窓の幅や高さに決まりはある?建築基準法をもとに考えよう!

住宅を建てるときには、窓の配置も重要なポイントとなります。

どこに窓を作るのか、幅や高さなどのサイズはどうするのかなど、決めなければならないことがたくさんあるでしょう。

しかし、日本で住宅を建てるときには建築基準法にのっとった窓造りをする必要があります。

今回は、建築基準法における窓の基本的な考え方についてお話しします。

また、窓の役割や種類についてもご紹介するので参考にしてみてください。

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窓の持つ役割

住宅において人が生活を送ることになる室内には、適切な高さや大きさで窓を設置しなければなりません。

これは、建築基準法でも決められています。

建築基準法における窓の規制については後ほど詳しくお話ししていきますが、その前にまず窓の持つ役割についてご紹介していきましょう。

〇採光

日の光を室内に取り込みます。

〇換気

空気の入れ替えを行います。

〇断熱

熱による室内への影響を抑えます。

〇防火

火が燃え広がるのを防ぎます。

〇防犯

侵入者の室内への侵入を防ぎます。

〇視認

窓の外を目視で確認できます。

〇装飾

室内や外観を彩ります。

このように、窓は私たちの生活に欠かせない役割を果たしてくれています。

新しく住宅を建てるなら、設置する窓についてもよく考える必要があります。

次の章では、住宅を建てるときによく選ばれる窓の種類についてご紹介していきましょう。

住宅に選ばれる窓の種類

人が生活を送る部屋に、窓は欠かせない存在です。

それでは、一般的に住宅を建てる際に選ばれる窓には、どのような種類があるのでしょうか。

●引き違い窓

引き違い窓は、二枚に分けられたガラス戸を左右にスライドさせて動かす窓です。

多くの住宅でこの種類の窓を見掛けるのではないでしょうか。

一般的な住宅で多く普及されているので初期費用も抑えられ、シンプルな構造のため設置する場所を選びません。

窓の高さを調整して床ぎりぎりに設置することで、室内と庭の出入り口として使われることもあります。

●すべり出し窓

すべり出し窓は、溝に沿って開閉を行う窓です。

開閉の向きによって溝の位置も異なり、縦開きと横開きの2つのタイプに分かれます。

この種類の窓は、換気の役割を大きく担ってくれます。

窓ガラスが外に大きくせり出す形状になるので、設置する場所は選びましょう。

●はめ殺し窓

はめ殺し窓は、開閉できない形状の窓です。

窓を開けられないため換気はできませんが、前項でご紹介したようなその他の役割については役目を果たしてくれます。

開閉の目的を持たないため、デザイン選びの幅が広く、窓の装飾として活用できます。

いくつかの窓の種類をご紹介してきましたが、これらの窓を設置するためには、いくつかの決まりを守る必要があります。

その決まりを建築基準法と照らし合わせながら考えていきましょう。

窓の幅や高さなどを決める前に!建築基準法から考えよう

建築基準法において、住宅の窓にいくつかの規制が定められています。

この建築基準法とは、日本で安心・安全に暮らすために作られた、建物や土地に関する決まりごとのことです。

住宅を建てるときにも、建築基準法の決まりを守る必要があり、これにより秩序が保たれます。

例えば、民家が立ち並ぶような場所に、大きな工場は建てられません。

これは、人が住むべき場所を守り、健全な生活の営みを送るうえでゆずれないことの一つです。

この他にも、土地に対する容積率や建蔽率、高さ制限だけではなく、室内の造りについてもいくつかの規制があります。

もちろん窓にもその規制が適用されます。

その窓への規制は主に以下の3つです。

1.採光

2.換気

3.防火

住宅で居室と言われる場所は、この規制を守る必要があります。

それぞれの規制については、次章から詳しくご紹介していきます。

幅と高さから大きさを導き出そう!採光と換気の基準とは

まず、建築基準法での採光と換気に関するお話です。

建築基準法では、採光は「採光として有効な面積が、居室の床面積の7分の1以上の窓が必要」と規制されています。

換気は「換気として有効な面積が、居室の床面積の20分の1以上の窓が必要」となります。

居室というのは、居住・執務・作業・集会・娯楽、その他これらに類する目的のために継続的に使用する室のことを指します。

(建築基準法2条4号)

つまり、浴室やトイレ・廊下などは居室に含まれません。

例えば居室が10畳だったとします。

10畳は16.6m2となりますので、採光の目的の場合7分の1以上となると2.37m2以上の窓が必要ということになります。

換気の目的の場合は20分の1なので、0.83m2ということです。

これらの基準を満たしている窓が必要になるということは、どの程度の大きさの窓が必要なのでしょうか。

引き違い窓に当てはめて考えてみましょう。

多くの窓には規格サイズが用意されています。

一般的な住宅の引き違い窓に多く採用されているのが、幅が1690mmのサイズで、高さは比較的自由に決められることが多いです。

このことから導き出すと採光では幅が1690mmに対して1402mm、換気では491mm以上の窓の高さが必要ということです。

しかし、換気の場合は窓を開けた部分のみが有効な面積となります。

引き違い窓の場合は、有効面積が半分になるので注意しましょう。

窓の採光の基準を決めるのは幅や高さだけじゃない!

窓は、採光と換気の観点から必要な大きさが決まります。

しかし、採光の場合、ただ単純に窓の幅や高さを決めればいいという訳ではありません。

採光に有効な窓の面積としては、実際の窓の面積の他に採光補正係数という値が必要になります。

採光補正係数とは「住宅の屋根の先端から隣地境界線までの距離」から「設置したい窓の中央にあたる部分から屋根の先端までの距離」で割ったものです。

隣地境界線とは、土地と土地の間に設定された線のことです。

この採光補正係数に窓の実際の面積を掛けることで、建築基準法にかかわる採光のための正しい値が計算できます。

住宅が建てられている状況によっては、日の光が十分に確保できないこともありますので、これらの点についても考えておく必要があるでしょう。

窓の防火に対する性能も大切

窓は防火についても規制があります。

建築基準法では、防火地域と準防火地域のことについても考えなければなりません。

都市を整備するための都市計画法では、場所によって防火地域と準防火地域が定められています。

防火地域と準防火地域は建築基準法により、窓などの開口部を防火性に優れた素材や構造のものにしなければなりません。

なぜなら、開口部からの炎が原因で、隣家へと火災が燃え広がることが考えられるためです。

防火性に優れた窓への具体的な対策としては、網入りガラスや防火シャッターを取り入れることです。

また、サッシに燃えにくい素材を選ぶのも大切です。

窓の幅や高さに明確な決まりはないと言います。

何にしても、防火地域と準防火地域では窓の設置費用が比較的高価なことがネックになります。

とはいえ、火災による被害を少なくするためにも、できる限りの窓への防火対策は行っていきましょう。

決まりを守って窓のサイズを決めよう!

部屋に窓を設置する場合は、ある程度の大きさが必要になります。

建築基準法でも窓の最低限必要なサイズが決められており、小さすぎる窓は違反になるかもしれませんので注意しましょう。

窓は様々な役割を持ち、私たちの生活の一部として欠かせない存在ともいえます。

その窓も様々なタイプのものが用意されていますので、住宅にあった窓選びを行ってください。