一戸建てやアパートなどの駐車場では、外構工事でコンクリートを使用することが多いでしょう。
地面に直接打つコンクリートは「土間コンクリート」と呼ばれ、駐車場や玄関などによく用いられます。
この土間コンクリートによく見られるのが「ひび割れ」です。
ひび割れは見た目も悪く、放置すると大きな破損にも繋がるので、見つけた際には早めの対処が必要です。
こちらでは、駐車場コンクリートのひび割れの原因や、ひび割れ補修の方法、抑制方法などをご紹介していきます。
駐車場のコンクリートによく見られる「ひび割れ」とは
一戸建てでは、駐車場は玄関近くに設けられ、家の顔となる場所にあることが多く意外と目立ちます。
そんな目立つ場所の駐車場コンクリートにひび割れが見られたら、早めに直したいものですよね。
また、アパートなどの駐車場でも、物件の管理上、大家であるならばコンクリートのひび割れをそのまま放置するわけにはいきません。
見た目の悪さも問題ではありますが、ひび割れを放置すると亀裂は徐々に拡大し、ひび割れ補修程度では修復できないような大きな破損を起すこともあります。
コンクリートは、そもそも性質上、ひび割れを起しやすい脆性材料といわれ、完全にひび割れを防ぐことが困難な素材です。
駐車場は、重量のある車が出入りするため、一度できてしまったひび割れは、さらにダメージを受けて進行してしまう恐れがあります。
駐車場にひび割れが見られた場合には、なるべく早めのひび割れ補修が必要です。
しかし、コンクリートに見られるひび割れには種類があり、程度によって補修方法が異なってきます。
それでは、コンクリートのひび割れには、どのような種類があるのでしょうか。
ひび割れ補修は必要?コンクリート駐車場にできる「ひび割れの種類」で判断!
駐車場の土間コンクリートのひび割れは、さまざまな原因によって引き起こされます。
ひび割れの原因については後ほどお話ししていきますが、コンクリートのひび割れは、その大きさや範囲によって大きく2つの種類に分けられます。
・ヘアクッラク(細かいひび割れ)
・構造クッラク(深く下まで貫通しているひび割れ)
「ヘアクラック」は、その名の通り、髪の毛ほどの幅(0.3mm以下)のひび割れを指します。
深さも4mm以下のもので、構造には差し障りなく、内部の鉄筋などに影響を与えないものです。
細かなひび割れであるヘアクッラクの場合は、まだ補修の必要性はないとされています。
これに対して、「構造クラック」は、ひびの幅が0.3mmを超え、深さが4mm以上の大きなひび割れを指します。
構造クッラクの場合は、徐々にひび割れが大きくなったり、ひび割れの数が増えたりしていくので、速やかにひび割れ補修を行う必要があります。
それでは、実際にひび割れ補修をする場合、どのような方法があるのでしょうか。
細い亀裂のひび割れ補修にはコレ!手軽な補修方法をご紹介
駐車場の土間コンクリートに見られるひび割れの中でも、ヘアクッラクのような細い亀裂の場合は、ひび割れ補修をしなくても問題ないとされています。
しかし、放置はさらなる劣化に繋がりますし、また見た目もよくありませんよね。
幅の小さなひび割れにも補修を施しておくとよいでしょう。
ヘアクラックには、スプレー式の補修材が手軽でおすすめです。
●セメントスプレー
ネットショップやホームセンターで取り扱っている商品です。
セメントの固体粉末が霧状に噴射する、スプレータイプのコンクリート補修材です。
水や専用の定着液を併用して固めます。
セメントスプレーは、どのメーカーでも1,500円程度(参考価格)で購入可能です。
●床用ひび割れ補修材(コンクリート用)
そのまま使える、液状タイプの補修材です。
ひび割れの狭い溝にも使いやすい細いノズル付きで、液状の樹脂モルタルを流し込んで固めます。
ネットショップやホームセンターで取り扱っており、1,000円程度(参考価格)で販売されています。
駐車場のコンクリートに見られる大きな亀裂にはどんなひび割れ補修が効果的?
駐車場の土間コンクリートに見られるひび割れの中でも、構造クラックのような大きく深い亀裂の場合は、コンクリートの内部からしっかり補修する必要があります。
大きなひび割れの場合、セメントなどで亀裂を埋める表面的な補修だけでは、またすぐに剥がれてしまいます。
効果的なひび割れ補修をするなら、ひび割れの進行を抑制し、経年によって劣化したコンクリート自体も改質・強化することが重要です。
このようなコンクリートの改質・強化におすすめの補修材が、次に挙げる「Sクリートアップ」です。
●Sクリートアップ(浸透性珪酸塩系コンクリート改質材)
この商品は、既設のコンクリートに浸透し、コンクリート自体を蘇らせる働きを持ちます。
コンクリートのひび割れ部分に塗布すると、内部まで浸透し、コンクリートを改質・強化しひび割れの進行を抑えます。
また、セメントとの接着性を強める作用を持つため、Sクリートアップを塗布後に超微粒子セメントを擦り込むと、高い補修効果が得られます。
補修部分の仕上がりもきれいなので、駐車場のような床面だけでなく、建造物の壁やトンネルなど多くのひび割れ補修に利用されています。
ネットショップで取り扱っており、4L(20平米に2回塗り相当)で18,000円程度(参考価格)で販売されています。
多少高額ではありますが、長期的な補修効果が得られるので検討してみてはいかがでしょうか。
そもそも駐車場のコンクリートはなぜひび割れる?その原因は?
これまで、駐車場によく見られる「ひび割れ」について、その種類やひび割れ補修の方法などご紹介してきました。
それでは、駐車場のコンクリートには、なぜひび割れができてしまうのでしょうか。
原因には様々なものが考えられます。
1つは、コンクリートの性質に関係がある場合です。
コンクリートは、セメントを主原料として、水や砂利などを混ぜて作られています。
固まったコンクリートは、外気温との間に温度差が生じると、ひび割れを起こしやすい性質があります。
また、コンクリートは乾燥すると収縮する性質があるため、真夏のような気温の高い時期に打設すると、急激な乾燥に耐えられず、ひび割れを起こしてしまうことがあります。
もう1つは、外的要因のよる場合です。
地震や地盤沈下、周辺の工事などで起こる振動などが考えられます。
元々柔らかい土地などでは、地盤の強化をせずに駐車場の土間コンクリートを打設してしまうと、完成後に車を駐車するだけで地盤沈下が起き、ひび割れが発生してしまうことがあります。
駐車場の土間コンクリートの「ひび割れ」は、できてしまった場合には、速やかにひび割れ補修を行うことが大切ですが、ひび割れを起さないような事前の対策も大切です。
コンクリート舗装の駐車場にひび割れを起こさせない!ひび割れ抑制方法
コンクリートは、温度や乾燥、振動などに弱いため、環境や外的要因によってひび割れを起してしまうことがあります。
しかし、簡単にひび割れを起こしてしまうようでは、駐車場に使いたくありませんよね。
ひび割れ補修は、なるべく避けたいものです。
そこで、これらの弱点からコンクリートを守り、ひび割れを抑制する方法が存在します。
コンクリート舗装の駐車場をひび割れさせず、きれいに保つための施工対策がいくつかあります。
●基礎地盤で敷く砕石の十分な転圧
土間コンクリートの下地として敷く砕石をしっかり転圧しておくことで、地盤沈下を防ぎます。
●ワイヤーメッシュを入れる
砕石転圧した上に、ワイヤーメッシュを敷き詰めます。
鉄の棒が細かく編みこまれたワイヤーメッシュを入れることで、ひび割れの抑制効果が高まります。
●収縮目地を入れる
駐車場となる土間コンクリートに、事前に目地(隙間)を入れておくことで、コンクリートの収縮や膨張を調整させます。
駐車場によく見られるスリットは、デザインではなくコンクリートの収縮対策の目的で入っているのです。
●駐車場の形はなるべく四角形に
コンクリート全体に均一な負荷がかかるように、駐車場は不規則な形ではなく、四角形にするのが理想的です。
このように、コンクリートの駐車場をつくる場合は、事前に十分なひび割れ対策を行っておくとコンクリート面をきれいに保つことができるので、施工の際は業者によく確認しておきましょう。
コンクリートの駐車場に施そう!ひび割れ補修とひび割れ抑制対策!
コンクリート舗装の駐車場では、ひび割れが見られることがあります。
原因は様々ですが、駐車場施工時にひび割れを抑制する対策を施しておくと効果的です。
もし、ひび割れができてしまった場合には、補修材を選ぶことで意外と簡単にひび割れ補修することができます。
コンクリート舗装の駐車場をお持ちの場合は、見た目や状態を長持ちさせるためにも、ひび割れ抑制対策やひび割れ補修をしっかり行っておくことをおすすめします。