小さいお子様やペットのいる家庭では特に、手軽で便利なアルコール除菌剤を使う機会が多いのではないでしょうか。
実はこのアルコール除菌剤、フローリングに直接使うことで、フローリングを白く変色させてしまう原因となります。
今回は、フローリングとアルコール除菌の関係、そして、白く変色してしまったフローリングの対処方法などについてお話ししていきます。
フローリングにアルコール除菌で白いシミ!?
スプレー式やプッシュ式のものなど、いつでも手軽に使えて便利なアルコール除菌ですが、実はフローリングとの相性はとても悪いのです。
たとえば、手を除菌しようとプッシュ式のアルコール除菌剤を使ったら、アルコールが少し床に垂れたり、飛び散ったとします。
経験された方も多いと思いますが、「アルコール除菌なので汚いものではないし、すぐに乾くだろう」とそのまま放置してしまいがちです。
それがフローリングでなければ、問題が起こることはあまりありませんが、フローリングならばそうはいきません。
そのままにすると、フローリングが白く変色し、シミのようになってしまうのです。
一体なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか。
次項では、その原因をくわしくお話ししていきます。
フローリングにアルコール除菌することで起こる変色の原因は?
フローリングにアルコール除菌剤を使うことで起こった変色。
一見、フローリングに使われている木の風合いの変化にも見えますが、実際にはフローリングに塗布されたワックスが関係していました。
アルコールには油を分解する働きがあり、油を落とす洗剤にもアルコールが含まれた商品が多数販売されています。
そして、一般的なワックスは油でできているのです。
そのため、アルコールがフローリングにこぼれることで、表面に塗布されたワックスを分解してしまい、ワックスが溶けてしまいます。
それこそが、フローリングを白く変色させてしまう原因なのです。
また、ちょっとした汚れや食べこぼしなどがあれば、ついついアルコール除菌タイプのウェットティッシュで拭き取りがちですよね。
しかし、このウェットティッシュであっても、ワックスを塗っているフローリングの場合には注意が必要です。
さっと拭く程度であれば変色は起こりにくいですが、何度か繰り返すうちにワックスの成分が溶け出し、白くなってきてしまう可能性があります。
フローリングが白くなってしまったときの補修方法
気を付けていても、うっかりアルコールをこぼしてしまっていたり、つい掃除に使ってしまい白くなってしまったということもあるでしょう。
先述しましたように、これはアルコールによりワックスが溶けてしまったことによって起こっているため、フローリング自体にはなんの問題もありません。
そのため、白くなってしまった部分のワックスを塗り直すことで、元に戻すことが可能となります。
基本的には、白くなった部分のワックスを剥離してから塗り直しをしていくことでキレイになります。
また、白くなってしまった範囲が狭かったり、アルコールが飛び散りポツポツと白く穴が開いたような程度であれば、軽く表面のワックスを剥がすくらいでも改善する場合もあります。
しかし、ワックスが溶けてしまい白くなった状態のまま長期間放置すると、フローリング自体にもキズや汚れが付くことがあります。
このようにフローリング自体にキズなどが付くことで、いくらワックスを塗り直しても思うようにキレイにならないことがありますので注意が必要です。
他にもある!?フローリングが白くなったときの補修方法
先述しましたように、白くなった部分を元に戻すには、一度剥離してからワックスを塗り直すことでキレイになります。
しかし、白くなった部分がとても狭い範囲であったり、剥離剤をそのためにわざわざ用意するのにも抵抗があるという方のために、剥離剤を使わない補修方法をご紹介していきます。
今では掃除用品の定番となっているメラミンスポンジですが、このメラミンスポンジが剥離剤の代わりもしてくれるのです。
メラミンスポンジを使いワックスの剥離が済みましたら、剥離剤を使った方法と同じように再度ワックスを塗り直すことで補修ができます。
また、アルコールが少しだけ飛び散ったような軽い症状のときならば、メラミンスポンジで軽く磨くようにするだけで補修ができる場合もあります。
とはいえ、メラミンスポンジも擦りすぎるとフローリング自体にキズを付ける場合もありますので、十分に注意して行うようにしましょう。
さらに、賃貸物件にお住まいの方で「白くなったフローリング部分の補修を試みたい」という方は、注意が必要となります。
メラミンスポンジを賃貸物件のフローリングに使うこともそうですが、ワックスを剥離し塗り直すという作業を考えている場合にも必ず、貸主や管理会社に連絡を入れてから行うようにしましょう。
何かあってからではトラブルの原因となりますので、必ず相談をするようにしてください。
アルコール以外でも!?フローリングが白くなってしまう原因とは?
アルコール除菌剤を使うことによって、ワックスを塗ったフローリングを白くしてしまうことはもうお分かりいただけましたね。
アルコール除菌剤以外にも、フローリングを白く変色させてしまう原因がありますので覚えておきましょう。
・マニキュアを落とすリムーバー
・熱湯
・エタノール
・濡れたものを長時間放置
・スチームクリーナー
他にも原因となるものはありますが、普段の日常生活で使うことがあったり、起こり得そうなことを挙げてみました。
アルコールに限らず、これらのものをこぼしてしまったりしたときには、すぐに拭き取るように心がけましょう。
また、ワックスを剥離せずに上から重ね塗りを繰り返すことによって、古いワックスが劣化していき、逆に黒ずみになってしまうこともあります。
そうなってしまうと、古いワックスをしっかりと剥離することでしか元に戻す方法はありません。
白くなってしまったときの補修方法も、ケースバイケースで方法を見極めることが大切です。
フローリングに最適な掃除方法とは?
小さいお子様のいるご家庭では特に、フローリングの汚れに気を遣いますよね。
ハイハイすることなどを考えると、除菌のことも気になります。
しかし、実際には普段の掃除としてフローリングの除菌はそれほど気にする必要はなく、ハウスダストやカビを排除することの方が大切になってきます。
また、フローリングは水にも弱く、頻繁に水拭きをすることで逆に床を傷める原因となります。
水拭きでの掃除は月に一回程度で十分ですし、スチームなどを使うとフローリングを白く変色させてしまいます。
そこで、普段のお掃除ではドライシートを使ったクイックルワイパーなどと掃除機を組み合わせて使うことで、十分にキレイなフローリングを保つことができます。
さらに、食べこぼしなどを拭き取るときにはアルコールが含まれたウェットティッシュではなく、固く絞った雑巾などで拭き取るようにしましょう。
もし汚れがひどい場合には、床専用の洗剤を使うことでキレイになります。
キレイなフローリングで気持ちよく過ごそう
アルコールだけではなく身近にある様々なものが、フローリングを白くさせてしまうことが分かりました。
万が一のときには早めに補修することで、元に戻すことも可能です。
しかしながら、普段の掃除や生活から気を付けられることもあります。
キレイなフローリングを保つことで、家の中全体が明るく気持ちの良い空間になるでしょう。