少子高齢化といわれている現代では、二世帯住宅への関心が高まっています。
その証拠に、共働きで子育てをしている世代から親の介護を見据えている世代まで、二世帯住宅にしようとリフォームを行う方が多くなってきているのです。
二世帯住宅のリフォーム事情をブログで発信している方もいらっしゃいます。
こちらの記事では、二世帯で住む具体的なメリットや、二世帯住宅へリフォームを行う際のポイントなどをお話しします。
二世帯住宅とはどんな暮らし?!
二世帯住宅のリフォームを考える前に、二世帯で住むということはどんなことなのかを考えてみましょう。
●ライフスタイルの変化
仕事や学校に行く時間や帰宅時間、ご飯を食べる時間帯など、各ご家庭で違いがありますよね。
しかし、二世帯で住むとなると、多かれ少なかれ今までの生活リズムに変化が起きます。
プライバシーの問題もありますので、リフォームを行う際には、間取りや間仕切りで解決していきましょう。
実際にリフォームを行った方のブログを拝見してみると、玄関やキッチン、リビングを世帯ごとに分けているケースも多々ありました。
お互いに干渉し合わない、適度な距離を保てるようにすることがポイントかもしれません。
●費用を抑えられる
家を建てる場合に普通なら土地が必要になりますが、親の住宅をリフォームすれば土地代はかかりません。
さらに光熱費が共有であるため、一世帯で住んでいたときよりもエネルギー消費量を削減できます。
しかし、共有する場所があるからこそ、月々の支払いをどうするか両者でしっかりと話し合っておきましょう。
●助け合える
両親に育児を手伝ってもらえますし、両親が介護を必要とするときが来れば自宅介護ができます。
老人ホームや介護施設が足りなくなるといわれている現代ですから、バリアフリー構造にリフォームできる環境にあると負担が軽減できることでしょう。
ブログでも話題!リフォーム促進の助成金や補助金
国土交通省は、二世帯住宅におけるリフォームを促進しています。
二世帯住宅へのリフォームを実行された方のブログを拝見してみても、こちらの制度を利用されている方が多いのです。
というのも、リフォーム費用に関しても助成金や補助金を受け取れる背景があります。
ただし、制度を利用する場合は条件がございますので、以下の事柄を確認してみてください。
●三世代同居加算
玄関・キッチン・浴室・トイレのうち、2つ以上の設備を複数箇所に設置すると、補助制度が適用されます。
しかし、住宅間を行き来できない構造である住居に関しては、玄関が2つ以上あっても補助対象から外れてしまうため、気を付けましょう。
補助限度額は30万円です。
●地域型住宅グリーン化事業
①認定低炭素住宅
現在定められている省エネ基準に対し、10%以上の性能向上を図った住宅には最大120万円ほど補助金が支払われます。
②長期優良住宅
国産材や地元の素材を使って建てた住宅は、最大で120万円ほどの補助金があります。
③ゼロ・エネルギー住宅
年間の消費エネルギー量を100%以上太陽光発電などで補える住宅は、最大で185万円ほど支払われます。
詳しい適用条件は地方自治体によって違いがありますので、チェックしてみましょう。
二世帯住宅のリフォームを成功させた人のブログで学ぶこと
それでは、二世帯住宅リフォームのための準備をしていきましょう。
まずは、間取りの相談です。
できれば1年間以上じっくりと時間をかけて話し合い、双方納得する間取りを決定していきましょう。
リフォームを成功させた方のブログにも、ヒントが隠されています。
二世帯住宅においては、大きく3つのタイプに分けられます。
▼融合二世帯
キッチンやリビングといった共有スペースを広めに確保しておくことで、家族団らんとなって賑やかに暮らせます。
しかし、それぞれの持ちものが混同しやすいため、持ち物に合った収納スペースを用意するといった工夫をされていたブロガーさんがいらっしゃいました。
また、水周りは使う時間帯がかぶりやすいため、サブで使えるキッチンやシャワールームを用意したようですよ。
▼独立二世帯
プライバシーのある生活を望むブロガーさんの場合は、玄関やキッチンといった部分を二世帯分作っています。
ただし、顔を合わせる機会がグッと減るので、二世帯住宅でのメリットが薄れてしまいますよね。
そこで、共有できるスペースをあえて設けて、コミュニケーションの場として活用しています。
▼共用二世帯
融合二世帯と独立二世帯の中間にあたる間取りです。
ポイントとしては、両者でどこまで共有する場所を求めるかに関わってきます。
しかし、完全なる一人の時間を持ちにくいといった面もございますので、書斎を作ったりして工夫しているブロガーさんもいらっしゃいました。
二世帯住宅のリフォームにかかる費用と期間
次にリフォームにかかる費用やリフォーム期間です。
具体的にどのくらいリフォーム費用がかかるのでしょうか。
実際にリフォームした方の例をみていきましょう。
●2階部分をリフォームしたAさん
両親が住んでいる住宅があり、2階部分は使用していないことから、リフォームを考えました。
玄関やキッチンリビング、浴室といったところまで独立二世帯へリフォームし、リフォームにかかった期間は約3ヶ月。
費用は約1,000万です。
玄関は、階段を設置して2階部分に設けることもできます。
●増築で二世帯住宅にリフォームしたBさん
土地を有効活用し、居住空間を広げるべく増築を行いました。
ただし、建築基準法によって定められている建ぺい率をすでに満たしている場合は増築できませんので、確認してみましょう。
Bさんのブログによると、2階住居部分の間取りをリフォームし、元々あった和室2室をつなげて洋室にしたようです。
ここに加えて収納スペースとシャワールームを新設し、約2ヶ月ほどの期間を得て完成しています。
かかった費用は約1,200円ほどです。
ブログでは話題にならない?!建ぺい率と容積率のお話し
前項のリフォーム例で、増築の場合は建ぺい率が関わってくることをお話ししましたが、建ぺい率は暮らしやすい二世帯住宅にするために欠かせないポイントです。
限られた土地を有効に活用していくためも、広さに関わる建ぺい率についてご説明します。
建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合で、建物を真上から見たときの水平投影面積のことを示します。
2階建ての住宅の場合は、広いほうの面積を取って算出していきますよ。
こちらの割合は市町村ごとによって異なりますので確認してみましょう。
建ぺい率60%と指定されていれば、100平方メートルの敷地に建築面積が60平方メートルまでの住居が建築できます。
もう一つ、容積率についてもおさえておきましょう。
容積率とは、敷地面積に対しての延床面積の割合です。
2階建ての住宅の場合は、1階と2階を足して算出していきます。
容積率100%と指定されていれば、100平方メートルの敷地に、1階と2階の合計100平方メートルの建物が建築できるというわけです。
こちらの割合も市町村ごとによって異なりますので、問い合わせてみましょう。
リフォームの様子を綴ったブログではなかなか知り得ない情報ですが、建築基準法を守りながらリフォームを進めていくのですね。
贈与税がかかるかも?!二世帯住宅のリフォーム
最後に、減税対策についてお伝えします。
二世帯住宅へのリフォームは、なかには親孝行の一環として資金を用意したという方もいらっしゃることでしょう。
両親に負担を掛けまいとした気持ちがあっても、贈与税が発生してしまっては、両親に高額な税金の請求がされてしまう場合も少なくありません。
こうした贈与税についても、リフォームブログではなかなか発信されていないことですよね。
贈与税は一年間の間に贈与された財産に対してかかる税金です。
親の名義である住宅をリフォームする場合、子がリフォーム費用を支払うと贈与とみなされてしまいます。
さらに、住宅ローン控除も受けられない事態になってしまうのです。
贈与税を回避するためには、自宅の名義を資金提供する子の名義に変更する際に、相続時精算課税制度を活用する方法があります。
親子間に限り2,500万円までは税金がかからずに財産贈与ができますが、税務署への申告、親が亡くなった場合には相続税を算出するといった条件がありますので検討してみましょう。
もうひとつの回避法としては、一部分の名義を変更する方法です。
時価1,500万円の建物に対して、1,000万円のリフォーム資金を子が提供するとします。
1,500万円のうちの1,000万円分の土地を子の名義に移することで、贈与税を免れられ、住宅ローンの適用も受けられるようになります。
こちらの場合は1,000万円分の土地が譲渡されたとされるため、親に対して譲渡税が課税されますが、贈与税よりも課税率が低いため、総合的には税金の支払いを抑えられる可能性が高くなります。
笑顔で暮らせる住宅を!
二世帯で暮らすためのリフォームです。
お互いにメリットがうまれ、生活がしやすい環境を目指しましょう。
そして、リフォームを行うにも、計画と準備が必要になります。
焦らずしっかりと話し合い、将来のことも見据えてリフォームしていきましょう。
あなたの家族が笑顔で暮らせることが、一番大切なことなのではないでしょうか。