オール電化とガスどちらを選ぶ?変更したいときに考えること

家を新築・改築したり、生活費の節約などを考えたりしたときに気になるのが、オール電化とガスのどちらを選ぶかということではないでしょうか。

どちらもそれぞれメリットとデメリットがあり、選択に迷っている方も多くおられることでしょう。

この記事では、そんな迷いにお応えしていきます。

オール電化とガス、それぞれに変更したいケースについてもご紹介していきますので、あわせて参考にしてみてください。

オール電化とガスを比較しよう!

オール電化とガスのどちらにするか迷っている方、またはどちらかへの変更を考えている方に向けて、まずは双方のメリットやデメリットを比較してお話しをしていきます。

ガスは、プロパンガスと都市ガスのどちらかを選ぶかでコストも大きく変わってきます。

プロパンガスとは、プロパンなどを主成分とした液化したガスをボンベで供給するタイプです。

どの地域においても使用が可能で、初期費用を抑えることができます。

一方、都市ガスはメタンなどの天然ガスを主成分としていて、地下に張り巡らされたガス管を介してそれぞれのご家庭に供給されます。

比較的使用料金が安いのですが、ガス管が通ってない地域では使うことができません。

契約する会社にもよりますが、都市ガスのコストは、プロパンガスの1.8倍ほど割高になっているということを念頭に置いて考えてください。

それでは、オール電化とガスのそれぞれのメリットとデメリットについてご紹介していきましょう。

オール電化のメリット・デメリット

まずはオール電化のメリットとデメリットについてお話しします。

【メリット】

●火災の心配が減る

オール電化では、ガスコンロと違いIHクッキングヒーターで調理を行うことになるので、火を使うことがありません。

そのため、火災の心配が少なくなるでしょう。

●料金プランによっては深夜の電気料金が安くなる

●ガス会社との契約が無くなるので、公共料金が統一され支払いが楽になる

【デメリット】

●初期費用が高額である

オール電化にするためには、お湯を沸かす設備であるエコキュートやIHクッキングヒーターなどが必要になり、これらに費用が掛かります。

そのため、もしガスからオール電化に変更するような場合も、費用が高額になってしまうでしょう。

●日中の電気料金が高く設定されている

●停電により使えなくなる可能性がある

ガスのメリット・デメリットを確認しよう!

オール電化のメリットとデメリットに続いて、ここではガスのメリットとデメリットについてお話をしていきます。

この章においてガスとはプロパンガスのことを指しています。

【メリット】

●火力が強い

●オール電化とは違い、専用の調理器具以外でも使用が可能

●災害時の復旧が早い

電気や都市ガスと比べて、プロパンガスは災害時の復旧が比較的早いことが多いです。

●初期費用やメンテナンス費用を抑えられる

【デメリット】

●火災や一酸化中毒の危険性がある

●契約会社選びを間違えると、使用料金が高くなることがある

オール電化とガス、それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分の希望や理想に近いほうを選択すると、後悔することが少ないでしょう。

しかし、なかにはオール電化からガス、またはガスからオール電化への変更を希望している方もいらっしゃるかもしれません。

次章からは、そのような方に向けてお話しを進めていきましょう。

オール電化からガスに変更する!

それではまずオール電化からガスへの変更についてお話しをします。

ガスへの変更と言っても、プロパンガスか都市ガスなのかによっても、少し話は変わってきます。

プロパンガスであれば、業者に依頼すれば無償で設備工事をしてくれることがほとんどです。

しかし、そのためには長期間の使用を前提とした契約となり、長期間における使用料金にそのときの工事代金を上乗せする、というからくりが仕組まれている場合があります。

プロパンガスの使用料金が、オール電化や都市ガスと比べ割高なのはこれを理由とすることが多いでしょう。

次に都市ガスへの変更についてです。

都市ガスへの変更のためには、配管工事や機器の取り付け工事が必要になります。

都市ガスは道路の下にガス管が通っており、そこから自宅まで配管を引き込む必要があるのです。

すでに、自宅までガス管が通っていれば工事費用や日数も少なくなりますが、新たに引き込むことになればそれなりの費用がかかります。

自宅の敷地内へガス管を通す場合は、1mごとに1万円の価格が相場となっています。

多くが10~15万円程度の負担になりますが、配管が長くなってしまえば、それだけ費用の負担は増えます。

もし、目の前の道路にガス管が通っておらず、遠方から引き込まなければならない場合は、さらに費用がかかります。

また、別途で給湯器やコンロも新たに設置しなければならず、そこでも数万単位での負担が必要になります。

たしかに、オール電化からガスへ変更する場合は、多額の費用が発生してしまいます。

しかし、オール電化による火力不足や日中にかかる電気代の高さに悩んでいる方には、ガスへの変更を考えてもいいのかもしれませんね。

ガスからオール電化に変更したい!

次に、ガスからオール電化への変更についてお話しをしましょう。

オール電化に変更するためには、ガスに変更するときよりもさらに費用がかかります。

多くの場合が、IHクッキングヒーターとお湯を沸かす設備を導入するために、100万ほどの費用がかかると言われています。

キッチンや浴室をリフォームする場合は、そこに数十万から数百万単位の費用も追加されます。

それに加えて太陽光発電システムを導入するとなると、さらに高額な設備投資費用がかかるでしょう。

ここで気になるのが、補助金や助成金制度です。

自治体によっては、防災や環境保護の観点から、補助金や助成金を交付しているところもあるようです。

補助金や助成金に関しては、お住まいの地域によって違ってきますので、役所などに一度詳しく話を聞いてみるとよいでしょう。

また、大事なのがオール電化を請け負ってくれる業者選びです。

多額の費用がかかるオール電化だからこそ、複数の業者間で比較・検討をして、高額な代金を請求されることのないように注意してください。

変更するなら電気とガスの併用も考えよう!

オール電化に変更するにしても、ガスに変更するにしても、多額の費用が必要になるのは避けることができない事実です。

そのため、今後必要になる費用のことを考えて、慎重に選択しなければなりません。

ここまでは、どちらか一つだけの変更について考えてきましたが、電気とガスを併用するのも方法の一つかもしれません。

電気とガスを併用すれば、両方のメリット・デメリットを補い合うことができます。

例えば、日中の電気はガスでまかない、深夜になったら電気を利用すれば、どちらか一方を選択したときよりも生活費を抑えられます。

また、電気代が高騰したときに、ガスを使えれば電気の使用量を抑えることもできるでしょう。

どちらにしても、長期的なスパンで考えていかなければなりません。

ときが経てば、家族の形も変わってくる可能性も考えられ、子供が成長し、家を巣立っていくケースもあるでしょう。

自分たちにとって、どの選択がベストなのか、よく考えてから決断を下してください。

オール電化かガスか慎重な決断を!

オール電化にしてもガスにしても高額な設置費用が発生します。

選んだことを後悔しないためにも、慎重な決断を心掛けてください。

まずは、ご自分の生活スタイルに、どちらが向いているのか考えましょう。

選び方によっては、生活費を抑えることに繋がります。

電気とガスの併用を、候補の一つとして加えるのもいいかもしれませんね。