家賃の値下げ交渉をしたい!築年数の古さはポイントになる?

賃貸物件を探していると、「家賃が高い」という理由で、初めから候補に入れない物件もあることでしょう。

設定されている家賃というのは、めったに値下げをしてもらえるものではありません。

しかし、その物件によくない条件がそろっている場合は、もしかしたら値下げを交渉してみると、応えてもらえるかもしれません。

ここでは、家賃の値下げを交渉しようと思う際に、築年数が古いことを理由にできるのか、その他のポイントはどのようなことがあるのかについてお話ししていきます。

「家賃の値下げ交渉」をすることはできるのか

入居者募集として出されている賃貸物件には、すでに家賃が設定されています。

物件を探す際も、人によって決めるポイントは異なるところですが、家賃や築年数を重要視する方は多いでしょう。

物件自体は気に入ったけれど、「家賃がもう少し安ければ決めるのに…」ということもあるのではないでしょうか。

そのような場合に、不動産会社に対して、家賃の値下げを交渉することはできるものなのでしょうか。

そもそも、家賃のすべてが大家さんの利益となるわけではありません。

そのアパートなどの物件を建てた際の建築費のローンや修繕費、入居者が退去する度に発生するリフォーム代など、物件を経営していくうえでかかる費用にあてられることになります。

不動産会社にしても、大家さんというのもお客様にあたるので、無理な家賃の値下げ交渉はなるべく避けたいところでしょう。

そのような事情があるため、家賃の値下げを交渉すること自体はできますが、交渉をしたからといって、「必ず値下げしてもらえる」とは言えないのです。

しかし、物件の条件などによっては、家賃の値下げが期待できる場合もありますので、そのお話をしていきます。

古い築年数の物件は家賃の値下げが期待できる?

まず、家賃の値下げが期待できる物件の特徴としての大きなポイントとなることに、「築年数の古さ」ということが挙げられます。

築年数の古い物件は、想像できるかと思いますが、外観が劣化していたり、部屋の中の設備や内装なども古い時代のもののまま使用していたりするなどの場合が多くあります。

そのため、家賃の値下げを交渉するポイントとして挙げることができるでしょう。

ただ、築年数の古い物件でも、外観から内装までフルリフォームや新築のようにリノベーションされている物件もあります。

その場合は、築年数が古いことを条件に家賃の値下げを交渉することは難しくなるでしょう。

築年数の古さの次に挙げられるポイントとしては、「部屋の階層」についてがあります。

どの物件にも言えることですが、1階などの低階層の部屋というのは、防犯面などのデメリットを感じることから、あまり人気がない物件とされています。

そのため、「1階の部屋で日当たりもよくない」などにより不人気という条件があれば、家賃の値下げを交渉しやすいポイントと言えるでしょう。

家賃の値下げが期待できる物件!築年数以外の特徴とは

築年数の古さや低階層であることが家賃の値下げを交渉しやすい条件となることをお話ししましたが、その他にも家賃の値下げを交渉しやすい条件があります。

●西向きや北向きなどの部屋

西向きの部屋:夕方になると夕日がまぶしかったり、夏場は暑かったりする

北向きの部屋:日が当たらないため、暗く、冬場は北風があたり、結露や湿気が多い

これらのようなデメリットが挙げられます。

●最寄りの駅から距離がある

最寄りの駅から徒歩では時間がかかる、駅からバスで移動し、バス停からも歩くなど、交通機関の不便さを感じる物件があてはまります。

●近くに線路や幹線道路があり、騒音が聞こえる

物件の近くに線路や大きな幹線道路があると、一日中騒音が聞こえる場合があります。

上記のようなデメリットがあるために長期間空き家になっている物件などは、築年数の古さなどと併せて、家賃の値下げを交渉しやすい物件と考えられます。

築年数が古いだけでは難しい!交渉しやすい時期とタイミング

これまで、築年数が古いなど、家賃の値下げを交渉しやすい物件の特徴についてご紹介してきました。

そのような特徴だけではなく、「交渉しやすい時期」というものもありますので、併せて参考にするとよいでしょう。

家賃の値下げを交渉しやすい時期のポイントには、次のようなことがあります。

●需要が少ない時期

一般的に、引っ越しのシーズンは、1月~3月とされています。

そのため、4月までに入居者が決まらない部屋は、10月頃まで空き部屋になる可能性があります。

そこで、その間の5月~9月くらいの時期が比較的交渉しやすい時期と言えるでしょう。

●家賃の値下げ交渉を切り出すタイミング

まずは、不動産会社に出向き、自分の希望の条件に見合う物件をいくつか紹介してもらい、内覧を済ませます。

その後、この物件に決めたいという意志を伝えると同時に、家賃がもう少し下がれば決定するというお話をするとよいでしょう。

ただ、「その家賃を値下げすることはできない」と言われた際には、その物件に対して値下げしてもらうことはすみやかにあきらめましょう。

どの時期がよい?入居中の物件の家賃の値下げ交渉

これまでは、これから新たに物件を探している方向けに、家賃の値下げ交渉についてのお話をしてきました。

他にも、現在、賃貸物件に入居している方が家賃の値下げを交渉して下げてもらえるケースもあります。

現在入居中の物件の家賃を値下げしてもらえる可能性があるのは、10年以上など、長年同じ部屋に住んでいる方の場合になります。

家賃というのは、築年数が新しければそれなりに高めの設定になっていますが、その後5年、10年と年数が経ち、築年数も数十年になると、入居者募集をする際には、家賃を低めに設定しているものです。

そこで、築年数の古さなどを理由として、家賃の値下げ交渉をしてみてもよいでしょう。

その場合にも、交渉をするのに適したタイミングというものがあります。

それは、「賃貸契約の更新をする時期」です。

一般的な賃貸物件は、2年ごとに更新をすることが多いとされています。

住んでいる部屋の家賃の値下げ交渉をするなら、その契約更新時期に、更新をする前に行なうことをおすすめします。

こんな人は難しい?入居中の物件の家賃交渉が期待できない人とは

たとえ築年数が古い物件に長年住んでいるとしても、家賃を値下げしてもらうことが期待できない場合があります。

それは、次のような入居者の場合です。

・決められた日に家賃を支払えていない
・近隣住人と度々トラブルを起こす
・素行が悪い

などが挙げられます。

これらのように、大家さんや管理会社に対しての印象が悪い場合は、家賃を値下げしてまでそのような人に住んでもらいたくないと思われるため、交渉に応えてもらえる可能性は低いでしょう。

また、まだ長年住んでいるわけではなく、「今回の更新が初めて」という入居者の場合も、よほどの理由がなければ家賃を値下げしてもらえる可能性は少ないです。

しかし、長年住んでいるし家賃の未払いもなく過ごしてきたからと言って、家賃の値下げ交渉をする際に傲慢な態度をとることは避けましょう。

今後も住み続ける予定の物件であればなおさら、大家さんや管理会社とはよい関係を築いていくことが大切です。

家賃の値下げ交渉は下調べもしておき交渉しやすい時期に

賃貸物件の家賃の値下げを交渉してもらえるケースはどのような場合かということはおわかりいただけたでしょうか。

ただ単に、築年数が古いからということだけでは家賃の値下げにつながることは難しいものです。

その地域の家賃相場の下調べをするなど、値下げしてもらえる可能性を感じた場合は、交渉を行なってみてもよいでしょう。

ただし、値下げを断られた場合は、厄介な客だと思われないように、潔くあきらめることも必要です。