一口に「床材」と言っても、タイルやコンクリート、石などさまざまありますが、ここではモルタルについて取り上げていきます。
モルタルが醸し出すクールで無機質な雰囲気は、とてもおしゃれであり、どんなスタイルにもマッチします。
ただ、モルタルの性質である「ひび割れしやすい」という問題もあります。
ここでは、モルタルの特徴をはじめ、ひび割れの修復におすすめの商品についてもご紹介していきます。
そもそもモルタルとは?
モルタルは一見コンクリートとよく似ていますが、違いは何でしょうか。
モルタルの原料は、砂・セメント・水で、これらを練り合わせて作られます。
床材としてでなく、レンガや石、タイルなどの接着剤としても多様されており、また住宅の外壁などにも使用されています。
一方、コンクリートは、砂・セメント・水・砂利を混ぜ合わせたものです。
砂利が加わることで、ぐんと強度が増し、全く別の物に変身します。
コンクリートはモルタルよりも強度があり、建物の基礎となる部分や、駐車場などに使用されます。
モルタルはコンクリートのような強度はありませんので、強度部材として使用することはできませんが、人の重みに耐えられるほどの強度はありますので、家の床材としてならば問題なく使用することができます。
そして、モルタルは床材としては硬質ですから、玄関や土間などにぴったりの材料と言えるでしょう。
ただ、モルタルはひび割れが発生しやすいというデメリットがあります。
性質上、ひび割れを避けることは難しく、ひびを放置することでいくつかの問題点が発生してしまいます。
その点についてはのちにお伝えしていきますが、まずはモルタルのメリットについてご紹介していきましょう。
モルタルは玄関土間にぴったり!モルタルのメリット
モルタルは価格を抑えやすく、蓄熱性が高いことがメリットです。
モルタルに直接日光が当たるように設計すれば、日中の熱を蓄え全面に熱を広げることができます。
加えて、インテリア性が高いことも注目しておきたいポイントですね。
モルタルの無機質な雰囲気は、和洋どちらにも合いますので、インテリアの幅を広げることができます。
また、最近では土間のよさが見直され、取り入れる方が増えてきてるのをご存知でしょうか。
モルタルで作り出す玄関土間は、まるでおしゃれなショップやカフェのような雰囲気を醸し出してくれます。
モルタルは、コンクリートを打設した上に塗って仕上げますが、つなぎ目のないシームレスな美しい仕上がりが特徴です。
そのため、玄関土間に採用すれば空間をより広々と見せることに期待ができるでしょう。
また、スペースに余裕がある玄関土間ならば、自転車やベビーカーなど、外出時に使用したものを置いておく場所としても活用することができます。
庭と隣接しているなら、家庭菜園で収穫した野菜をそのまま床に置いておくこともでき、寒い冬場は、石油ストーブや灯油などを置いておく場所としても活用できますね。
広々としたスペースがあるからこそ、さまざまなシーンで活躍することができます。
ただ、前にもお伝えしたように、モルタルが持つ性質からひび割れしやすいことがデメリットとして挙げられます。
その理由については、次に解説していきましょう。
モルタル床はひび割れしやすい?その理由は?
モルタルは、その性質上どうしてもひび割れが発生しやすいです。
モルタル床にひび割れが発生してしまう原因として1つに、「収縮を起こす」ことがあります。
モルタル内の水分が失われると、乾燥して収縮を起こしひび割れを発生させます。
また、日本住宅の多くは木造で作られており、湿気や乾燥の差が激しい日本では、木自体が収縮、膨張を繰り返します。
これも、モルタルがひび割れしやすい原因の1つと言えるでしょう。
ほかにも、地震などの揺れや、太陽光や雨水などもひび割れに作用すると言われています。
さらに、施工を途中で中断したり、途中でやり直ししたりなどの施工不手際もひび割れの原因となることがあります。
モルタルのひび割れは、小さなものであればそこまで心配する必要はありませんが、幅0.4ミリ深さ0.5ミリを超える大きなひびですと、モルタルの劣化を早めてしまう可能性があります。
もし、大きなひび割れが発生してしまっているのなら、早急に対処する必要があると言えるでしょう。
モルタルのひび割れには種類がある
さて、ここではモルタルのひび割れについてもう少し詳しく解説していきましょう。
モルタルにひびが入る現象を総称して「モルタルクラック」と言います。
そして、モルタルクラックには、その幅や深さによって名称が異なります。
髪の毛ほどの細いひび割れは、「ヘアークラック」と言われ、そこまで心配するようなひびではありません。
こちらのひびは、モルタル表面のみにできたひびであるため、水なども入り込みにくいと考えられます。
一方で、幅0.4ミリ以上または深さ0.5ミリ以上のひび割れは「構造クラック」と言われ、深部までひび割れが到達している恐れがあります。
そのため、雨水などが入り込みやすく、モルタル床にダメージを与え劣化を早めてしまう可能性も考えられます。
ヘアークラックのように細いひび割れはご自分で修復することが可能ですが、構造クラックのように大きなひび割れは基本的に業者に対処してもらうことが望ましいとされています。
モルタル床に発生したひび割れを放置するとどうなる?
もし、モルタルの床に発生してしまった大きなひび割れをそのまま対処せずに放置してしまった場合、どのような問題が起こるのでしょうか。
大きなひび割れですと、モルタルの深部にまでひびが到達していることがあります。
そこに水が浸入した場合、モルタルにダメージを与え、劣化を早めてしまう可能性があります。
モルタル外壁に関しては、ひび割れが原因で雨漏りにも直結する場合もあるようですので、いずれもひび割れは見逃せない問題と言えるでしょう。
また、水に混じった泥や砂がひび割れに入り込み、ひび割れ周辺が汚れて黒く見えるようになります。
さらに入り込んだ水により、カビが発生してしまう可能性も考えられるでしょう。
特に、土間や玄関にモルタル床を採用している場合、雨に濡れた靴で入ることも考えられますし、掃除の際に水洗いすることもあるかもしれません。
ひび割れがあると、こうした場面で注意しなければならず、生活にも不便を感じたり支障が出たりしてしまうかもしれませんね。
ただ、先ほどもお伝えしたように、モルタルのひび割れは小さなものであれば、ご自分で対処することができます。
定期的に修復していくことで、モルタルの寿命を延ばすことにも繋がります。
続いて、修復におすすめの商品をご紹介していきます。
小さいひび割れなら修復できる!モルタル床の修復におすすめ商品
モルタル床のひび割れは、小さいものでしたらご自分で修復することが可能です。
ここでは、おすすめの商品をご紹介していきます。
●アシュフォードジャパン「クラックフィラー」 床用 360g
参考価格:¥4,500(税別)
補修長さ目安:約30m
クラックフィラーは、流動性の高い超微粒子セメントで作られています。
先細りしたノズルの先をはさみで切り取り、ひび割れにした床部分に直接クラックフィラーを埋め込みます。
その後、はみ出た部分をやすりで削るだけ、というとても簡単な方法で補修することが可能です。
また、モルタルの無機質な色味を損なうこともなく、うまく馴染ませることができるところもポイントです。
モルタルだけでなく、コンクリートのひび割れにも対応することができますので、もしひび割れ補修をしたいと考えているのなら、試してみてはいかがでしょうか。
モルタルは小さなひび割れを定期的に修復したり、表面に塗膜防水剤を塗布したりするなどの防水対策を行うことでも、劣化を食い止めることに繋がります。
ただ、大きなひび割れに関しては、ご自分で行うよりも専門知識を持った業者にお願いしたほうが的確であり、安心であると言えます。
大きなひび割れに関しては、まずは、専門業者に相談だけでもしてみるとよいでしょう。
モルタルのひび割れは放置しないようにしよう!
モルタルはどうしてもひび割れが発生しやすい材料です。
もし、ひび割れが発生してしまった場合は、ご自分で補修してみるとよいでしょう。
ひび割れを放置してしまうと、モルタル自体の劣化にも繋がりかねません。
定期的な補修を行い、モルタルをいつまでも綺麗な状態にしたいものですね。