賃貸アパートでは、エアコンが備え付けられていることが多いですね。
うだるような暑さの中、エアコンがある日、突然故障してしまったら…。
借り主は、どんな対応をとればよいのでしょうか。
そもそもエアコンの修理負担は、誰がするものなのでしょうか。
今回は、そんな疑問にお答えしたいと思います。
アパートのエアコンが冷えない原因
山間部の涼しい場所を除いては、毎年やってくる夏の猛暑を快適に乗り切るためにも、エアコンはかかせませんね。
そのため、賃貸アパートなどにも、エアコンが設置されている場合が多いです。
エアコンの稼働率が高くなるのは、やはり真夏の時期です。
エアコンを使い続けていると、スイッチを入れても「あれ?エアコンから冷たい風が出てこないけど故障かな?」と感じることがあると思います。
そこで、ここでは、エアコンから冷風が出てこない原因について見ていきましょう。
●冷媒ガス漏れ
エアコンから冷風が出ない原因として多いのが、この冷媒ガス漏れです。
エアコンの中を巡回している冷媒ガスが、何かしらの原因で、空気中に抜けてしまうことがあります。
ガスが漏れてしまうと、エアコンからは送風されているのに、部屋の中が全然冷えないという状態になります。
●エアコン本体の故障
エアコンの中枢のコンプレッサーや熱交換器部分が、故障してしまう場合があります。
●エアコンのキャパシティーの限界
アパートの部屋についているエアコンの性能が、使用環境や部屋の広さに合っていない場合があります。
例えば、直射日光によって室外機に強い日が当たりすぎている、室外機の前に何かしらの障害物があるなどの悪条件があると、エアコンの性能が落ちてしまいます。
●メンテナンスが充分にされていない
エアコンの清掃がしっかりさせていなく、フィルターがホコリやカビだらけ、室外機のファンの周りもホコリだらけなどが原因で、冷風が出なくなる場合があります。
アパートのエアコンが故障した!と連絡する前に
アパートの部屋についているエアコンから冷風が出てこないと、特に真夏においては部屋で、快適に過ごすことはできませんね。
賃貸アパートでエアコンが作動しない、冷風が出ないなどの故障が疑われたら、大家さんや管理会社に連絡したくなると思います。
ですが、連絡する前に、エアコンについて、いくつか確認してからにしましょう。
なぜなら、エアコンの使いはじめは、すぐに本調子が出ないだけのことも多いからです。
故障していないのに、故障した!と騒いでしまっては、エアコン修理に関わる人に迷惑をかけてしまうことになります。
それを防ぐためにも、入居者は故障の連絡をする前に、以下のことを再度チェックしてみましょう。
●リモコンの電池がなくなっていないか
●コンセントの抜き差しをしてみる
●ブレーカーの上げ下げをしてみる
●フィルターにホコリが詰まっていないか
●室外機の周辺に障害物がないか
それでもダメな場合は、管理会社が入っている物件は管理会社に、大家さんの自主管理物件であれば、大家さんに連絡を入れてみましょう。
やってしまいがちなことですが、入居者自らがエアコンの修理を手配してはいけません。
なぜなら、管理会社や大家さんにも、指定の修理業者があります。
設備機器の故障の保険に入っていたり、故障したら交換しようと考えていたりなど、経営サイドにも色々な事情があるのです。
早くエアコンを修理したいと思っても、やはり管理会社や大家さんを通しましょう。
アパートに入居したてでエアコンが故障した場合は?
アパートに入居したばかりで、備え付けのエアコンが故障してしまうというトラブルに、遭遇することもあるでしょう。
「エアコンがすぐに壊れてしまったのは私のせい?自分で修理費を払わないといけないの?」
と、不安になってしまう入居者もいるでしょう。
では、そんな不安を解消すべき答えを、お伝えしましょう。
入居者が故意に壊したなどの過失がなければ、アパートに設置されていたエアコンの修理費用や交換費用は、大家さんが負担します。
したがって、この場合は、まず管理会社や大家さんに連絡を入れましょう。
最初から部屋に設置されていた設備が入居中に故障した場合、入居者と経営サイドのどちらが費用を負担するかについては、契約書に明記されています。
契約書を再確認してみましょう。
普通、借り主に部屋を貸している間の修繕費用については、借り主に故意や過失がなければ、貸し主が負担することになっています。
詳しいことは、国土交通省が発表した「賃貸住宅標準契約書」をダウンロードして、読んでみるとよいでしょう。
エアコンが故障して修理に!入居者は立ち会うの?
賃貸住宅標準契約書では、小規模な修繕だけを、入居者が行うことになっています。
しかし、一般的には、アパートで生活をしているときに自然とできてしまう傷や汚れ、経年劣化は入居者の負担ではありません。
確かに、各物件の契約書ごとに、内容は多少違います。
中には、設置されているエアコンの故障の修繕費用まで、入居者に負担させるような契約の物件もあるのです。
そのため、トラブルが起きてから困らないように、しっかりと確認をしておくことが重要です。
ここからは、やっぱりエアコンが故障していて、修理が決定した場合の流れについて、お話していきます。
何度もお伝えしているように、まずは、管理会社か大家さんに連絡をします。
通常、エアコンの修理には早くても数日必要だったり、すぐに故障原因が分からない場合もあります。
まずは、修理業者さんが状況確認に来て、故障原因を特定します。
そして、修理に必要な部品などを発注し、納品後に修理や交換が可能になるのです。
特別な機種だったり、エアコンの故障率が高い時期には、修理されて納品されるまでに数週間かかる場合もあります。
修理業者さんには、部屋に2回来てもらうことになり、いずれも入居者の立ち会いが必要となります。
入居者も、エアコンのメーカー・型番・症状・リモコンに表示されたエラーコードなどを、修理前に調べておくなどの協力をすると良いでしょう。
入居者がエアコン故障の修理対応をしなければならない場合
アパートに設置されているエアコンが故障したら、管理会社か大家さんに連絡を入れて、修理をお願いするということが、お分かりいただけたと思います。
しかしながら、入居者がエアコン故障の修理対応を、しなければならない場合もあるのです。
賃貸部屋を契約した際、「エアコンあり」ということで入居を決定した物件の場合は、貸し主が修理をする義務があります。
その理由は、入居者は設置されているそのエアコンが使えることで、快適に過ごせるということを想定し、その家賃に納得して入居を決定したからです。
ゆえに、入居者が故意に故障させたり、整備を怠ったりした場合を除いては、修理費用や取り替え費用は大家さんが負担すべきなのです。
入居者自身がエアコンの修理や、新しいものに取り替えたりしてしまうと、最悪な場合、退去時に高額請求されることがあるので気をつけましょう。
部屋に設置されているエアコンが、前の入居者が設置して、残していった場合もあります。
このケースでは、入居者が対応する必要がでてきます。
なぜなら、大家さんはその設備を提供することを元に、部屋を貸しているわけではありません。
つまり、大家さんには修理する義務はなく、入居者が自分で修理をするなどの対応をしなければならないのです。
エアコンの修理費で揉めないために
例えば、エアコンのリモコンの電池交換や、フィルターの清掃は入居者の義務となります。
故障ではなく、実際にこれらがエアコンが作動しない原因だった場合で、修理を依頼してしまったら、出張費を請求される例もあります。
特に多いのが、エアコンのフィルター清掃を怠っている場合です。
ホコリやヤニでエアコンのフィルターが詰まり、その結果、エアコンが不調になってしまうことが多いのです。
心あたりがある借り主は、気をつけましょう。
また、前項でもお話したように、前の入居者が自分で設置して残していったエアコンなど、貸し主が所有権を持っていない場合です。
これは、入居者の自己責任で使用しても良い、扱いになっています。
エアコンの修理費が、どちらの負担かで揉めないように、確認しておいたほうが良いものがあります。
それは、アパートの入居者募集の広告や契約書、重要事項説明書です。
それらに記載されている「エアコン○基」の数と、実際に設置されている数が合致しているかどうか、事前に確認しておくと良いでしょう。
エアコンが故障してしまうと、修理後に納品されるまでに時間も掛かったり、入居者の立ち会いが必要だったりと大変です。
エアコンの不調を招かないようにするためにも、こまめの換気と、フィルターの清掃をするなどの入居者の努力も大切なのです。
エアコンが故障したら必ず大家さんや管理会社に連絡を
賃貸アパートを借りていて、エアコンの故障トラブルは、よくあることです。
賃貸アパートに備え付けてあるエアコンは、大家さんの負担で修理・交換してくれることが多いですよ。
何も知らずにエアコンの故障修理を借り主負担で行って、無駄な出費をしないようにしましょう。