車で道路を走るときに、その道路が公道か私道かについて考えている方は少ないのではないでしょうか。
そこに道があるのなら、誰でも通行可能だと思ってしまいますよね。
しかし、もし道路が私道だった場合、利用するには通行権が必要です。
もし、これから土地や物件を購入する予定のある方は、隣接する道路について事前に確認したほうが賢明でしょう。
まずこれを知ろう!公道と私道について
道路には公道と私道の二種類あるのをご存知でしょうか。
この記事では私道の通行権についてご紹介していきますが、まずはこの二つの違いについてお話ししていきましょう。
最初に公道についてです。
公道には、主に次のようなものが該当します。
・国道
・都道府県道
・市町村道
これらの道路であれば、誰でも車を走らせることは可能で、権利などは必要ありません。
次に私道についてのお話しです。
私道について考えるためには、道路と建物の関係性を知りましょう。
建築基準法の中に、「建物を建てるためには幅が4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならない」という決まりがあります。
また、道路の幅が4メートルに満たない場合は、その道路の中心線から建物を2メートル後退させる必要があるのです。
この決まりを満たすために、私道がつくられることが多いです。
私道は限られた建物に必要となる道路なので、その利用者は限定されます。
私道を車で通るためには通行権が必要!
私道とは、その名の通り私人が所有している道路となります。
限られた人だけが使用できる道路なので、誰でも利用可能という訳ではありません。
多くが、私道に面している建物に居住している方の利用で、使用の権利だけではなく、維持管理もしていかなければなりません。
そのため、私道によっては、関係者以外は通行禁止という標識や、ポールなどの障害物が置かれており、所有者以外の車の侵入を防いでいることがあるようです。
私道を利用するためには権利が必要で、その権利を「通行権」と言います。
通行権には以下のものを挙げられます。
・所有権
・地役権
・囲繞地通行権
通行権によって、その効力や内容が変わってきます。
それぞれの通行権についてこれから詳しくお話ししていきましょう。
所有権があれば私道を車で通行できる!
先ほどご紹介した3つの通行権のうち、最も効力を持つのが所有権です。
所有権があれば、私道を車で自由に走ることができ、扱いにも制限がありません。
扱いに制限がないということは、私道に穴を掘ったり、自宅に置ききれなかった車を駐車したりすることも可能ということです。
しかし、このような自由が利くのも所有権が一人だけのときに限られます。
私道によっては所有権を複数の人間が保有していることもあり、ほとんどが私道に隣接している建物に居住している人達であるはずです。
その私道の保有に関しても、一つの私道を全員で共有しているのか、あるいは私道を細かく分けてそれぞれの建物ごとに一部分だけを保有しているのかなど、様々なケースがあります。
私道はそれぞれにケースが異なり、中には複雑なケースが適用されていることもあります。
そのため、後になって問題が起こらないようにするために、私道を利用している方々で、道路管理の約束が書かれた覚書を作成しておくと安心です。
私道は基本的に所有者が管理を行うため、費用の負担で問題が大きくなることも考えられますので、前もって取り決めを行ったほうが良いでしょう。
車の通行が許されるかも?地役権とは
次にお話しするのが、地役権についてです。
所有権に次いで効力を持つ通行権が地役権となります。
地役権は、自分の建物を利用するためには、私道を使うことがやむを得ないといった場合に適応されます。
たとえば、自宅の3方向に他人の敷地があり、目の前の道路しか出入りができなかったとします。
いわゆる袋小路の土地が当てはまります。
その場所の道路が公道、もしくは自分で所有権を持っているのであれば、車での通行が可能でしょう。
しかし、なかには道路の所有権を有していない物件もあります。
そのような場合に必要となるのが地役権です。
地役権を取得するためには、その私道の所有者に一定のお金を支払い、地役権を設定してもらうのが一般的です。
そうすることで、私道を利用する権利を取得できるのです。
地役権を設定するときには、地代のほかに補償料が含まれていることもありますので、支払いの際にはしっかりと確認するようにしてください。
地役権は登記が可能で、その際に地役権を設定する契約を設ける場があると思いますので、車の通行や私道の修理や工事についてもあらかじめ決めておきましょう。
囲繞地通行権とはなに?
最後に囲繞地(いにょうち)通行権についてのお話しです。
囲繞地通行権は地役権を行使するときと同じく、建物が袋小路になっていて他人の土地を通らざるを得ない場合に必要になる通行権です。
地役権との違いは私道だけではなく、道路と定められていない土地も適用の対象となるということです。
囲繞地通行権を設定できる土地は、相手方の土地の所有者に最も損害が少なくなる場所を選ばなければなりません。
そのため、道路と設定されている私道だけではなく、車が通るギリギリの幅である場所に囲繞地通行権が当てはまる場合もあります。
そのような土地に通行権があるのが納得できないこともあるかもしれませんが、他人の土地を利用させてもらっているのですから、文句は言えません。
また、無償で通行を許されているのではない限り、その土地の所有者に金銭の支払いが必要になります。
通行路を開設するための費用だけではなく、その土地を利用するための利用料も発生します。
こちらも、土地の所有者によって、契約内容に違いがありますので、詳細の確認を怠らないようにしましょう。
土地や物件を購入するときは道路の種類や通行権の確認を!
道路が公道か私道かによって、利用するための条件は変わってきます。
隣接する道路が公道の場合は、何の心配もなく車で通行することが可能です。
しかし、私道ともなれば話は変わってきます。
私道の場合、使う権利を有しているかどうかが大切です。
もし、その土地や建物に私道を使用する権利がない場合は、担保価値がないとみなされ、ローンを組むことができません。
そうすれば、改築や建て替えも難しくなり、さらには道路を利用できないので、生活を送るうえでも支障をきたしてしまいます。
そのため、土地や物件を購入する際は、隣接する道路の種類や通行権の有無について必ず確認を行ってください。
私道を共有することになる場合は、登記簿に記載され、相続の対象となる財産とみなされることでしょう。
私道の場合は、土地や建物の説明事項に「私道持分1/6」「私道の持分なし」などの記載があるかと思いますので、そちらを確認してください。
価格が安く設定されている代わりに、道路の所有者が分からなくなっていたり、持分がなかったりすることもありますので、土地や物件をご購入する際は道路の使用権利について見落とさないように注意しましょう。
不動産を取得する際は道路の確認を忘れずに!
土地や建物を購入するときに、隣接する道路がどのような状況なのか確認することを忘れてはいけません。
道路の状況次第では、不動産の価値そのものに大きな影響を与えることもあるので注意しましょう。
とくに私道の場合は、通行権の問題が複雑に絡み合っていることがあります。
現在不動産を所有している方も、通行権が今どのような状態になっているのか、今一度確認しておくのもいいかもしれませんね。