リタイア後の生活設計!老後に賃貸が借りられないのは本当?

生活費の中でも、住居費は大きな割合を占めます。
それだけに、住むところというのは、私たちの生活の大切な基盤だと言えますよね。

住居については、金銭的な事情や生活スタイルなどによって、持ち家派、賃貸派と大きく分かれるところです。
ここでは、賃貸派の皆さんの老後について、少し考えてみたいと思います。

もし、老後に賃貸が借りられないとしたら、どうしたらよいのでしょう。

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老後も賃貸に住むにあたっての不安要素

持ち家派の人は普通、一応は終の棲家と考えて家を買うものです。

一方、賃貸派の人が現在そこに住んでいるのは、職場に近い・家賃が安い・子育てに便利など、いろいろな理由があると思います。

つまり、大半がこれから一生のことを考えて、そこに住んでいるかと言えば、違うのではないでしょうか。

そこで、老後という観点で考えてみるとします。

仕事をリタイアしたら、職場の近くでなくてもよくなります。

家賃が安いからと住んでいたところでも、老後を考えるともう少し駅の近く、スーパーの近く、または総合病院の近くにと考えるかもしれません。

ファミリーの家庭は、子供が巣立って夫婦二人になった場合、学校の近くである必要はありませんし、もう少しこじんまりした間取りで十分かもしれません。

賃貸なのだから、そのときになったら改めて引っ越しを考えよう、という方もいると思いますが、本当にそれでよいのでしょうか。

実は賃貸派の皆さんの中には、老後に賃貸が借りられなくなるのでは、という不安を持っている方もいるようです。

では、なぜ借りられないなどということが起こるのでしょうか。

老後に賃貸が借りられないとうのは本当か

賃貸派の皆さんが抱える「老後に賃貸が借りられないかもしれない」という不安は、あながち要らぬ心配とも言えません。

賃貸住宅を貸して、生業を得ている大家さんの立場に立って考えてみたいと思います。

定年を迎えてから賃貸に引っ越してくる人は、社会的に見て、将来の充分な収入が保証されていないとみられるのです。

もちろん、退職金が十分にある人もいるでしょう。

しかし、一般に年金だけで生活するという場合は、これまでより収入が減るという人が、ほとんどです。

国のデータによると、現在の年金生活者の家計支出平均額は、月額で25万円弱というのが実態です。

一方、公的年金の平均支給月額はというと、会社勤めをしていた男性と専業主婦家庭を例にとると、合計で23万円程度の支給しかないのです。

そのうえ、もし病気になったら、もし片方が亡くなったとしたら、年金だけで生活が成り立つでしょうか。

これはあくまで現在の平均の話ですが、年金は今後、増えるということは、あまり現実的ではありません。

また、支給開始年齢の引き上げも検討されており、貰える年齢自体が引き延ばしにされるという可能性が高いのです。

ここから予想される定年後の入居者の生活は、余裕のないものになる可能性が高いと言えます。

もし、生活が立ち行かなくなって家賃が滞納されたら、と考えるのが大家さんの立場では、普通ではないでしょうか。

不安に思って、高齢者を敬遠する理由がわかりますよね。

老後に賃貸が借りられないもうひとつの理由

大家さんにとっての不安は、家賃滞納だけではありません。

昨今もニュースなどで、老夫婦の家が火元となって近隣の住宅が延焼したり、独居老人の孤独死などが報じられています。

高齢になると、身の回りのことに注意が届かなくなるのは、仕方のない現実です。
可能性として、高齢者の方が若い人より、火の不始末を起こす心配はあるでしょう。

もし、自分の所有するアパートやマンションが火事になって、入居者がたくさん亡くなったり、近隣の家に延焼してしまったら大変なことです。

そして、一人暮らしで孤独死するのは、圧倒的に高齢者です。

老後に賃貸に住んで、一人で生活する高齢者が、体調が悪くなって誰にも助けが求められない場合、そのまま亡くなってしまうケースがあります。

もし、自分の所有する部屋で入居者が孤独死し、放置されていたらどうなるでしょう。
孤独死のことが風評で広がると、新たな入居者が探しにくくなります。

それに加えて、他の部屋を借りている人が出て行ってしまうということも、考えられなくはありません。

そんなリスクを抱えてまで、高齢者に部屋を貸そうとするでしょうか。
大家さんの立場で考えると、老後に賃貸が借りられないのは、致し方ない事情と言えそうです。

老後すべての賃貸が借りられないわけではない

では、100%老後に賃貸を借りられないのかというと、そうではありません。

確かに高齢者に部屋を貸すことはリスクが高いと考えられますが、昨今の少子高齢化社会を考えると、そんなことばかりは言っていられない側面があります。

日本人の平均寿命は延び続け、最新のデータでは、男性で80.98歳、女性は87.14歳と過去最高を記録しています。

さらに近い将来、女性が90歳を超え、男性も85歳に近づくという予測もでています。

また、平成28年の全人口に占める65歳以上人口、いわゆる高齢化率は27.3%になっています。
さらに平成52年には35.3%、つまり3人に1人が65歳以上になるという予想が出ています。

一方、賃貸の空き室率は緩やかではありますが、上昇傾向にあります。

大家さんの立場になると、空き室はないほうが、有難いのも確かです。
なぜなら、空き室は、そのままストレートに収入減につながるからです。

そこで、大家さんの考え方次第になりますが、高齢者であっても、貸すことを検討するところも現実にはあります。

実際、賃貸情報サイトなどでも、シルバー向け賃貸のサイトを立ち上げているところがいくつかあります。
現在、引っ越しを検討している方などは、一度検索してみるとよいでしょう。

老後でも借りられる賃貸にはこんなものもある

現在でも、シルバー向け賃貸はあると言いましたが、その中のひとつを詳しく見てみましょう。

それは、名前を見聞きされた方も多いかと思いますが、URというものです。

独立行政法人都市再生機構が管理している賃貸住宅をUR賃貸住宅といい、その中に、「高齢者向け優良賃貸住宅」というものがあります。

主に1階を中心に、バリアフリーや手すりの設置をするなどして、老後に住みやすい状態に手を入れてあります。

そして、一定以下の所得の人に一定の期間、家賃負担の軽減をする仕組みになっています。

入居の資格要件として、60歳以上の単身者、もしくは60歳以上の本人とその配偶者、60歳以上の本人と60歳未満の親族というものがあります。

家賃軽減分は、国とUR都市機構が半分ずつ負担します。

URのおすすめのポイントは、

・保証人がいらない
・抽選ではなく、ほとんどの物件が先着順である
・敷金は掛かるが、礼金・更新料・仲介手数料が掛からない

などです。

他に、人によってはデメリットになるかもしれませんが、有料の緊急対応サービスへの加入が必須であるという点があります。

元気なうちは余分な出費になるかもしれませんが、何かあった場合は駆けつけてくれるサービスなので、単身の方の老後には、良いシステムと言えるかもしれません。

他に公団住宅などもありますが、抽選になりますので、申し込みをしても借りられないこともあります。

老後になって借りるより少し早めに老後の計画を

さて、老後に賃貸が借りられないかというと、借りられるところもあるということをお話ししてきました。

しかし、何事も備えることが一番大事です。

さあ老後だ、借りようではなく、老後になる前にきちんと計画を立てることが、備えになるのではないかと思うのです。

数年前から、ねんきん定期便というものが日本年金機構から送られてくるようになり、個人個人が現状でもらえる年金額を、ある程度把握することができるようになりました。

それをもとに、定年になる前のできるだけ早いうちから、自分や家族の老後の資金計画について考えてみてください。

老後どの土地に住むか、都会か田舎か。
そこでの生活費はいくらくらいか、家賃にいくらくらい支払えるのか、払える金額に見合った物件があるかなど。

そのようにして備えをして、定年までに早めに安住の地を見つけることができれば、安心して老後のスタートが切れるのではないでしょうか。

老後の不安を抱えるのは賃貸派だけではない

賃貸についてみてきましたが、一方の持ち家派が安心かというと、もちろん100%安心であるというわけではありません。

ローンの支払いが完済する前に定年したり、分譲マンションは、今後管理費や修繕積立金が上がる可能性もあります。

賃貸の家賃もしかりです。

どちらにしても、安心して老後を過ごすためには、1日も早い老後の生活設計を考えてみることを、ぜひおすすめします。

そして、安心して老後を迎えていただきたいと思います。