近年、マンションなどの高層階の窓やベランダからの子どもの転落事故が増えてきています。
目を離したちょっとのすきにそのようなことが起こらないようにするためには、どのような転落防止策をとることができるのでしょうか。
ここでは、転落防止のために気をつけることや、DIYで手軽にできる対策をご紹介していきます。
「うちの子どもが同じように誤って落ちないか心配…」という人は、ぜひ、参考になさってください。
子どもの窓やベランダからの転落事故における共通点
過去に起こった、窓から子どもが転落死した事故には、いくつかの共通点があります。
・3~4歳くらいの子ども
・時間帯は朝または夕方
・マンションの高層階からの転落
・ベランダなどに置いてあったものに乗っての転落
・子どもを残して親が外出した間に起こった
などのことが挙げられます。
このことを見てわかるのは、たとえちょっとの間であっても、「子どもを部屋に一人で残して出てはならない」ということです。
近年では、高層マンションが増え、子どものいる家庭も高層階に住むことが珍しくなくなってきています。
そのように、高層階で育ったことにより、「高い場所でも全然怖くない」という「高所平気症」と言われる子どもも増えてきているとされています。
そのため、高層階から下をのぞいても怖くないので、ベランダにある何かに足をかけ下をのぞきこむうちに、誤って転落してしまうということが起こってくるのです。
それでは、子どもの窓からの転落防止をするためには、どのような対策をすればよいのでしょうか。
自分でもできる転落防止のためのDIYの方法を後ほどご紹介していきます。
窓やベランダからの転落事故が増えている!転落防止策とは
高層マンションなどの窓やベランダからの子どもの転落事故が増えていることにより、東京都でも色々な対策を提言しています。
そのなかでも、転落防止につながる対策として、おもに次のようなことがあります。
●ベランダの手すりの開発について
・ベランダにある手すりの高さは、1,100mm以上を確保し、後に1,200mm以上にすることも検討。
・足がかりの上部から手すりまでの高さを十分にとる。
・手すりの下部と足がかりとのすき間を110mm以下とし、後に90mm以下とすることも検討。
・手すりそのものに、注意喚起の旨をシールなどにより表示する。
●ベランダ周辺の環境について
・室外機などは手すりから60cm以上離すことなどにより、子どもの足がかりにならないような対策をする。
●新たに入居する人への注意喚起や情報の提供
・高層マンションに引っ越しをしてきた際に、転落防止の具体的な対策方法などの情報を提供する。
このような対策案が進められていますが、自分の子どもの安全は、自分たちで守らなければなりません。
そこで、次章からは、自分でもできる転落防止のためのDIY方法をご紹介していきます。
手軽にできる!窓やベランダからの転落防止のDIY
子どもの転落防止をするためには、まずは、窓からベランダに出られないようにすることが必要でしょう。
そのために、自分でも簡単にできる転落防止のためのDIYには次のようなことがあります。
〈用意するもの〉
・100円ショップで販売されているワイヤーネット 数枚(窓の幅による)
・貼ってもきれいにはがせるフック(賃貸物件の場合は特に、はがしても跡が残らないものがおすすめ)
・結束バンド 数本
〈作り方〉
ワイヤーネットを窓の幅分になるように並べ、結束バンドを使用して固定します。
そして、壁に貼り付けたフックに引っかけて固定できれば完成です。
このように、100円ショップで購入できるワイヤーネットを使用すれば、それほど費用もかからずに簡単に安全対策をすることが可能になります。
しかし、「100円ショップのワイヤーネットでは心配だ」という人のために、さらに頑丈な材質のアイテムも次にご紹介します。
頑丈な転落防止用のバーもDIYで設置が可能!
子どもの窓からの転落防止のために、自分でもできるDIYが可能な製品には、次のようなものがあります。
●窓用落下防止手すり ハイウェイブWD型
・アルミ製角パイプ:厚さ2mm、長さ1,601mm~1,800mm
・カラー:シルバー、ブラック、ステンカラー
・取付ビス付属
手すりの寸法は、必要な長さを指定すればその通りにカットしてもらえます。
そして、DIYと言っても、この場合に自分で実際に行なうことは、窓枠に付属の取付ビスをねじで留めるだけです。
しかし、賃貸のマンションなどに住んでいる場合は、「ねじ」を使用することはできませんので、残念ながらこの商品はおすすめできません。
そして、ねじで留めたビスにパイプをかけて完成です。
カラーも3色ありますので、お部屋のカラーに合わせることができ、部屋のイメージをこわすことなく取付けることが可能です。
「頑丈で本格的な手すりを自分で簡単に取り付けたい」という人にはおすすめの商品です。
窓やベランダからの転落はペットにも起こる?!DIYで対策を
高層階の窓やベランダからの転落事故を起こす可能性があるのは、子どもだけではありません。
部屋の中で飼っているネコやイヌなどのペットも転落してしまう可能性が大いにあるのです。
家族と同じように大事に飼っているネコやイヌがそのようなことにならないようにするために、自分でできる転落防止のためのDIYには次のようなことがあります。
その材料となるものは、ホームセンターなどで販売されています。
〈用意するもの〉
・窓枠サイズの金網やネット
・窓の高さに合う突っ張り棒
・結束バンド
〈作り方〉
窓枠の大きさに合わせた金網やネットの左右と突っ張り棒を結束バンドを使用して固定しましょう。
そして、突っ張り棒を窓の高さに合うように伸ばしながら固定します。
金網やネットだけでは心配な人は、周りに角材を使用した枠を作り、それに固定してから突っ張り棒に結ぶ方法をとってもよいでしょう。
ベランダがある場合は、できるだけペットが部屋からベランダに出ることを防ぐことが必要です。
本格的な転落防止対策をしたい人におすすめ!
これまで、子どもやペットの窓やベランダからの転落防止をするためのDIYの方法をご紹介してきました。
どの方法も、自分で簡単にできるものばかりです。
しかし、ワイヤーネットや突っ張り棒を使用するような「簡単なものでは心配だ」という人には、次のようなおすすめの製品があります。
●日本ビルダー:マドモアセーフ
特殊な工事が不要で、自分で窓のレールにはめ込むことのできる「サッシ型の窓枠」です。
サイズは、それぞれの窓枠に合わせて作るオーダーメイドになります。
窓のレールにはめ込むだけなので、窓枠や壁などを傷つけることがなく、マンションなどでも使用することが可能です。
また、これまでご紹介してきたような転落防止のためのアイテムだけでは心配な人には、窓のレールに簡単に取り付けることのできる補助錠を使用することもおすすめです。
補助錠を付けることにより、それ以上は窓が開けられないようになりますので、さらに安心感を得られるでしょう。
事故が起こる前に!早めに子どもやペットのための安全対策を
子どもやペットが窓やベランダから転落しないようにするために、どのようなことに気をつけたらよいかはおわかりいただけたでしょうか。
まずは、ベランダ周辺を見渡し、子どもの足がかりとなるようなものがないかを確認し、あれば撤去しましょう。
ここでご紹介したように、自分でもできる転落防止の対策には様々なものがあります。
確実に事故が起こらないようにするための方法を選び、早めに対策をしましょう。