毎日暮らしているなかで、日中は仕事に出かけているため、「部屋にいる時間はあまりない」という方も多いことでしょう。
そのため、部屋の窓はしばらく閉めたままになっている場合も多いのではないでしょうか。
ここでは、部屋の換気をすることの必要性をはじめ、効率よく換気をするための窓の隙間の開け方や窓用換気扇などをご紹介していきます。
きれいな空気の部屋で暮らしたいという方は、ぜひ、参考になさってください。
窓の隙間や換気扇で部屋の換気をする必要性
部屋の窓を開けたり、換気扇をまわして換気したりすることは、思っている以上に大切なことです。
換気をすることにより、次のようなことを予防できるとされています。
●ハウスダスト・結露
ハウスダストは、目に見えないところで部屋のなかの空気中で舞っている可能性があります。
また、部屋のなかに湿気がこもることにより、カビやダニが発生しやすくなります。
換気をすることで、ハウスダストを外へ出し、湿気を取り除けば結露の発生も防ぐことにつながります。
●シックハウス症候群
建材や家具に使われている化学物質が空気中に漂い、それを吸い込むことにより、めまいや頭痛、湿疹、のどの痛みなどの症状が起こります。
こちらも換気をすることによって、汚染された空気を新しい空気と入れ換えることができ、諸症状が起きるのを防ぐことにつながるでしょう。
●ニオイがこもる
特に、アパートやマンションなどのワンルームの部屋など、キッチンがある閉めきられた部屋では、様々なニオイが染みつきやすくなります。
窓の隙間などや換気扇をまわして空気を入れ換えることにより、空気中に残っているいやなニオイなども消す効果があります。
換気扇や通気口を設置する決まりもある!
換気の重要性は、建築基準法によって定められたことによってもわかります。
2003年に、シックハウス対策のための規制が施行されました。
それにより、建物の機械換気の設置が義務づけられ、「1時間あたり部屋の空気の半分を入れ換えること」が定められました。
そのため、2004年以降に完成した建物には、換気扇と通気口がセットで設置されているはずです。
換気扇をまわすだけでは換気扇のまわりの空気しか流すことができないため、通気口も設置されることになりました。
建物により通気口の形状は違いますが、通気口の狭い隙間から新しい空気を部屋のなかにとり入れることができます。
築年数の古いマンションやアパートでは、通気口がなく、そのかわりに窓の上に換気用の小窓があるタイプやサッシの上部にスライド式の通気穴があるなどします。
そのような狭い隙間からでも換気をすることが必要です。
窓の隙間は小さくてよい?窓を開けて換気をする正しい方法
換気が必要だからと言って、窓を全開にして換気をしている人は多いのではないでしょうか。
しかし、窓を全開にしたとしても、換気が十分に行なわれるとは言えません。
風が強く吹いている日であれば、窓を開けている分、風は入ってきますが、風の弱い日になると、換気をする力も弱くなります。
さらに、換気ができないだけではなく、外の温度と部屋のなかの温度が同じになるだけで、暑さや寒さを感じることになるだけだとも言われています。
そのため、窓をどのように開けたらよいのかというと、5~15cmくらいの狭い隙間を開けるだけで、十分に風を通すことができるとされています。
窓を開けるだけではなく、換気扇も使用することで、うまく換気ができるでしょう。
また、換気をする時間帯としては、湿度が低いとされている「12~16時」が適していると言われています。
ただ、夏場は気温が高くなるため、換気をする時間も考慮する必要があり、熱中症などにならないよう、気をつけましょう。
窓用の換気扇もある!種類も豊富
窓を開けるだけではうまく換気をすることが難しいような部屋に住んでいる場合には、窓用の換気扇をつけるという方法もあります。
窓の隙間から外の熱い空気が入ってきてしまう暑い夏にも、そのような換気扇を使うことがおすすめです。
窓用の換気扇には、次のような様々なタイプがあります。
・トイレなどの小さい窓用のもの
・開閉できない窓に直接つけるタイプ
・外の空気を入れるだけのタイプ
・排気機能のみのタイプ
・吸排気一体型のもの
・防犯機能も付いているタイプ
・タイマー式のもの
このように、窓用の換気扇と言っても、種類が豊富にあり、選ぶのに迷ってしまうかもしれません。
換気をうまくすることができない部屋であれば、吸排気一体型のタイプを使用するとよいでしょう。
窓用の換気扇の機能別に見た種類は、上記のように多種ありますが、賃貸物件では、室内の設備などに穴を開けるなどする設置方法のものは使用できません。
そこで、賃貸物件でも使用することのできる窓用の換気扇を次章でご紹介していきます。
賃貸物件でも使用できる?工事不要の窓用換気扇
先述したように、賃貸物件に住んでいる場合は、部屋の壁や設備に対して、穴を開けたり、何らかの工事を行なったりすることはできません。
しかし、「室内の換気をするために換気扇をつけたい!」という方のために商品例をご紹介します。
●パナソニック:窓用換気扇 FY-20WF2
窓の高さが394mm~1100mmあれば取りつけることができます。
壁に穴を開ける必要がなく、簡単に設置できます。
ひもをひっぱるだけなので、換気したいときには、すぐに起動することができるでしょう。
また、安全対策として、使用中にカーテンを巻き込むことを防止する「防止ガード付」です。
●マンション・団地の換気扇
公営の住宅やマンションなどの小さい窓向けの換気扇です。
工事が不要なので、賃貸物件でも使用することが可能です。
排気機能タイプのため、外のほこりなどは入ってくることはなく、安心して使用できます。
常に起動させておくことで、室内の空気をいつでもきれいに保てることでしょう。
ただ、賃貸物件でも使用できる換気扇のなかには、起動すると大きな音がするものもありますので、騒音とならないよう、使用する時間には気をつけましょう。
次は、換気につながる「隙間」のお話です。
換気に役立つポイント!「隙間」があるとよい?
これまで、部屋のなかの換気をしやすくするための窓の開け方や、窓用の換気扇のご紹介をしてきました。
窓を開けたり、換気扇をまわしたりすることによって換気をすることはできますが、さらに効率よく換気をするためのポイントがありますので、ご紹介します。
●家具と壁の間に隙間をつくる
タンスや本棚などの家具は壁際に置くことが多いものです。
部屋を広く使いたいことや、見た目の問題などにより、壁にそれらの家具をぴったりつけるように置いている方も多いのではないでしょうか。
しかし、家具を壁にぴったりとつけてしまうと、隙間がなくなり、風が通らなくなります。
そのため、ほこりなどがたまりやすい家具の裏側などの換気ができないため、ダニやカビが発生しやすい環境になる恐れがあります。
そこで、家具と壁の間に隙間をつくることにより(5cmくらい)、換気を行なっているときに、風を通しやすくなります。
●空気の流れを意識する
これまで、窓を開けることで換気ができるとお話ししましたが、しっかりと空気を流すためには、2か所以上の窓を開けるとよいでしょう。
理想的な開け方は、対角になっている場所の窓を開けることです。
もし、部屋や窓が一つしかない場合は、窓を開けるのと同時に、換気扇をまわし、空気の流れをつくることが大切です。
空気を流すポイントをおさえて効率的に換気をしよう!
部屋の換気をすることの必要性や、効率よく換気をするためのポイントはおわかりいただけたでしょうか。
きれいな部屋で暮らしていくためには、そうじをしっかりするだけではなく、部屋の換気もして空気をうまく流していくことも必要です。
窓を開けながら換気扇も使用するなどして、効率よく換気をしていきましょう。