老後も賃貸生活を続けたい!保証人がいない場合は!?

平均寿命もぐんぐん延びて、日本は世界でも類をみない超高齢化社会となりました。

賃貸をしている人や、これから賃貸を借りようとしている人は、自分の老後がどのくらい続くのか、そしてその間の家賃を払っていけるのか不安を感じますよね。

さらに、同居家族や保証人がいない人の高齢化が社会問題となっています。

これらの問題について、どのように対処していくべきなのかをお伝えします。

老後も賃貸で暮らすことのメリット

持ち家に比べて賃貸に住む人の老後は、不安定に感じるかもしれませんね。

ですが、老後でも賃貸物件に住むことでメリットもあるのです。

賃貸なら趣味や生活スタイルに合わせて、家も場所も、連帯保証人などの入居審査さえクリアすれば、住み替えられます。

老後の年金暮らしで生活費を節約したい場合にも、家賃が安いところに引っ越しをすれば、生活の不安が少なくなりますね。

また、賃貸物件は、ご近所付き合いも重いものになりにくいです。

廊下の清掃や庭の草むしりなどは、管理会社がやってくれるので、老後で身体がうまく動かなくなった場合も安心です。

反対に、持ち家の場合は家の維持・管理が、高齢になったときに大きな負担となってしまいます。

通常の賃貸物件よりも、さらに安心して生活ができる高齢者向け賃貸住宅もあります。

高齢者向け賃貸住宅は、民間の事業者が設置・運営をする賃貸住宅です。
軽度の介護を必要としている人や、介護の必要がない人が住むことが可能です。

住宅がバリアフリー化されているのだけでなく、物件によっては生活援助員が常駐しています。

生活相談や緊急時の対応もしてくれるので、高齢者は安心して生活できます。

しかし、高い確率で、初期費用と月額費用が必要です。
初期費用は0円~数百万円、月額利用料は10~30万円くらいと随分と金額差がでます。

賃貸する際に連帯保証人が必要な理由

若いうちでも、老後でも、マンションやアパートを賃貸したい場合には、色々と手続きがあります。

まず、「賃貸契約」という契約をしなければいけません。
そして、賃貸契約をするにあたり、入居審査というものがあります。

入居審査とは、どのようなことをするのでしょうか。

入居にあたり、貸主が「安定した支払い能力があるか」「風紀を乱す恐れがないか」などの点をふまえて、入居したい人を審査します。

そのため、まず、入居申込書に入居希望者が必要事項を記入します。

記入事項には、入居する当人の名前・住所・電話番号・職業・勤務先・年収などがあります。

一人ではなく同居者がいる場合は、同居者についても記入事項があります。

以上の内容に基づいて、貸主が貸してもOKかどうか審査をするのです。

さらに、入居申込書に記入しなければならないものには、連帯保証人に関する事項が含まれています。

一般的に、保証人が関係するのは、金銭のやり取りが発生する場合においてです。

借主が家賃を払えなくなってしまったら、貸主としては困ります。

また、借主が死亡してしまった場合、その後の整理などにかかる費用を貸主が負担せざるを得ず、経営に大きな打撃になってしまいます。

そこで、保証人が必要になるわけです。

ここで注意が必要なのは、保証人ではなく「連帯保証人」の場合です。

借主に何かがあった場合、貸主は保証人に連絡をし、「借主の代わりをしてください」と言います。

このとき、保証人なら「いや、借主に連絡をしてください」と主張することができます。

ですが、連帯保証人になると、その主張ができません。

そのため、貸主から連絡があった場合には、借主が負うべき義務を果たさなければならないのです。

賃貸住まいで老後資金がないとどうなるの?

周囲を見回しても、年齢を重ねていても、元気に活動している人は多いです。

見た目にも若々しい方が多いので、老後は一体何歳からなの?と、わからなくなってしまいますよね。

老後とは、基本的には60歳からと考えられています。

そして、老後の生活を送るために必要なお金を、老後資金と言います。

主な老後資金の使い道は、

●退職後の生活費、家賃
●退職後の医療費や住居の維持費など
●退職後の趣味

退職後の収入がなくなってからも必要なものなので、老後になるまでに貯蓄しておく必要があります。

ちなみに、おおよその目安で、老後資金は夫婦で月21万円ほど、そして独身の場合は月15万円くらい必要となります。

マンションなどの賃貸に住む場合は、さらに5万円ほどプラスして、備えておくようにしましょう。

仮に、老後資金がしっかりと貯蓄されないまま、老後を迎えてしまったら、どのようになるのでしょうか。

●家賃が支払えなくなる

賃貸のマンションなどに住んでいる場合であれば、家賃滞納ということになってしまい、立ち退きを命じられる恐れがあります。

老後で身元保証人が誰もいないかもしれない状態で、新たに賃貸を借り直すことができるのかという問題にも、頭を悩ませなければいけません。

●医療機関に掛かれない

高齢になると、体のあちこちに不調が出やすくなります。

そんなときに、医療機関に掛かるお金がなければ、最悪の場合は命に関わることも。
持病がある人は、特に気をつけなければいけませんね。

賃貸している人が不安な老後の住居問題とは

ここでは、マンションやアパートなどの賃貸住まいをしている人が、老後になって不安に感じる問題についてお話します。

●高齢者になった際に、賃貸物件を借りることができなくなるかもしれない

実際に、高齢者に賃貸住宅を貸し渋るオーナーはいます。

身元保証人がいないなどの理由で断られたり、賃貸していても更新してもらえなかったりする事例もあります。

人口減少や超高齢化社会の日本では、空家があるにもかかわらず、老後の住居確保に不安を感じてしまうのは残念なことですね。

高齢者が賃貸物件を借りやすく、高齢者向けの住宅政策が進み、老後の住まい探しが楽になることを期待したいですね。

●退職後に家賃を払えなくなるかもしれない

退職をしてしまうと、毎月もらえた収入が当然入らなくなります。

ですが、支払わなければならない家賃は必要です。

老後にお金で困らないように、定年後にもらえるお金・老後に必要なお金などについて、働けるうちから、イメージトレーニングしておくといいでしょう。

賃貸ではなく持ち家の場合の居住費は、購入費用・メンテナンスやリフォーム費用・固定資産税などです。

やはり、老後のことを考えて、しっかりと貯蓄しておくことは大事ですね。

身元保証人がいないと発生する問題

世の中の人誰もが、パートナーや親族がいてくれるわけではありません。

生きてきた境遇によって、置かれている環境は様々です。

独り身の老後は、時間もお金も自分のためだけに使える!と思いますが、大きな落とし穴があるのです。

例えば、親族と全く関わらないまま独身生活を送り、定年退職したとします。

そして、老後のセカンドライフのために心機一転、引っ越しをしたとします。

ですが、賃貸住宅のオーナーから「身元保証人がいないと貸せません」と断られることも多いのです。

貸してもらえなければ、住む家がなくなってしまい、困ってしまいますよね。

老後に困ってしまうことは、賃貸問題だけではありません。

老人ホームに入るときにも、病気をして入院するときにも、身元保証人が原則、必要となります。

独り身にとって、誰かに身元保証人を依頼するのは、大変なことです。

依頼する側も、依頼される側も高齢になってしまうと、そう簡単に身元保証人を引き受けることはできなくなるのです。

親族に身元保証人を頼めない場合

老後生活を送り、やがて高齢になり賃貸ではなく、老人ホームなどの介護施設に入りたくなる場合が出てくる可能性があります。

親族に身元保証人を頼めない場合は、どうしたらいいのでしょうか。

そういった場合は、任意後見制度を利用してみてはいかがでしょうか。

この制度によって、受け入れてくれる介護施設や病院は、実際に少なくありません。

任意後見制度とは本人に判断能力があるうちに、将来、認知症などで判断能力が困難な状況になったときの任意後見人を、事前の契約によって決めておく仕組みです。

どこまでを委任するかは、話し合いで自由に決定することができます。

後見人は、誰を選出しても大丈夫です。
そのため、弁護士や司法書士、社会福祉士などへの依頼も可能です。

各地の弁護士会、専門職団体でも、相談に応じてくれるはずです。

後見人は、介護などの直接的なお世話はしてくれません。

しかし、入院や老人ホームの利用手続きをはじめ、介護サービスの手配、預貯金の引き出しや各種支払いなどの財産管理も依頼できます。

ぜひとも、信頼できる人にお願いしたいものですね。

契約内容は公正証書で交わされ、その内容は法務局で登記されます。

本人の判断力が低下した際は、申し立てにより家庭裁判所が監督人を選任して、後見人の仕事ぶりをチェック確認します。

本人が死亡した後の葬儀や納骨、各種費用の清算、家財道具の処分などの支援は「死後事務委任契約」を交わしておけば、対応してもらえます。

老後の住まいの情報は若いうちから

頼める親族がいない「独り身」にとって、身元保証人は悩ましい問題のひとつですね。

老後のセカンドライフを考える上でも、住まい選びは、とても重要です。

そのときになって困らないように、老後の住まいについての情報を、今からでも得ておきましょう。

何はともあれ、若いうちから貯蓄をしておけば、老後の選択肢は広がりますね。