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擁壁がある物件購入には注意が必要!崩れた責任はどうなる?

2019.9.19

擁壁があるような物件は景色が良かったりするため、魅力に感じられる方も多いですよね。

しかし、そのような物件の購入を検討している場合、注意が必要です。

擁壁は年月が経つことによって崩れやすくなり、新しいものだとしても地盤の弱さによって崩れやすいことがあるからです。

また、崩れによって起きた損害賠償責任を問われてしまうこともあります。

擁壁とはどういうものなのか、強度はどうなのか、崩れた責任はどうなるのかお伝えしていきます。

擁壁とはどういうもの?崩れた場合の責任は?

擁壁とは、崖が崩れないようにコンクリートやブロックなどで補強した壁の構造物になります。

高低差があるような住宅同士の間に擁壁を作ることによって、土砂崩れなどの被害が起きるのを防ぐことができます。

擁壁は本来住宅を守るはずのものですが、年月を重ねてくると段々と劣化してきてしまいます。

そうなると、擁壁自体が崩れてしまい、住宅に被害を及ぼす恐れがあります。

また、大地震など大きな自然災害が起きた場合にも擁壁が崩れてしまう恐れがあり、被害が拡大してしまうこともあります。

こうしてみると、擁壁は住宅同様に管理をしっかりと行う必要があるものだとお分かりになるかと思います。

擁壁の落ち度が認められれば、崩れたことによる損害賠償責任に問われることもあるのです。

擁壁がある物件を購入する予定がある方、今現在擁壁がある住宅に住んでいる方、または自分の所有でないものの隣家所有の擁壁がある場合は特に注意したほうがいいでしょう。

隣人トラブルの原因ともなり得る擁壁には十分な注意が必要なのです。

崩れにくい?よくある一般的な擁壁の種類

自分の住宅の近くに擁壁がある場合には、擁壁がどのように作られているのか確認してみましょう。

擁壁があるような物件をお探しの方なら、特に擁壁について知っておくことは大切です。

擁壁には種類がありますので、こちらでご紹介していきます。

まずは、一般的に使われている擁壁の種類からです。

〇コンクリート擁壁

コンクリート擁壁は、鉄筋が入っているものと入っていないものに分けられます。

コンクリートと壁との間には水抜き穴をつける必要があります。

〇間知ブロック擁壁

間知ブロック擁壁は、間知石のブロックを使うことによって造られた擁壁です。

高低差が大きい住宅間に造られることが多いです。

ブロックと壁との間に水抜き穴が必要になります。

〇重力式擁壁

重力式擁壁とは、擁壁の重さによって壁からの圧力を抑える効果があるものです。

擁壁に重みがあることから、地盤は安定していることが条件になります。

これら3つの擁壁は一般的によく使われている擁壁の種類になります。

ただし、この擁壁なら崩れが起きずに責任を問われることがない、ということはなく、経年劣化や地盤の不安定によって崩れはいつでも起こり得ます。

崩れて責任が問われやすい?!不安定な擁壁の種類

前項では一般的に使われている擁壁の種類をご紹介してきました。

こちらでは、構造上に問題がある擁壁についてご紹介していきます。

〇大谷石積み擁壁

大谷石積み擁壁は、大谷石を積み上げて造られた擁壁のことです。

強度はコンクリートや間知ブロックよりも弱く、擁壁としては安全性に問題があると見なされています。

〇空石積み擁壁

空石積み擁壁は、石などを積み重ねて造られた擁壁になります。

ただ積み重ねて造られたものですので、強度に問題があります。

〇二段擁壁

二段擁壁は、元からあった擁壁の上にコンクリートブロックなどを積み重ねて造られた擁壁のことです。

元からあった擁壁の上にさらに擁壁が造られているため、強度に問題があります。

こちらでご紹介した擁壁は強度の問題があることから、擁壁の造り直しが求められるなど補強をする必要があるでしょう。

擁壁には強度の差はあるものの、どの擁壁も安全性が必ず確保されている訳ではありません。

崩れて責任を問われることはどの擁壁でもあり得る、ということを覚えておきましょう。

擁壁の安全性!崩れの責任が相手にあっても安心できない

擁壁は崩れやすい部分を無理に覆って崩れを防いでいますので、強度がしっかりしているかなど管理がきちんと行き届いていることが大切です。

とは言っても、大地震や台風などの自然災害の際には崩れやすい性質ありますので、擁壁が住宅の近くにある場合は注意が必要です。

それでは、擁壁は自分が管理していれば安全なのでしょうか?

自分が擁壁を管理している場合、崩れる恐れはないのかなど強度に常に気を配っていればある程度は安心できるかもしれません。

しかし、擁壁も古くなれば造り直しなどの必要も出てきます。

しかも、造り直しとなれば、数百万~1千万円ほど費用がかかってしまうこともあるのです。

できる限り元々擁壁がない物件を選んだほうが、費用の増加は抑えられると言えます。

それでは、隣人が擁壁を所有していればいいのでは、と思う方もいらっしゃると思います。

隣人が所有していれば、管理や造り直しの必要がないかもしれません。

しかし、その擁壁がもししっかりと管理されていなかったらどうでしょうか。

ちょっとした大雨の際にでも崩れてしまうことも考えられます。

相手に責任を問えたとしても、そのことによって自分の住宅に被害が及べば大変ですよね。

誰が所有していたとしても、擁壁があることによって安全性は確保されにくいのです。

自然災害で起きた擁壁の崩れ!責任は問われるの?

擁壁がある物件を購入した場合、自然災害によって擁壁が崩れてしまうこともあり得るでしょう。

その場合、隣家などに被害が及んだときの責任は問われるのでしょうか?

このとき、2パターンのことが想定されます。

一つ目のパターンは、擁壁に問題がなかった場合です。

擁壁に問題がなく、台風などの自然災害によって擁壁の崩れが起きた場合、隣家への損害賠償責任は問われないことが多いでしょう。

二つ目のパターンは、擁壁に問題があった場合です。

擁壁に問題があった場合、隣家への賠償責任は問われることになります。

なお、物件を購入する前から擁壁に問題があった場合は、売主に対して損害賠償責任を問えるかもしれません。

この辺りは、擁壁に問題があったことを証明する必要があり、崩れてしまった後に擁壁の問題性を指摘するのは難しいこともあります。

擁壁がある物件を購入する際には、事前に擁壁の安全性を調べておく必要があるでしょう。

擁壁のある物件を購入したい!確認すべきこと

擁壁があるような物件は崩れの恐れがあり、責任を問われる可能性も考えると避けたほうがよいかもしれません。

しかし、そのような物件でも気に入って購入を検討されているような方は、以下のようなことを確認してください。

〇擁壁の種類の確認

購入を検討している擁壁がどのような種類か確認してみましょう。

構造に問題の無い擁壁であっても、造ってからどれくらい経過しているのか確認します。

また、不安定な擁壁の種類だと、造り直しなど擁壁に費用をかける必要がでてくる可能性があります。

〇擁壁が適合か不適合かの確認

擁壁が2mを超えている場合、建築基準法に合った確認申請が必要になります。

その書類は検査済証として不動産会社に保管されているはずです。

必ずその書類を確認しましょう。

もし売主が持っていなくても、役所で確認できる場合もあります。

〇隣家との境界の確認

擁壁がある場合、隣家との境界がどこなのかの確認も大切になります。

後々境界トラブルにならないようにしましょう。

擁壁の崩れ!落ち度が認められた場合は賠償責任が発生

擁壁の崩れがあった場合、擁壁に落ち度が認められれば賠償責任を問われることになります。

また、擁壁には種類があり、不安定な擁壁の場合は造り直しなどの費用が発生することもあります。

なお、自然災害などによって起きた擁壁の崩れは、基本的には賠償責任を問われることはないようです。

しかし、擁壁は継続的な管理をしなければならないこともあるため、物件を購入の際にはよく検討することが必要でしょう。

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