸しになっている場合は、室外機の穴にきちんと取り付けられているかを確認してみるといいでしょう。
必要であれば、結束バンドなどを使って固定していきます。
エアコンから水漏れ!ドレンホースの詰まりが原因かも!
室外機にドレンホースを付けることによって水浸しになることは防げますが、地面に付いた状態で取り付ける場合は、詰まらないようにすることが大切です。
というのも、地面にホースがついていると、そこから土埃や害虫が侵入し、詰まりの原因になってしまうからです。
詰まりを起こし水が排出されなくなると、逆流を起こしてエアコン本体から水漏れが起こります。
室内で水漏れが起こるとなると、他の家電製品も被害を被ることもありますので、気を付けましょう。
ホース内に虫が侵入してしまったら、割りばしなどで取り除きましょう。
埃やゴミが原因で詰まっている場合は、専用のクリーナーを使うと簡単です。
よく、掃除機などで吸い取って詰まりを解消する方法も紹介されていますが、万が一ホース内に水があると掃除機が故障してしまう恐れがあります。
掃除機を使って詰まりを解決するときは、水が一滴も残っていないかなど十分に注意してください、
そして、ゴミや虫が侵入しないためにも、別売りのドレンキャップの取り付けをおすすめします。
エアコンを使う季節がきたら点検
室外機から水が出ていると故障してしまったのかと不安になりますが、霜取り運転中であれば問題がないことが分かりましたね。
通常、自動的に5~15分程で稼動しはじめますが、15分を過ぎても暖かい空気が部屋に送られてこない場合は、エアコン専門業者に見てもらいましょう。
また、排水がうまくできないと室内に水漏れが起こる可能性があります。
エアコンを使う季節になったら、水を排出する場所やドレンホースに詰まりがないか確かめておくといいですね。