住宅の玄関に使われる素材は、「タイル」「石材」「モルタル」などが一般的です。
今回取り上げるのはモルタルになりますが、モルタルを玄関に使うことで、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
理想の玄関を完成させるために、モルタルの特性を理解しておきましょう。
モルタルとは?コンクリートとの違いって?
モルタルに見た目が似ているもので、コンクリートがありますね。
まずは、モルタルとコンクリートは何でできているのか、また違いについて簡単にご説明していきます。
モルタルは砂とセメントと水を混ぜ合わせたもので、主にレンガやブロックの目地、コンクリートの表面の仕上げに使用されます。
モルタルは玄関の床材としても使用される素材になりますが、このように接着剤替わりに使用することも多いです。
一方でコンクリートは、モルタルの材料に加え「砂利」が含まれています。
モルタルとコンクリートの違いは砂利の有無にありますが、実はこの砂利が含まれているかどうかで強度が大きく異なってくるのです。
基本的に、砂利が含まれているコンクリートのほうが強度は強いといわれており、強度を要する駐車場や建物の基礎となる土台などに使用されます。
モルタルとコンクリートの違いについては、上記に述べたとおりです。
では続いて、モルタルを玄関の床材に使うメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
モルタル玄関のメリット①
まずは、デメリットの前にモルタルを玄関の床材にするメリットについてご紹介していきます。
●価格が安い
モルタルは素材の中でも、価格が安いためコストを抑えることができます。
いざ家を建てるとなると、思った以上に費用が嵩むなんてことも多いです。
コスト削減を考えている方にとっては、モルタルは強い味方になる素材といえますね。
●無機質な雰囲気がカッコいい
モルタルを玄関に採用したいとお考えの方は、その無機質でクールな印象に魅力を感じている方が多いのではないでしょうか。
モルタルは、仕上がりが美しいことに加え、何にでも合わせられるシンプルさが魅力の1つです。
和、洋どちらでも合いますので、気分に合わせて和風、洋風とインテリアを変えることも可能です。
そのため、インテリアの自由さも大きなメリットといえます。
また、モルタルは観葉植物がとてもよく映えますので、インテリアとして玄関に置くとぐっとおしゃれな空間にすることができるでしょう。
「ほかと違う個性を出したい」という方にもおすすめの素材なのです。
モルタル玄関のメリット②
続いて、モルタルのメリットをご紹介していきましょう。
●つなぎ目がない
タイルなどで玄関を仕上げる場合、どうしてもつなぎ目ができてしまいますが、モルタルならつなぎ目のない美しい床面に仕上げることが可能です。
フラットな美しい床面に、うっとりとしてしまう人も多いでしょう。
●蓄熱機能
モルタルは、熱を溜め込む性質があります。
そのため、床暖房を利用することでこのメリットを活用することができるでしょう。
夜に床暖房を使用して部屋を暖めつつ、昼間に蓄熱した熱を利用することで一日中快適な空間をつくることができます。
●掃除が楽
タイルなどの玄関はつなぎ目があることから、その溝に砂や埃が溜まりやすいです。
先ほどもお伝えしたように、モルタルはつなぎ目がないフラットな床面ですので、掃除が楽ということもメリットとして挙げられます。
ここまでご紹介したように、モルタル玄関には様々なメリットがあります。
しかし、一方でデメリットも存在しますので、見ていきましょう。
モルタルを玄関に使用するデメリット①クラックが入りやすい
ではここから、モルタルを玄関の素材に使用するデメリットについて考えてみましょう。
モルタルは先ほどお伝えしたように、見た目はコンクリートに似ている素材です。
しかし、コンクリートと比べるとその強度は大きく異なります。
モルタルのデメリットとしてまず挙げられることは、その強度の低さにあります。
モルタルは強度が低い分、クラック(ヒビ)が入りやすいという特徴があるのです。
話は変わりますが、日本では多くの住宅が木造住宅ですよね。
木造住宅は、木造という名のとおり木を使って建築しています。
木は、乾燥や湿気の影響を受けやすく、膨張したり収縮したりを繰り返します。
この際、モルタルにクラックが入りやすくなるのです。
ですから、木造住宅にモルタルは向いていない素材といえます。
クラックを味わいと捉える方もいらっしゃいますが、家の顔ともいわれる玄関の床にクラックが入ってしまうことは、大きなデメリットとなるでしょう。
モルタルを玄関に使用するデメリット②断熱性が低い
続いて、モルタルを玄関の床材に使用するデメリットについてご紹介していきます。
モルタルはクラックが入りやすいというデメリットに加え、断熱性が低いこともデメリットとして挙げられます。
モルタルのメリットでは、蓄熱機能があるとお伝えしましたが、温めなければ基本的には床がひんやりと冷たい状態です。
夏場は涼しくてよいのかもしれませんが、寒い冬の時期は、外の冷たい空気がモルタルを伝い玄関を冷やしてしまいます。
そのため、冬場はかなりの冷え込みが想定されます。
ですから、気温が低くなる地域などではあまりおすすめできる素材ではなく、モルタル玄関の施工例もほとんどありません。
床暖房などを入れるなどの対策で解消することもできますが、その分値段も高くなってしまうでしょう。
また、モルタルの床をきれいに仕上げるは、職人さんの腕で大きく変わります。
仕上がりに満足できるような腕のよい業者を探すことは、意外にも大変なものです。
これらのことも、モルタルのデメリットとなります。
モルタルで玄関を仕上げたい!デメリットをカバーするタイル仕上げもおすすめ
モルタルが出す無機質でクールな雰囲気は、モルタルでしか味わえないかっこよさがあります。
実際に自宅の玄関をモルタルで仕上げている方の多くは、その雰囲気に魅了された方が多いのではないでしょうか。
しかし、ここまでご紹介してきたとおり、モルタルにはメリットもありますが当然デメリットもあります。
これから家を建てようとお考えの方は、モルタルのデメリットを考えると、玄関に導入しようか悩まれてしまう方もいるかもしれません。
そのような方は、「モルタル風」に玄関を仕上げることを検討されてはいかがでしょうか。
「モルタル風」玄関を作るためには、タイルで仕上げる方法があります。
タイルはご存知の通りたくさんの種類がありますが、その中には、モルタルの雰囲気に似ているものもあります。
このモルタルの雰囲気に似ているタイルを使用することで、モルタル風玄関を作ることができるのです。
ただし、モルタルと違いタイルにはどうしても目地が入ってしまうため、床一面フラットというわけにはいきません。
ただし、タイルはモルタルよりも強度がある分クラックが入りにくいですから、デメリットをカバーする意味では採用を考えてみてもよいかもしれませんね。
このような選択もありますので、よく考えて後悔のない玄関に仕上げることができるとよいですね。
玄関の床材はよく考えて
モルタルの無機質でクールなかっこよさ、美しいフラットな床面に魅了される人も多いでしょう。
しかし、モルタルにはご紹介したようなデメリットもあります。
モルタルを玄関の床材に使用する前に、モルタルの特性をよく理解しデメリットを把握することも大切です。
その上で、信頼できる業者にお願いするとよいでしょう。